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ディズニー唯一の公式アカペラ・グループ「ディカペラ」が覚えた意外な日本語とは!?

島田薫フリーアナウンサー/リポーター
左からアントニオ、RJ、モーガン、ケイレン、オーランド、ジョー

 ディズニー唯一の公式アカペラ・グループ「ディカペラ(DCAPPELLA)」は、全米1500人からオーディションで選出された、それぞれ華麗な経歴を持つ実力派の6人で構成。100%声だけで繰り広げるディズニーの世界は、 NHK『あさイチ』などで歌声を披露したこともあり、「鳥肌が立った」「声だけとは思えない」とSNSを中心に早速話題に。来日した6人を直撃しました。

—オーディションで1500人以上から選ばれた時はどう思いましたか?

ケイレン:1回目のオーディションの後「次も来てください」と言われたので、オーディションが続くのかと思っていたら、2回目で「決まりました」と言われ、とてもビックリしました。すぐにレコーディングが始まったので驚いている暇もなく、おもしろい体験でした。

ジョー:選ばれた時は「夢が実現した!」と思いましたが、実感する間もなくすぐにアルバムのレコーディングに入りました。その状況が8日間くらい続いて徐々に実感が湧いてきて、未だに少しずつ実感が湧いてきている感じです。あれから5年も経っていますが(笑)。

—皆さんは楽器を使わず声だけで奏でていますが、これまでに経験は?

アントニオ:我々は、それぞれ全然違うバックグラウンドを持っています。例えばブロードウェイだったり、レコーディングスタジオでの活動だったり、バンドで歌ったり…というような経験はありました。でも、この形でパフォーマンスをするのは皆初めて。だから「ディカペラ」で活動していると、毎日何かを学習しています。他の人のことをよく聴く耳を持つようになりましたし、自分がどういう形で参加をしていかないといけないのかということを、毎日のように学んでいます。

ディカペラの説明をする左のアントニオ、中央はケイレン、右はジョー(撮影:島田薫)
ディカペラの説明をする左のアントニオ、中央はケイレン、右はジョー(撮影:島田薫)

—「ディカペラ」に入って思うことは?

オーランド:このように、1つのプロジェクトが4~5年続くということは、本当に一生に一度しかないチャンスだと思っています。特に、この業界はそうですね。そして、グループの一員になることで、自分が変化し、進化しているのが分かります。自分は絶対、いろいろ変わったと思います。

ケイレン:私は常に感動して、ビックリしています。舞台上で皆が歌っている時に、例えばモーガンが歌っているのを聴いて「スゴイな」と思っていたら、さらにそれを超えてくるのでビックリさせられます。オーランドがソロを歌っている時には聴き入ってしまって、自分が歌うのを忘れたことも。メンバーたちの才能の新しい発見は常にあります。

—ディズニーで好きな作品は?

アントニオ:『星に願いを』…この曲には特別な思いがあります。子どもの頃、ベッドサイドにおもちゃがあって、紐(ひも)を引くとこの曲が流れる仕組みでした。まだこの歌詞の意味も分からなかったのに、聴く度に泣けてきたという記憶があります。この曲の「夢に向かって努力をすれば、夢は実現できる」というメッセージ性が素晴らしくて。このメッセージを、「ディカペラ」として世界中の人々に届けられるということが、私は本当に幸せです。

モーガン:私が一番好きなのは『スノーホワイト/白雪姫』の「いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)」。この曲が好きだし、その曲に繋がる前のシーンもすごく好きなんです。

『白雪姫』が好きだと語る中央のモーガン、左はジョー、右はRJ(撮影:島田薫)
『白雪姫』が好きだと語る中央のモーガン、左はジョー、右はRJ(撮影:島田薫)

—日本の印象は?(「ディカペラ」のツアーでは2回目の来日)

ジョー:日本が大好きです。これは皆もそうだと思います(一同:うなずく)。自分は子どもの頃から日本が大好きで、メディア・文化・歴史、すごく興味をそそられます。日本とアメリカの観客は全然違って、コンサートに来てくださる日本のお客様を見ていると、何でも吸収しようという姿勢がすごく伝わってきます。だから日本に来ることがいつも楽しみだし、本当に日本の全てが大好きです。

RJ:僕は、30ヵ国くらい訪れたことがありまして、その中の1/3の国には4回以上行っています。日本はそのうちの1つで、来るたびに期待以上のことがあります。映画や音楽でよく表現されていますが、日本の神秘性が好きです。日本に来た時のこの感覚、気持ちが呼び起こされる感じがいいんです。

オーランド:僕は日本のコミュニティ・社会性がとても好きです。例えば自分が病気になったら、それを他の人にうつしてはいけないという感覚、他人に対する心遣いが素晴らしい。この感覚は自分の宝として、一生忘れずに大事にしたいと思っています。

アントニオ:日本に来ると、いつもリフレッシュされた気がします。環境に優しいところも大好きです。それは尊敬できるところでもあるので、いろいろ観察しながら自分の人生に取り入れていきたいと思っています。

—食べ物は?

モーガン:好きな食べ物リストが1000個くらいあります(笑)。どら焼き・大福が好きですし、日本のブドウは世界一だと思います。おにぎりも好きですけど、この4日間、夕食はずっとお蕎麦を食べています。

オーランド:僕は寿司!

ケイレン:私は焼きそば!

好きな食べ物について語る中央のケイレンと右のジョー、左はアントニオ(撮影:島田薫)
好きな食べ物について語る中央のケイレンと右のジョー、左はアントニオ(撮影:島田薫)

ジョー:僕は食いしん坊で食べ物が大好きですが、特に海産物が好きなので、日本でしか食べられないものを食べようと思っています。先日は初めて“エイヒレ”と“かに味噌”を食べました。その国でしか食べられないものを食べてみたくなるタイプなので、この後もすごく楽しみにしています。

—最近覚えた日本語はありますか?

RJ:【物語】という言葉を最近覚えました。我々の音楽の中にも【物語】という単語が出てきますし、自分たちの経験の中でも重要なテーマだと思います。音楽は1つの物語を語っていく媒体でもあるので、言葉としても好きですし、【物語】という音もとても好きです。

アントニオ:私はビートボックスのソロパートがあるので、その時にスタッフに言うための日本語を覚えました。【もうひとつ!】。

モーガン:私は【もしもし】です。人が電話で【もしもし】と言っているのをよく聞きますが「カワイイ~」と思います。私も使いたいけど機会がなくて(笑)。

オーランド:僕は【尊重します】という日本語を覚えました。とても力強い言葉だと思いますし、お互いに尊重し合う、いい言葉です。

最近覚えた日本語について語るオーランド、左はモーガン、中央はRJ(撮影:島田薫)
最近覚えた日本語について語るオーランド、左はモーガン、中央はRJ(撮影:島田薫)

ケイレン:私は【よろしくお願いします】です。一見儀式的な感じですけど、仕事をする時に仲間と繋がる、大切な言葉だと思います。例えばスタジオやコンサート会場に入った時に、一緒に仕事をしている人たちと【よろしくお願いします】と言い合えると、「繋がっている」と感じることができて、いい言葉だなと思います。

ジョー:【東京特許許可局】。前回来た時に、通訳の方から早口言葉をいくつか習いました。「生麦生米生卵」「青巻き紙赤巻き紙黄巻き紙」「東京特許許可局」。(筆者が驚いているのを見て)そのリアクションを見るのが楽しいから、早口言葉が好きです(笑)。

—今回は長い期間、各地に行かれますが、楽しみにしていることは?

ケイレン:私は食べ物です。日本で一番好きな食べ物は“焼きそば”ですが、福岡では“焼きうどん”が有名だと聞いて、福岡に行ったらぜひ、食べてみたいと思います。

RJ:僕は札幌で“ラーメン”を食べるのが楽しみです。

アントニオ:僕は各地でハイキングスポットを見つけたいです。

ジョー:僕は、日本のアニメーション文化を体験できるスポットに行きたいです。

モーガン:各都市に“ゆるキャラ”がいると聞いたので、行く先々の“ゆるキャラ”を覚えてグッズを買いたいです。

オーランド:僕は、地元の方の日常の生活に興味があるので、それが分かる場所に行きたいです。先日原宿に行ったら、細い路地にいろいろなカフェがあってとても興味深かった。コロナがあるので気をつけなければいけないし、したいことが全部できるとは限らないけど、その土地の人たちが何をして、どういうところでご飯を食べているのかを探検したいです。

ディカペラの6人
ディカペラの6人

【インタビュー後記】

部屋に入った途端、一斉に「ハロー!」と明るくあいさつしてくれた「ディカペラ」の6人。質問には、適した人が即座に答え、他の5人はそれを聞いて笑ったり、自分の意見を言ったり、グループの安定感が感じられます。「最近覚えた日本語」を聞いた時、私がなかなか理解できずに何度も聞き返していたら、アントニオがボイス・パーカッションを織り交ぜながら丁寧に説明してくれました。場が盛り上がったのは言うまでもありませんし、ちょっと得した気分でした。滞在中、少しでも日本を楽しんでもらいたいです。

■「ディカペラ(DCAPPELLA)」

ディズニーが公認する唯一のアカペラ・グループ。楽器を使わず人の声だけで音楽を奏でる。2017年に大規模なオーディションを実施し、全米で1500人以上が集まる中から選ばれた。2回目の来日ツアーで、全国7都市・22公演は来日アーティストでは異例の公演回数。ディズニー・アカペラ・コンサート「ディカペラ」は、今夏(8/5~21)東京・東急シアターオーブで開幕。その後、大阪、広島、福岡、鹿児島、名古屋、札幌でも開催。https://www.disney.co.jp/eventlive/dcappella.html

<メンバー>

▼アントニオ・フェルナンデス(ボイス・パーカッション)、「American Music Machine」元メンバー、コンテンポラリー・アカペラ協会賞4度受賞。

▼RJ・ウェスナー(テノール)、映像のナレーター・テレビ・映画などで活躍。アレンジャーとして、 2018年のコンテンポラリー・ アカペラ・レコーディング賞( CARA )にノミネート。

▼モーガン・キーン(ソプラノ)、ミュージカル『ニュージーズ』のナショナルツアーに出演。

▼ケイレン・ケリー(メゾソプラノ)、4歳から州のスポーツイベントなどで歌い始め、世界各国で活動。

▼オーランド・ディクソン(バリトン)、バークリー音楽大学卒業。米人気音楽オーディション番組『ザ・ヴォイス』セミ・ファイナリスト。ザック・ブラウン・バンド、ワン ・ リパブリックなどと共演。

▼ジョー・サントーニ(ベース)、オークランド大学声楽・オペラ科卒業後、LAでプロとして活躍。ドルビー・シアターで 『ゼ ル ダ の 伝 説シンフォニー (The Legend Of Zelda: Symphony Of Goddesses)』に出演した経験を持つ。

フリーアナウンサー/リポーター

東京都出身。渋谷でエンタメに囲まれて育つ。大学卒業後、舞台芸術学院でミュージカルを学び、ジャズバレエ団、声優事務所の研究生などを経て情報番組のリポーターを始める。事件から芸能まで、走り続けて四半世紀以上。国内だけでなく、NYのブロードウェイや北朝鮮の芸能学校まで幅広く取材。TBS「モーニングEye」、テレビ朝日「スーパーモーニング」「ワイド!スクランブル」で専属リポーターを務めた後、現在はABC「newsおかえり」、中京テレビ「キャッチ!」などの番組で芸能情報を伝えている。

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