東京五輪開幕まで1か月となった。

新体操では、本日(6月19日)からの2日間にわたり、高崎アリーナにおいて「日本代表選考会」が行われ、代表候補となっている特別強化選手3名(皆川夏穂、喜田純鈴、大岩千未来)が直接対決。上位2選手が東京五輪新体操日本代表に選出される。

注目の大一番だが、新型コロナ感染拡大防止のため、無観客開催となり、日本体操協会は以下のYouTubeチャンネルにてライブ配信を予定している。

1日目の今日は、10時30分より配信開始。同時に開催されている「第29回全日本新体操クラブ選手権」の様子も配信される。全日本クラブ選手権は、動画提出による予選を勝ち抜いた(上位5チーム)クラブチームにシード3チームを加えた8チームによるクラブ対抗戦となっており、現在の日本のトップクラブチームの選手たちの熱戦を見ることができるので、ぜひこちらも注目してほしい。

日本代表候補となっている3選手は、18日にオンライン会見を行い、それぞれに現在の心境、意気込みを語った。

高校時代の皆川夏穂(2014年)
高校時代の皆川夏穂(2014年)

リオ五輪にも日本代表として出場経験のある皆川夏穂選手は、この会見で、「2019年の世界選手権後、コンパートメント症候群が悪化し、演技中も30秒くらいで足に力が入らなくなるという状態だった」と明かした。治療しながら練習を続けていたというが、「このままではトップを目指す練習ができない」と、2019年12月に手術を敢行。2021年5月に出場したイリーナ・デレアヌカップ(ルーマニア)まで1年半実戦から離れていたが、この大会では、「1年半やってきたことの成果が感じられ、自信がついた。ここから頑張っていこうという気持ちになれた」と言う。

代表選考会に向けては、「今までは、メンタルの問題で練習でやってきたことを試合で出せないということが多かった。そこを改善するためにやるだけのことはやってきた。今のルールではたくさんの技をやらなければならず、新体操のもつ美しさが減りつつあるが、自分の武器である美しさをしっかり発揮していきたい。」と、笑顔を見せた。

ジュニア時代の喜田純鈴(2013年)
ジュニア時代の喜田純鈴(2013年)

W杯最終戦となったペサロ大会では、腰のコンディション不良で後半種目棄権となった喜田純鈴選手は、現在のコンディションについて質問されると「調整できているので大丈夫」と答えた。「前回の大会から4種目とも技を増やしているが、同時に表現、アクセントにこだわってやってきた。“以前とは違っているな”と思わせたい。自分の強みは、独特な雰囲気とかっこよさ。自分の良さを出したいと思う。」と、緊張感が伝わってくる表情ながら選考会への抱負を語った。

ジュニア時代の大岩千未来(2014年)
ジュニア時代の大岩千未来(2014年)

W杯ペサロ大会で健闘し、日本に2枠目の五輪出場枠をもたらした大岩千未来選手は「W杯の4戦は大変だったが、出させていただいたことに感謝している。ペサロでは、結果を気にせず楽しくやれて枠もとれて嬉しかったが、まだ自分が代表に決まったわけではないと気持ちが前に向いた。自分のアピールポイントは、つま先の柔軟性を生かしたスピード感のあるピボット。自分自身が楽しんで踊れるようにして、“すごいなー”と思われるような演技をしたい。」と意気込みを語った。

明日(6月20日)には、日本代表が決まる。

どんな結末が待っているとしても、彼女たちがここまで積み重ねてきた努力の価値が損なわれることはない。

誰のためでもなく。

ここまで頑張り続けてきた自分自身のために、3人が全力を出し切れることを祈りたい。

なお、この代表選考会は、1日目と2日目で行う4種目の総合得点で高いほうから2位までの選手が日本代表に選ばれる。

たとえば、1日目に1位になった選手でも、2日目に他の2人が1日目の1位の総合得点を上回る点数を上げた場合は、代表にはなれない。なので、1日目にリードしたとしても、守りに入ることはできず、最後の瞬間までそれぞれの選手が、「自己最高」を目指して戦い抜くことが求められる過酷な選考方法となっている。

<写真提供:末永裕樹/清水綾子>※皆川・大岩⇒末永、喜田⇒清水