今年10月28日~H11月6日、リバプール(イギリス)で開催予定の世界体操選手権の日本代表選手を決定するNHK杯が現在開催されており、昨日(14日)は女子の上位3選手が代表に決定した。

そして本日(5/15)には、男子の競技が行われ、昨年の東京五輪個人総合で優勝し、すでに代表が内定している橋本大輝(順天堂大)を含む3名の代表がまず決定する。

4月に開催された全日本選手権がNHK杯の予選を兼ねており、上位26名だけがNHK杯に駒を進めているが、代表選考においては、全日本選手権での得点が持ち点となる。当然、全日本選手権上位の選手が選考では優位に立っていることになる。

橋本大輝(順天堂大)
橋本大輝(順天堂大)

全日本選手権では橋本選手が2連覇を達成し、貫禄を見せたが、注目すべきは2位だ。

全日本選手権2位の神本雄也(コナミスポーツ)
全日本選手権2位の神本雄也(コナミスポーツ)

2位に入った神本雄也(コナミスポーツ)は、2016年リオ五輪では、萱和磨(セントラルスポーツ)と共に補欠だった選手。団体金メダル獲得の歓喜の瞬間を観客席から見つめるという悔しい経験をしてきた選手だ。「次の代表に一番近い」と言われ続けてきた神本だが、常にあと一歩が届かず現在に至っているが、今年の全日本選手権では絶好調。優勝した橋本が全日本2日間×6種目合計174.161に対して、171.263をマークしている。橋本との点差はややあるが、東京五輪では代表だった萱、谷川航、北薗らには3点近くの差をつけている。

「ぬるっとした」と言われる平行棒は神本の得意種目
「ぬるっとした」と言われる平行棒は神本の得意種目

神本は、日本が苦手なつり輪、このところ苦戦している平行棒が強く、チームバランスを考えた上でも非常に頼りになるタイプの選手。NHK杯でも好調を持続できていれば、今回の日本代表にはまさに「もっとも近いところにいる」と言ってよいだろう。

3位には170.197をマークした土井陵輔(日本体育大学)が入ったが、土井は昨年のNHK杯を含めた代表選考では20位に終わっている。しかし、五輪後に行われた全日本インカレでは、橋本に次いで個人総合2位と着実に伸びている選手だ。

全日本選手権3位の土井陵輔(日本体育大学)
全日本選手権3位の土井陵輔(日本体育大学)

母校である日体大に拠点を移した内村航平や、日体大で指導にあたる白井健三ら、レジェンドたちから多くのものを吸収しているだろうことからも、初の代表入りへの期待はおおいに膨らんでいる。豪快な印象の選手だが、甲のカーブがしっかりと見えるつま先の美しさなど繊細さも持ち合わせている期待の大学3年生だ。

上腕のたくましさに加え、つま先の美しさが目を引く土井の鉄棒。
上腕のたくましさに加え、つま先の美しさが目を引く土井の鉄棒。

全日本選手権の2日間では、上位3選手が170点超えを成し遂げたが、4位以下は168点台に4人がひしめき合う大混戦。4位・川上翔平(徳洲会体操クラブ/星槎大学)、5位・萱和磨(セントラルスポーツ)、6位・谷川翔(セントラルスポーツ)、7位・谷川航(セントラルスポーツ)と実力も経験も十分なメンバーが虎視眈々と巻き返しを狙っている。

世界選手権代表メンバー5名のうちの3名が今大会上位者で決まるが、残り2名は6月18~19日に行われる全日本種目別選手権の結果を受け、すでに決定している3名との組み合わせによるチーム貢献度の高い選手が選ばれる。

仮に、現在のTOP3(橋本、神本、土井)がこのまま代表に決まった場合、その3名のチームの穴になりそうな種目で高い得点をマークすることが、代表入りへの条件となる。それだけに、個人総合での逆転は難しい状況になったとしても、最後まであきらめず、とくに貢献度を稼げそうな種目ではおおいに攻めた演技を見せ、得点を稼いでおくことが必要となる。

代表入りを懸けた熱い演技の応酬に注目したい。

※今大会は、NHK-BS1では11:50~16:30、Eテレでは14:00~15:10にテレビ放送される。

※ライブリザルトは、こちら。

<写真提供:末永裕樹>