【新体操/男子新体操】喜田純鈴(国士舘大学)、圧巻の演技で首位発進!~第72回全日本インカレ

この日の最高得点23.100を出した喜田純鈴のフープ

第72回全日本インカレ1日目は、個人総合前半種目が行われた。

男子は、昨年度インカレチャンピオンで今大会も優勝候補の筆頭にあげられていた安藤梨友(青森大学)が順当に暫定首位。

1種目目のスティックで珍しく落下ミスがありひやりとさせたが、2種目目リングでは「愛の讃歌」にのせたドラマチックな演技で18.325をたたきだし、2種目合計36.075で首位に立った。

暫定首位に立った安藤梨友(青森大学)
暫定首位に立った安藤梨友(青森大学)

2位には、9月に行われた男子クラブ選手権の覇者・堀孝輔(同志社大学)がつけた。堀にしては珍しく、リング、スティックとも少しずつミスはあったが、音楽を奏でているかのような身体表現には卓越したものがあった。2種目合計35.625で、首位の安藤とは0.450差。後半種目の出来いかんでは逆転の可能性も残る位置につけている。

2位につけている堀孝輔(同志社大学)
2位につけている堀孝輔(同志社大学)

3位には、今、話題の佐藤三兄弟の次男・佐藤颯人(青森大学)が入った。かつては、持ち前の運動神経のよさ頼みのようなところもあった佐藤颯人だが、スティックでは繊細でしっとりとした表現を見せ、リングでは、名曲「I love you」を情感たっぷりに踊り切った。どちらもノーミスでこの2種目合計34.950。4位には弟の嘉人が0.025差で入っている。

暫定3位の佐藤颯人(青森大学)
暫定3位の佐藤颯人(青森大学)

女子は、現・全日本チャンピオンの喜田純鈴(国士舘大学)が、順当に首位発進となった。喜田は、本来なら夏に予定されていた東京五輪の代表候補でもあり、五輪延期による精神的な動揺は大きかったはずだ。しかし、今大会での演技は、むしろこの延期を自らの糧にしたと思えるものだった。1年前よりもずっと代表に近い存在に成長していると感じさせる演技で、2種目ともノーミス。表現にも華やかさが増し、大人になった喜田純鈴を見せつけ、2種目合計45.850という突出した高得点をマークした。

女子暫定首位の喜田純鈴(国士舘大学)
女子暫定首位の喜田純鈴(国士舘大学)

2位には、今年が大学生最後の年となる清澤毬乃(日本女子体育大学)が入った。かねてより柔軟性や線の美しさには定評のある選手だったが、1つ上の学年に強い選手が多く、なかなか表彰台には届かなかったが、ラストイヤーの今年、それも今シーズン初試合となった今大会で2種目とも貫禄の演技を見せた。2種目合計39.000。

2位につけた清澤毬乃(日本女子体育大学)
2位につけた清澤毬乃(日本女子体育大学)

暫定3位は、1位の喜田とは同級生でチャイルド時代からのライバル・柴山瑠莉子(日本女子体育大学)。柴山は、今シーズン練習環境の変化もあり調整に苦しんだ時期もあったと聞くが、このインカレに間に合わせてきた。1種目目のボールは、今まで常に柴山がまとっていた「新体操大好き! 演技するのが楽しい!」という雰囲気よりも緊張感が伝わってきたがノーミスでまとめた。続くフープでは、柴山らしい良さも復活してきていることが感じられる演技でこちらもノーミス。「新体操の神様は彼女を守っている」と感じる2種目で、合計38.950をマークした。

3位につけた柴山瑠莉子(日本女子体育大学)
3位につけた柴山瑠莉子(日本女子体育大学)

上位陣の演技はいずれも素晴らしく、「新体操って素晴らしい!」と感じさせてくれた同大会だが、コロナ感染拡大防止のため、無観客。

代わりにライブ配信が行われいる。

1日目は、初の試みということもあり、通信状態が安定せず、配信が途切れたり、止まったりするトラブルもあったが、最多時には1200人もの視聴があり、累計では3万回を超える閲覧数を記録。配信を行った新体操NAVIのチャンネル登録者数も一気に1000人を突破した。日曜日という条件にも恵まれたかと思うが、新体操に対する関心の高さを証明する数字ではないかと思う。

前日のテストでは問題なかった通信状態が当日一気に悪化したのは、この日、大会会場となったエフピコアリーナふくやま界隈はかなり人手が多く、周辺でのWi-fi利用の多さなどが影響した可能性もあるという。途中から会場でのスマホの電源オフへの協力を求めたところ、かなり配信が安定したが、まだ配信には様々な課題があることがわかった。

それでも、大会開催そのものも中止にしたほうがリスクは少ないこともわかった上で、他種目の多くでもインカレが中止になる中で、インカレの開催を敢行した全日本学連の奮闘ぶりには涙ぐましいものがあった。ライブ配信も、「できません」と切り捨てることもできたはずの学連が、応援に来ることのできなかった人達のために、会場で演技を見せることが叶わなかった選手たちのために、なんとかしようと協力業者を得て、挑戦してくれていることだ。

初めての試みゆえに、思わぬトラブルもあり、すべてスムーズというわけにはいかなったかもしれないが、その挑戦する心意気には感服した。本日も、ライブ配信は敢行予定。

初日上位選手の清澤、柴山が登場する個人競技CD班は、9時30分から、男子優勝争いを繰り広げる安藤、堀、佐藤と女子暫定首位の喜田が登場するAB班は14時05分からの競技開始となる。また、18時からは女子団体「ボール×5」も行われる。ぜひライブ配信で大学生最高峰の熱い戦いを見てほしい。

<写真提供:日本ビデオアルバム協会>撮影:清水綾子