東京をはじめ、全国ほとんどの地区では、緊急事態宣言により、体育館で練習することができなくなり、新体操選手たちは自宅待機を余儀なくされている。

近年、女子新体操界での存在感が増しており、日本代表選手も数多く籍を置く国士舘大学も同様だ。

今年は、有力な新入生も多く、おおいに期待され、チームとしても意欲満々だったはずだが、現在は集まっての練習はまったくできない状況にある。

そんな中、それぞれの選手がそれぞれの過ごしている場所で、自宅や屋外など、感染防止に留意しながら撮影したトレーニング動画を編集した「コロナと闘う! 練習動画 Part1」が、公開された。

昨年末からフェアリージャパンPOLAの公開練習が増え、新体操の練習ぶりがメディアの目に触れる機会が増えていた。

そのときに報道陣から「新体操の練習は思った以上にハードだ。選手たちの能力が凄い!」という言葉がもれていた。

そのことに気づいてもらえたことは、長年新体操を見てきた立場からは嬉しかった。

が、間違えないでほしい! と思っていたのは、そのハードさや能力の高さは、なにも「フェアリージャパンだから」、ではないということだった。

新体操に真剣に取り組んできた選手たちなら、日本の高校生、大学生でも、おそらくあまり新体操を見たことがない人たちが見れば、フェアリージャパンと見分けがつかない程度にはスゴイのだ。

国士舘大学女子たちのこの動画は、べつに「スゴイ」ことを見せたくて作ったものではない。むしろ、いつも通り淡々と、どこにいても練習を続けているよ、という姿を見せることで、今つらい思いをしている多くの人が少しでも元気になってくれたら、という思いからだろう。

家の中で、あるいは庭先で、公園で。おそらく日本中のあちこちに散って、本来ならば体育館でみんなと一緒に励まし合いながら、やっていたはずの練習を、ひとりで黙々と続けている彼女たちの姿からは、能力の高さだけでなく、思いの強さが伝わってくる。

五輪が延期になっても、明るく前向きな姿を発信しているフェアリージャパンも凄い。

が、国士舘女子たちと同じように、諦めることなく、今できることを必死にやっている新体操人は日本中にたくさんいる!

この動画は、そんな人たちに、「私たちも頑張っているから、みんな頑張ろう! みんなで乗り越えよう!」と言っているようで、私は少し泣いた。明るい曲で、希望を感じられる動画なのだが、だからこそ泣ける。

いつか、「このときは大変だったねぇ」とみんなで笑いながら、この動画を見られる時が来るだろうか。いや、きっと来る! そう信じたいと思った。

第2弾も予定されているそうだ。期待して待ちたい。

<写真撮影:筆者>※2019年多摩祭のもの