【体操&新体操】相次ぐ動画配信で見えてきた現役選手&OB達の「解説力」「説得力」の凄さ!

YouTubeチャンネルを開設した今林開人選手

続々と増えてきているアスリートによる動画配信。

再生回数という点で人気なのは、チャレンジもの、トレーニングもののようだが、その競技のファンにとって非常に興味深く、現役の競技者にとっても参考になるのは、「解説もの」ではないかと思う。

そもそも、テレビ放送が少ない体操競技、新体操などでは、「見る目、知識を持った人による解説」を聞く機会自体があまりない。

熱心なファンは、SNSを通じて、様々な情報を手に入れ、勉強もしているが、もっとちゃんとした解説を聞く機会があればなぁ、と思うことも多いと思う。

ただ、体操、新体操などのような審美系競技は、主観が入るものなので、誰それかまわず下手に解説はできない空気があることも事実だ。

しかし、ここにきて現役、あるいはOBたちがどんどんYouTubeチャンネルを開設し、その中に、「解説もの」と言えるコンテンツも現れてきた。

つい先日、公開された今林開人選手の「ハンパない体操選手3選」。

これは非常に面白かった。

萱和磨選手、橋本大輝選手という「当然入るでしょ」な2選手にしても、同じ現役選手として戦ってきた、さらには練習も近くでやってきている今林選手ならではの視点での「ハンパなさ」の解説にはかなり説得力があった。

そして、第3の選手として名前が出てくる前田楓丞選手!

失礼ながら、コアな体操ファンじゃないと名前も知らない選手だろうと思う。

が、日本の体操界にはこういう選手がザクザクいる。それを今林選手の言葉で紹介されると俄然注目しよう! という気になる。

体操競技の名門・徳洲会体操クラブの3選手(武田一志・岡準平・長谷川智将)によるYouTubeチャンネル「Hand Stand Man」でも、先日、武田選手の幼少期の動画、現在の動画を見比べるという動画を公開していた。

ヘアスタイルや笑顔をいじったり、というおふざけもありつつ、日本のトップレベルまでいく選手が、小学生のころどんな練習をしていたのか、どんな演技をしていたのかが見られ、また同じくトップレベルにある選手たちが、愛のある解説をするというのは、見ていて楽しかったし、現役の小中学生などにはとても参考になるものだったと思う。

男子新体操では、6月24日に行われた「男子新体操OBカップ」の審査結果発表が秀逸だった。

主催者だった男子新体操OBの4人が、このOBカップに参加した全チームに対する講評をしながら、賞を授与していったのだが、その講評が、やはり「やってきた人達だけのことはある!」と思わせるものだった。

この大会は、出場者から寄せられた練習動画による審査だったため、通常の大会と違って、練習環境や練習の雰囲気が、応募動画から感じとれるものだった。純粋に演技だけでなく、そういう部分にまで言及するのが、競技経験者ならでは! と感心させられた。

アスリートたちが、様々な方法で情報発信していくこと。

こと、それが映像を伴うものであること。

それが今後、競技にとってどういう影響を与えていくのか、正直、まだ測りかねているところはある。

選手たちや、その競技にとってイメージダウンにつながるような発信が出てこないとも限らないという危惧もある。

が、こうして、「ああ、これはいいな」「競技経験者、現役選手ならではの視点にはかなわないな」と思えるものを見せられると、これはこれでいい形で、節度を保ちながら、もっと普及してくれればと思う。

長年、体操競技、新体操競技を取材し、情報発信もしてきたが、それぞれの競技があれだけ魅力的なのに対して、あまりにもマイナーだと思う。私もそれを少しでも覆したいと思い、活動はしてきたが、なかなか現状を打破することはできずにいた。

選手たち、OBたちによる情報発信には、従来のメディアや、ファンなどの発信とは違う力があるのではないのか。

そして、その力が、体操競技や新体操をよりメジャーなスポーツへと変えていくのではないかと、私は期待し始めている。

※参考記事「アスリートたちが続々YouTubeデビュー!」