【新体操】Go!夏穂! 自信をもってそのまま!~第37回世界新体操選手権前半10位につける

ボールでもノーミス演技で20.300をマークした皆川夏穂(写真:アフロ)

世界選手権2日目。

日本人選手2人のうち、先に登場した大岩千未来は、今日も美しい演技を見せた。

1日目のフープでは不発だったローテーションも、今日は少しよくなっていた。後ろ持ちのローテーションは回転数は前日より上がっていたが終末が少し乱れたが、パンシェローテーションはかなり回っていて、よい兆しが見えたように思う。動きも決して悪くない。

クラッシックの美しい調べが、大岩の美しいラインを際立たせるよい演技だったが、中盤でボールの視野外キャッチでわずかにボールがこぼれしまった。すぐに取り戻し、演技全体の印象はそれほど損ねてはいないが、それでも減点は大きい。本来の演技ができれば高得点も期待できる種目だっただけに、18.900は大岩にとっては痛い得点になってしまった。

●大岩千未来ボール(FIG公式チャンネルより)

この結果、2種目合計の暫定順位は19位。決勝進出ラインの24位以内には入っているが、ロシアなどの強国の選手でまだ1種目しか演技をしていない選手もいる。世界選手権の予選は、各国3人の選手で10演技を行うので、日本は皆川、大岩が4種目で、喜田は2種目。決勝進出の可能性は皆川、大岩にしかないが、ロシアは4種目の選手1人と3種目の選手2人という組み合わせだ。決勝進出の24人は、演技した種目の高いほうから3種目の得点による順位で決定するため、ロシアは、3人とも24位以内に入ってくる可能性がある。(ただし、決勝に進出できるのは各国2名まで)2番手、3番手の選手にとっては、予選での演技の出来次第で決勝進出の可能性あり、というやり方でモチベーションは上がるに違いない。

大岩は、ボールでの得点が伸びきれなかった分、後半種目で2種目ともボール以上の得点が出れば、総合得点は少し上げられる可能性も残ってはいる。演技後の談話では、「前日ほど緊張はしなかった」とのことなので、残り2種目は思い切りよくのびのびとやってほしい。

ここまでの2種目を見ていても、身体難度やプロポーション、ラインの美しさなどはまさに「世界トップレベル」と言える選手なだけに、まずは力を出し切ること、を目指してほしい。そうすれば結果もおのずとついてくるだろう。

皆川夏穂は、ボールでは「Never」を使用し、女性らしく、大人の雰囲気を醸し出しながら、じつに美しい演技をした。動きのなめらかさには定評のある皆川だが、ボールいう手具はその皆川の良さを際立たせてくれる。

ミスらしいミスもなかった。非常に良いパフォーマンスだったと思ったが20.300。もう一歩点数が伸びきれなかった。

前日に続き、ノーミス演技を2つ揃えて、前半暫定順位10位は、五輪枠の懸かった世界選手権の前半としては上出来だ。

それでも、もうワンランク高い得点、順位を目指し、それだけの練習を積んできただろう皆川は、演技後の談話で「100%やりきれてない。ミスを恐れてしまった部分があり、悔しい。」と反省の弁だったと報道された。

より上を目指す気持ちをもつのはいい。

もっとできるはず!と自分を信じて、自分に喝を入れるのもいい。

だが、反省はしなくていい、と思う。

気がゆるんだり、練習をなまけたりしたわけではない。準備不足なわけではないのだから。

精一杯やってきた、そして、ちゃんとノーミスで、「いいな」と思える演技をしているんだから。

思うよりも点数が低かったとしても、ダメなところを気にしすぎないでほしい。

今でも十分いい! もっと良ければもっと点数も出るだろうが、悪いところを気にすぎて勢いをなくしてほしくない。

今大会での2演技は、このところ見た皆川選手の演技の中ではかなり良かったと思う。

生真面目すぎて、その真面目さゆえに、縮こまるところのある皆川選手が、ある種、覚悟を決めたような空気を今回はまとっていて、それが演技にエネルギーを与えている。

「ダメだったらどうしよう」という恐れが見えない演技、ができていたと思うのだ。

もちろん、日本の期待は背負っている。それが重くないはずはない。

だけど、いくら「日本代表」でも一人の人間だ。それもまだ22歳の。

こんな大一番だからこそ、重荷は下ろして、わがままに演技してほしいのだ。

彼女に期待してきた人たち、応援してきた人たちだって、みんなきっとそう思っている。

負けたっていい、失敗したっていい。

ただ、それが「プレッシャーに負けた結果」ではあってほしくないのだ。

この2日間の演技でいい。

どうか反省しすぎずに、「種目別決勝進出ならず!」なんていう報道も気にせずに。

(新体操をちゃんと知っている人は、五輪前年の世界選手権で種目別決勝進出することがどれほど困難なのかはわかっている!)

皆川がボールで使っていた曲「Never Enough」は、映画「グレイテストショーマン」の挿入歌だが、同じ映画の曲で「This is Me」という曲がある。皆川もきっと聴いているのではないかと思うが、まさにそれだ。

「This is Me」~これが私よ!

そんな演技を見せてほしい。

【世界新体操選手権個人競技】※日本選手出場予定

●9月18日(水)クラブ(皆川・大岩・喜田)

●9月19日(木)リボン(皆川・大岩・喜田)

●9月20日(金)個人総合決勝(予選24位以内)

※テレビ朝日系列 CSテレ朝チャンネルにて放送

●9月19日(木)テレ朝チャンネル2 23時~「フープ、ボール個人決勝」(録画)

●9月20日(金)テレ朝チャンネル2 深夜0時30分~「クラブ、リボン個人決勝」(生中継)

●9月20日(金)テレ朝チャンネル1 22時30分~「個人総合決勝」(生中継)

※FIGライブスコアはこちら