【新体操】2021年7月23日開幕となった東京五輪。メダル期待種目・新体操団体はどうなる?

リオ五輪以降、強化が着実に進み世界選手権でもメダル獲得が続いていた新体操団体

コロナウィルスの感染拡大はいまだおさまる気配もなく、日に日に不安が募ってくるが、延期が決まった東京五輪の開幕は、2021年7月23日と発表された。

選手たちも、延期によっていったんは大きなショックを受けただろうことは間違いないが、次の目標の具体的なスケジュールが決まったことで少しホッとしているのではないかと思う。

が、この前代未聞の事態に、どの種目も対応に大わらわだ。新体操も例外ではない。

延期となっているワールドカップシリーズは、行われるのか?

本来なら、今回の五輪の前哨戦となるはずだったワールドカップシリーズ(枠獲りにも影響する)は、軒並み延期になっているが、新しい日程はまだ到底決められる状況ではない。

今年は夏の五輪はなくなったが、本来、五輪がある予定だったので、例年なら秋に行われる世界選手権もない。

となると、ワールドカップシリーズは、できることなら秋に開催が望ましいとは思うが、世界中で感染拡大している現状を鑑みると、とても秋に開催できるとは思えない。

最悪、2020年度のワールドカップシリーズは中止となる可能性もある。

五輪も1年延期なのだから、ワールドカップシリーズも2020年度はなしで、2021年になってから、本来とおり(4月開始)のスケジュールで行うことになっても、枠獲りや代表決定などには間に合うだろう。五輪ごと、すべてが1年延期という形だ。

2021年になった東京五輪での団体種目は何なのか?

しかし、ここで新体操独特の問題が出てくる。

「実施種目は何になるのか?」

団体競技の種目は、2シーズンごとに変わる。

五輪シーズンだった2020年は、「ボール×5」と「フープ&クラブ」だった。

2019年から引き続きの2シーズン目。日本のフェアリージャパンPOLAは、この2種目に関しては、昨年の世界選手権で団体総合2位、「ボール×5」では、種目別優勝と実績を積んできている。

とくに、ボールに関しては、他国にはない正確な「片手キャッチ」が日本の強みとなっており、東京五輪でもおおいに期待できる、とされていた。

が、しかし。

本来ならば、2021年からは団体の種目は変更になる。

FIGの採点規則によると「クラブ×10」と「フープ&リボン」が2シーズン続くことになっている。

果たして、本来の予定通りに種目は変わるのか?

2020年内にワールドカップシリーズが行えれば、それもあり得るだろうが、万が一、ワールドカップシリーズが中止にでもなれば、各国とも、五輪シーズン用にかなり力を入れて創り上げてきているだろう、今シーズンの「ボール×5」「フープ&クラブ」は、このままだと披露することなく終わってしまう。

日本も、今シーズンの作品は、極限まで難易度を上げ、頂点獲りを狙える内容に取り組んできていたが、大会ではまだ一度も披露していない。果たして、あの作品はどうなるのだろう。

それも、ワールドカップがどうなるのか? 種目変更は予定とおり、2021年からなのか? 

様々なことが決まらなければ、決めようがない。

幸い、2021年から種目が変わるとしても、クラブとフープは今も使っている。リオ五輪のときは「リボン×5」だったので、リオ経験者の多い今のフェアリーメンバーなら、あまり不安はないはずだ。

フェアリージャパンPOLAのリボン×5の演技(2016年国内のエキシビションでのもの)
フェアリージャパンPOLAのリボン×5の演技(2016年国内のエキシビションでのもの)

新ルールは、2021年から適用されるのか?

しかし、不透明なことは他にもある。

新体操のルールは、五輪の翌年に大きく変更される。

今回も、2020年東京五輪後、2021年シーズンからは変更されることになっており、すでに骨子は固まっていると聞く。

予定通り、2021年から新ルールを適用するとなると、五輪は新ルールでの、いわばぶっつけ本番になる。

詳細はまだ発表されていないが、新ルールでは、現在のルールで進みすぎた「D得点の爆上げ」に歯止めがかかると言われている。おそらく、現在無制限になっているD得点に制限ができ、芸術点の比重が上がると思われるが、その変更によって採点傾向がどう変わるのか、新ルール初年度は、探り合いようになることが多い。それが五輪の年になってしまうのか。

FIGが「4年に一度変えること」と「五輪の翌年に変えること」のどちらを優先するか、その判断によることになるだろう。

もしも「4年に一度」を優先して、2021年から新ルールになるならば、日本を含め、すべての国が、今年用意していた「極限までDを詰め込んだ作品」の見直しは必須となるだろう。

2020年夏には、五輪はない。

結局、まだその他のことはなにも決まっていない。

それでも選手たちは前を向くしかないのだが、ある意味、どちらが前なのかもよくわからない、状況ではないかと思う。

今は、スポーツどころではない、新体操どころではない。

そういう逼迫した状況ではある。

今は、「できることをやる」しかないのだ。

それでも、少しでも早く、どこに向けて何を頑張ればよいのかだけでも決まってくれれば、と願わずにいられない。

<写真提供:清水綾子>