【新体操】「2020鹿児島国体」に向けて、鹿児島女子の充実ぶりが凄い!~第10回Mikasa Cup

左:クラブ1位/山坂心乃(鹿実RG)、右:クラブ2位/道下愛梨(鹿児島純心女子)

新年早々の1月11~12日、鹿児島県日置市で行われた「第10回Mikasa CUP」を見てきた。

この大会は、鹿児島のジュニアクラブ・Mikasa R.G.Cの主催で10年前に始まった地方大会だが、その根幹には、「2020鹿児島国体」に向けての強化があった。

かつては、全国でも屈指の強豪校だった鹿児島純心女子高校を擁する鹿児島県だが、近年は、全国でも上位進出することは難しくなっていた。が、地元開催の国体を機に、鹿児島の新体操を盛り上げたいという思いは、地元の新体操関係者は強くもっていた。

その熱意は、国体の10年前に大会立ち上げたという行動から見てとれる。

地方大会のため、小学生から高校生まで出場できる。

集団演技の部もあれば、幼児から小学生までが出場できる徒手の部もある。

徒手の部は、この大会のオリジナルルールで採点され、出場できるのは1回だけ。子ども達にとっては「あこがれのデビュー戦」であり、徒手だけに特化した「徒手名人」を作らない工夫もされている。

10回まで回を重ね、新年早々という調整の難しい時期での開催ながら、今年は、県内外から約250名の出場者を集め、盛大に開催された。

この10年間でここまで大会が成長してきたことも評価に値するが、こういった取り組みは、鹿児島の選手たちの成長という形で如実に表れてきていた。

なんと言っても、今年の国体での戦力となる高校生が粒揃いなのだ。

Mikasa Cup高校生クラブの部2位の道下愛梨、

道下愛梨(鹿児島純心女子2年)
道下愛梨(鹿児島純心女子2年)

3位の若松芽育、

若松芽育(鹿児島純心女子2年)
若松芽育(鹿児島純心女子2年)

8位の野井和奏、

野井和奏(鹿児島純心女子2年)
野井和奏(鹿児島純心女子2年)

10位の川畑愛里沙は、いずれも鹿児島純心女子高校の2年生。

川畑愛里沙(鹿児島純心女子2年)
川畑愛里沙(鹿児島純心女子2年)

昨年は、高校総体で団体2位と久々の表彰台のりを果たした鹿児島純心だが、その躍進を支えてきた選手たちだ。

団体メンバーに入っている選手も控えの選手もいるが、ほとんどの選手が団体中心の練習をしてきた。

それでも、個人での力もしっかりと伸びてきている。

彼女たちが、鹿児島純心の1年生だったときから、鹿児島県代表として高校総体に出場しており、全国の舞台で戦う経験もしてきたことが、個人選手としての成長にもつながっているように感じる。

さらに、9位に入った愛甲唯姫(Junshin RG)は、まだ中3だが、昨年は団体で全日本ジュニア4位になっている。

愛甲唯姫(Junshin RG)
愛甲唯姫(Junshin RG)

ジュニアから全国の舞台を経験し、そこで結果も残したという自信をつけた新戦力は、上級生にもおおいに刺激を与え、鹿児島純心をさらに強くしそうだ。

ここ2年、鹿児島純心に「県内1位」の座を譲る形になっている鹿児島実業高校だが、昨年は高校総体が地元開催だったため、地元枠で団体が高校総体に出場している。

その経験をもった選手が、今年もまだ残ることが、鹿児島実業にとっては心強い。

今大会のクラブ5位の入佐綺ララは、4月になれば2年生、

入佐綺ララ(鹿児島実業1年)
入佐綺ララ(鹿児島実業1年)

7位の馬原友里奈良は、4月から3年生になる。

馬原友里奈(鹿児島実業2年)
馬原友里奈(鹿児島実業2年)

それに加えて、昨年は全日本ジュニアにも個人で出場している山坂心乃(鹿実RG)が、4月には高校生になる。

山坂心乃(鹿実RG)
山坂心乃(鹿実RG)

山坂は、高いレベルの身体能力を持ちあわせており、非常に将来性が感じられる選手。ジュニア時代は、試合で演技をまとめきることが難しかったが、経験を積んでいけば、これはかなりの戦力アップになりそうだ。

「国体に向けて強化」というかけ声はどこでもあるが、こうもしっかりタイミングよく期待のもてる選手たちが育ってきたのは、鹿児島県がきちんと先を見据えて長期的な強化をしてきた結果といえるだろう。

昨年は、現在、国体での実施が休止中の男子新体操が、2023年の佐賀国体からの復活が決まり、話題になった。

しかし、ただ「全国大会が1つ増えた」という捉え方では、先に繋がらない。

今年の鹿児島県がやってのけたような、長期的な強化、そして普及、競技人口増を男子新体操もぜひ果たしてほしいと思う。

2023年に高校1~3年生になるのは、現在の小6~中2だ。そして、現在の小6より下ならば、毎年、国体出場のチャンスがある。

男子よりもずっと競技人口が多く、競争も激しい女子の新体操でも、鹿児島県のように「国体」をきっかけに古豪・鹿児島純心が全国のトップ争いに復帰したり、有望選手が多く育つなどの成果を上げているのだ。

普及にも強化にもまだ余地がある男子なら、より劇的な変化も期待できるだろう。

2020年の国体は、東京五輪の興奮さめやらぬ9月に行われる。

が、新体操に関しては、少なくとも鹿児島県は「五輪より国体」の勢いで盛り上がりそうだ。

<撮影:筆者>