昨年、東京五輪、世界選手権に出場し、両大会で日本人選手最高位を獲得した喜田純鈴は、5月14~15日には東日本インカレに出場していた。そこではもちろん優勝を果たしたが、単に勝っただけでなく、昨年までとは4種目中3種目の曲を変え、演技構成も新ルールに対応して大きく変更していたが、それでもミスは最小限に抑え、ゆとりさえ感じられる風格のある演技を見せていた。

そして、その2週間後に行われた「新体操WCCポルチマン大会」では、個人総合5位、予選ではフープ2位、リボン3位で種目別決勝にも残り、どちらも決勝で4位と大健闘を見せた。

リボンの演技をする喜田純鈴(東日本インカレ)
リボンの演技をする喜田純鈴(東日本インカレ)

1年前には、東京五輪の代表を争っていた皆川夏穂(イオン)は現役引退、東京五輪には共に出場した大岩千未来(イオン)は、特別強化選手辞退で、現在、日本の新体操のけん引役としての役割がぐっと重くなっている喜田だが、このところの大会の演技は、いい意味で「力が抜けている」と感じられる。もちろん、競技を続ける以上、さらに上を目指しているとは思うし、努力していることもわかる。が、「東京五輪に出られるかどうか」という戦いに臨んでいたときとは、段違いののびやかさを今の喜田は手に入れているように思う。気持ちの問題もあるだろうが、今年から適用されている新ルールの影響もあるだろう。去年までの「技を数多く詰め込む競争」から解放され、本来、喜田の持ち味であった表現力で魅せる演技を、改めて目指しているように感じられる。

今年大学4年生の喜田にとっては、2024年のパリ五輪は考えられないかもしれないが、そうならなおさらのこと、「いけるところまで」自分の新体操を高めていく、そんな挑戦を最後まで続けてほしいと思う。

そして、この大会には、喜田ともう一人、日本から派遣されていた選手がいる。

喜田未来乃(エンジェルRGカガワ日中)だ。

ユースチャンピオンシップでトップの高得点をマークした喜田未来乃のボール
ユースチャンピオンシップでトップの高得点をマークした喜田未来乃のボール

名前を見れば察しがつくだろうが、喜田純鈴の妹にあたる。現在、高校2年生。

5月20~22日の全日本ユースチャンピオンシップに出場していたが、フープでミスを連発し個人総合4位に終わったが、ユースでも実施のよかったボールとリボンでは種目別で1位となる高得点をマークした。まだミスが出てしまったときの立て直しに課題は残るが、姉とはまた違った個性、魅力をもった期待の選手だ。

シニアとしては初の国際大会となる今大会では個人総合14位。満足のいく成績ではないかもしれないが、ここはまだスタート地点だ。

2011年に個人競技の強化も選抜方式になって以来、日本の選手たちにとっては国際大会への出場のハードルは高くなってしまった。それだけに、姉妹そろっての国際大会出場は非常にレアなケースだ。類まれな素質に恵まれた姉妹ゆえに、期待の大きさを重荷に感じることも少なくないだろうが、お互いの存在が励みになり、支えになることもあるに違いない。

「日本新体操史上最強の姉妹」のこれからに期待だ。

<写真提供:日本ビデオアルバム協会/Gymlove>撮影:清水綾子