【新体操】「2024パリ五輪」の星を探せ!~第37回全日本ジュニア展望<上>

今年すでに中体連、クラブ選手権で2冠を達成している喜田未来乃

いよいよ東京五輪が来年に迫ってきた。

現在のジュニア選手たちは、いわば「東京五輪には間に合わなかった世代」だが、「2024パリ五輪」のころには、17~19歳とまさに日本代表候補にはど真ん中だ。

ラグビーほどではないが、今年はフェアリージャパンPOLAの活躍で、新体操にも「にわかファン」が増えつつある。

もちろん、にわかだろうがなんだろうが、ファンが増えること、注目度が高まることは大歓迎だ。

誰でもはじめは「にわか」なのだから。

だが、どんな競技でも少し長く、少し早い時期から注目しておけば、次の五輪やワールドカップを、より楽しめるかもしれない。

新体操であれば、まずはジュニアだ。11月15~17日に行われる全日本ジュニア新体操選手権は、国内のジュニア選手にとってはあこがれの夢舞台。現在の日本代表選手たちの多くもこの舞台を経ているのだ。ぜひ注目してほしい。

今から注目しておけば、パリ五輪のときには、「この選手、ジュニアのころから知ってる!」と自慢できるに違いない。

喜田未来乃(エンジェルRGカガワ日中)
喜田未来乃(エンジェルRGカガワ日中)

まず、今大会の優勝最有力候補といえば、喜田未来乃(エンジェルRGカガワ日中)だろう。

現在、中学2年生だが、4月のアジアジュニア日本代表決定戦を1位通過し、アジアジュニア、世界ジュニアに出場。すでに全中は2連覇している日本の次世代エース候補だ。

アジアジュニアではリボンに出場したが、演技冒頭からリボンに小さな結び目ができたままだったというアクシデントで、大きく減点されてしまったが、続く世界ジュニアではリボンで15.600をマークと、失敗をしっかり成長に結びつけた。

今年は全日本クラブ選手権でもジュニアの部優勝、10月25~27日に行われたイオンカップでも、所属するエンジェルRGカガワ日中のジュニア選手として、姉・喜田純鈴と共に堂々たる演技を見せた。世界のトップジュニア達の中で総合順位は7位だったが、リボンは、17.200の高得点をマーク。アジアジュニアでの失敗の完璧に払しょくしてみせた。

プロポーション、身体能力ともすば抜けたものがある選手ではあるが、劉コーチにいわく「筋力がまだまだ」だった昨年まではひ弱さも見られたが、この1年で一気に地力が上がってきた。

今年、優勝すれば、全日本ジュニアは初優勝となる。おおいに期待したい。

鈴木菜巴(アリシエ兵庫)
鈴木菜巴(アリシエ兵庫)

喜田の初優勝を阻む選手がいるとすれば、アジアジュニア代表決定戦、クラブ選手権とも2位と喜田に肉薄している鈴木菜巴(アリシエ兵庫)が最有力だろう。鈴木の持ち味は、正確で明確な身体難度と手具操作。とくに手具操作の巧緻性は見ていて爽快だ。アジアジュニアには、ロープで出場し、予選では15.800の高得点をマークし、種目別決勝にも進出している。

生野風花(宝塚サニー新体操クラブ)
生野風花(宝塚サニー新体操クラブ)

全中では、この鈴木をかわし、喜田に続く2位になったのが生野風花(宝塚サニー新体操クラブ)だ。アジアジュニア代表決定戦も3位通過しており、アジアジュニアでもボールで決勝進出し3位になった勝負強さも持った選手だ。

田口久乃(安達新体操クラブ)
田口久乃(安達新体操クラブ)

アジアジュニア日本代表4人の最年少、まだ中学1年生の田口久乃(安達新体操クラブ)も注目株だ。小柄な選手だが、とにかくその演技はパワーとスピードに溢れている。身体能力も高さもさることながら、思い切りのよい手具操作は、まさに今の時代にマッチした選手と言えるだろう。アジアジュニアにはクラブで出場し予選では8位とギリギリで決勝進出しながら、決勝では予選をはるかに上回る演技を見せ3位まで順位を上げた。その度胸の良さも頼もしい選手だ。

鈴木希歩(常葉大学附属常葉高等学校/静岡RG)
鈴木希歩(常葉大学附属常葉高等学校/静岡RG)

アジアジュニア代表決定戦では、惜しくも5位。あと一歩のところで代表入りを逃したのが鈴木希歩(常葉大学附属常葉高等学校/静岡RG)だ。早生まれのため、すでに高校1年生。今年のインターハイで団体優勝を果たした常葉大学附属常葉高校に入学し、団体選手としても厳しい練習を積みながら、クラブ選手権ではジュニアの部3位と躍進。十分表彰台のりの可能性をもっている。先日、イオンカップで鈴木菜巴選手と共にエキシビションで演技を披露していたが、春先に見たときよりもかなり安定感が増していた。個人の練習時間は決して多くないのではないかと思うが、団体の練習で得たものも大きいのだろう。

山本雛子(イオン)
山本雛子(イオン)

全日本ジュニアでは、2018年・山田愛乃、2017年・小池夏鈴、2016年・大岩千未来と個人総合はイオンの選手が3年連続で優勝しているが、今年、そのたすきを引き継ぐのは山本雛子(イオン)だ。今年の全中ではミスがあり16位に沈んだが、全日本クラブ選手権ではジュニアの部5位。まだ試合によって波があるが、力はつけてきている。「イオン勢の連覇」が懸かるとは言っても、山本自身にとっては初の全日本ジュニアだ。プレッシャーを感じることなく、今の自分の力を思い切り発揮し、未来につながる演技を見せてほしい。

現在のジュニア選手たちは、おそらく新体操を始めたころからすでに「手具操作」が重要視されていた世代だ。

全日本クラブ選手権もはじめから手具持ちだった。

それだけに、手具操作の巧さは、ひと昔前のジュニアたちとは隔世の感がある。

ここで取り上げた選手以外にも、まだまだ注目選手はいる。次回紹介したいと思う。

※第37回全日本ジュニア新体操選手権※

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<写真提供:清水綾子>