「大学生の五輪」とも言われるワールドユニバーシティゲームズへの出場は、新体操を続けている大学生にとっては大きな夢だ。4月16~17日に行われている「新体操日本代表選考会」は、いくつかの国際大会の代表選考を兼ねているが、とくに熱いのはこの大学生たちの戦いだろう。

 そして、その熱戦の前半を制したのは、昨年の全日本インカレ女王・松坂玲奈(東女体大/ヴェニエラRG)だった。今年、大学4年生になった松坂は、小学生のころから全国レベルで活躍してきた選手で、圧倒的な手具操作能力をもち、昨年までのルールでは有利と言われていた。

松坂玲奈(東京女子体育大学/ヴェニエラRG)
松坂玲奈(東京女子体育大学/ヴェニエラRG)

 しかし、今年から新体操では「芸術性」の比重が上がり、本来「表現の面はちょっと苦手」と自認していた松坂にとっては逆風かと思われた。が、たしかに大学生になったばかりのころは、「与えられた振付をなんとかやってみています」という感もあった松坂だが、ここにきて、インカレ覇者の自信からか一気に表現力に進境が見えた。とくに、前半種目で披露したボールは、昨年までの「技職人」とは別人だった。年齢相応の女性らしさ、柔らかさが違和感なく発揮され、「表現は苦手」だった選手が、ついにここまで来たか! と感動させるものがあった。それでいて本来の持ち味である、スピーディで正確な手具操作も健在。非常にバランスのよい魅力的な演技になっていた。終わってみれば、前半2種目はどちらもトップの得点をマークし、暫定首位となった。

 2位には表現力には定評のある柴山瑠莉子(日女体大)、3位には、松坂と同じ高い技術力が強みの選手ながら、昨年あたりから表現が目に見えて伸びてきた高校3年生・鈴木菜巴(須磨ノ浦高校/アリシエ兵庫)がつけている。

 団体競技では、日本女子体育大学が29.600をマークして、この日の「フープ×5」を制した。2位の国士舘大学、3位の東京女子体育大学とはしのぎを削る三つ巴だが、2位との点差は2.250あり、2日目の「リボン&ボール」を手堅くまとめれば日女が代表の座を勝ち取りそうだ。しかし、リボンという難しい手具が入った団体では大きなミスも起きやすく油断は禁物。昨年の全日本の団体女王・日女としてはしっかりとここで勝ち切りたいところだ。

「フープ×5」で首位に立った日本女子体育大学
「フープ×5」で首位に立った日本女子体育大学

 同選考会では、アジアジュニア新体操選手権の代表選考も行われており、個人総合は、昨年の全日本ジュニアチャンピオン・馬場せせら(イオン)、団体では全日本ジュニア常連のCAC RG(千葉県)が、暫定首位に立っている。

馬場せせら(イオン)
馬場せせら(イオン)

CAC RG(千葉県)
CAC RG(千葉県)

 後半種目は、本日13時競技開始。代表の座は誰のものになるのか。注目したい。

※ライブリザルトはこちら。

<写真提供:岡本範和>