【新体操】「JAPANで観たい!」vol.5~ひと皮むけた喜田純鈴(国士舘大学)の魅力炸裂演技

全日本インカレで吹っ切れた生き生きした演技を見せた喜田純鈴

10月25~27日に行われた全日本インカレで女子個人総合優勝した喜田純鈴(国士舘大学)は、かなりいい状態にあるようだった。

1日目のフープ、ボールはどちらもノーミスで、フープ23.100、ボール22.750と、国内の選手ではなかなか出ない20点台に軽々とのせた。

初日はもちろん暫定首位。

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2日目の1種目目クラブでは少し不安定さが見え、ラストが落下場外で終わってしまったが、それでも18.900。

そしてなんといっても圧巻だったのは、最終種目のリボンだった。

昨年から使っている「007」の曲にのせたクールな演技を、新調したブルーのオールタイツのレオタードでスポーティーに演じ切った。

今大会での喜田は、ミスを最小限に抑えたこと、動きにキレがあったことなど、五輪延期という悲劇をしっかりと乗り越えてきたことを感じさせる演技を見せた。さらに、特筆すべきはその表情だった。

幼いころから、日本のトップレベルで競う選手として注目され続けてきた喜田は、素晴らしい選手であり、実績も十分ではあるが、表情は硬い印象があった。とくに代表候補になってからは、必死さは伝わってくるが、演じていることを楽しんでいるようには見えなかった。もちろん、抱えるプレッシャーが大きいのだからそれは当然のころではあるのだが。

その喜田が、今大会では違っていた。

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いわば「国士舘大学の喜田純鈴」として、大学生らしい生き生きとした表情で、リボンでもかっこよく女スパイを演じることを楽しんでいるように見えたのだ。

今年の全日本選手権には連覇がかかっている。

現在、日本代表候補となっている3選手(皆川夏穂、喜田純鈴、大岩千未来)の中で、全日本選手権に出場し続けているのは喜田だけだ。

その分、日本の新体操ファンにとっては、もっとも演技を見る機会がある代表候補選手といえる。

それだけに、喜田純鈴に対しては、その苦境も頑張りも、身近に感じている人が多いと思う。

東京五輪の日本代表は、3選手による選考会で選出することがつい先日の体操協会理事会で決定している。

※日本体操協会常任理事会議事録

もちろん、どの選手も「そこ」を目指して必死にやってきているのはわかる。

誰が選ばれても、誰が落ちても、嬉しくもあり、切なくもある。

が、もしも喜田純鈴が選ばれることがあるならば、「全日本チャンピオン」が代表になったという点で、全日本選手権に挑戦し、同じ舞台で戦ってきた選手たちも嬉しいのではないかと思う。

まずは、全日本選手権を勝ち切り、全日本チャンピオンとして代表選考に迎えるように、五輪延期を乗り越えた喜田純鈴のとびきりの演技を見せてほしいものだ。(現在、国士舘大学は、新体操部も活動している多摩永山キャンパスの学生にコロナ陽性者が出たため、部活動中止になっており、全日本出場も危ぶまれているが、なんとか出場できることを祈りたい)

※全日本インカレDVDはこちらから購入可

※全日本選手権は無観客での開催となる。テレビ放送予定は以下のとおり。

「スカイA」全日本新体操選手権放送予定

<写真提供:日本ビデオアルバム協会>撮影:清水綾子