【新体操】喜田姉妹を擁するエンジェルRGカガワ日中が完全優勝!~第28回全日本クラブ選手権

今大会最高得点18.250をマークした喜田純鈴のボールの演技

今年で28回目となる全日本新体操クラブ選手権は、クラブチーム対抗という一般にはあまり馴染みのない方法によってクラブチーム日本一を競う大会だ。

予選はないので、参加資格があり、日本新体操連盟に登録している選手、クラブなら出場することができるため、毎年、多くの出場者で賑わう。今年の出場者も、756名というマンモス大会だ。

3人1チームでの出場となるが、選手の年齢により、チームはカテゴリ分けされている。「ジュニア選手×3名」のチームは「JJJ」、「シニア選手×3名」ならば「SSS」、「シニア1名+ジュニア2名」は「SJJ」となり、それぞれにクラブ対抗での表彰がある。

クラブチーム日本一を競うのは、「SSJ」というカテゴリで、シニア選手2名+ジュニア選手1名のチームのみが対象になる。

日本の新体操人口は、以前は、ジュニア層は多いが、高校生から激減していたため、かつては「SSJ」でチームを組めるクラブは少なかった。

しかし、2000年頃から、高校生になっても新体操を続ける選手が増えてきた。以前は、高校の部活しか選択肢がなかったシニア選手たちも、クラブチーム所属のまま活動したり、高校の部活とクラブチームの両方に籍を置くことが認められるようになった。

それに伴って、現在は、「SSJ」で出場できるクラブが増え、文字通り「クラブチーム日本一決定戦」と言えるようになってきた。

過去27回の記録を振り返れば、クラブ対抗では、圧倒的にイオン(2000年まではジャスコ)が勝っている。イオン以外のクラブが勝ったのは、2008年の安達新体操クラブ、2009年の飛行船新体操クラブの2回だけだ。

また、個人総合シニアも、2008年の日高舞(安達新体操クラブ)、2009年の井上実美(飛行船新体操クラブ)以外は、イオンの選手が優勝している。

個人総合ジュニアだけは、比較的、様々なクラブの選手が優勝していて、イオンの選手が優勝したのは6回のみだ。(ジュニア個人総合は第5回大会から設けられている)

今大会は、大会前から「イオンの10連覇阻止なるか?」が注目されていた。

なぜなら、エンジェルRGカガワ日中のメンバーがかなり強そうだったからだ。

シニアは、日本の特別強化選手・喜田純鈴と、西日本インカレ女王・桜井華子。

そして、ジュニアが、世界ジュニア選手権日本代表・喜田未来乃。

この3人がそれぞれベストの演技をすれば、イオンといえど、楽勝ではないだろうとは予想された。

そして、実際、そうなった。

例年、大会ハイシーズンに行われるこの全日本クラブ選手権は、ミスの多い試合だ。

今年もそうだった。

優勝したエンジェルRGカガワ日中の選手たちも、完璧とは言えなかった。

高値安定の演技を見せた桜井華子
高値安定の演技を見せた桜井華子

桜井だけは、大きなミスなくガッツを感じさせる演技を4種目で披露したが、喜田純鈴はクラブのラストで落下があり、15点台に沈んでいる。ジュニアの喜田未来乃も、不安定さは残る演技だった。しかし、喜田純鈴のフープ、ボールの18点台、未来乃のボール16点台は他を突き放すに十分な高得点。

桜井は、リボン以外の3種目を16点台にのせ、チームに貢献し、エンジェルRGカガワ日中は、初のクラブチーム日本一を勝ち取った。

ジュニア個人総合優勝の喜田未来乃
ジュニア個人総合優勝の喜田未来乃

また、個人総合ではシニアの部で喜田純鈴、ジュニアの部では喜田未来乃と、喜田姉妹が揃って優勝し、クラブ対抗と併せて、3部門をエンジェルRGカガワ日中が占めるという完全優勝を成し遂げた。

2008年の安達、2009年の飛行船も完全優勝は逃しており、イオン以外のクラブによる完全優勝は今回が初となる。

2000年の全日本クラブチャイルド選手権(当時は徒手演技による大会)あたりからめきめきと頭角を現してきたエンジェルRGカガワ日中だが、シニア選手が続かないという時期もあった。それでも、今大会で正真正銘、日本のトップクラブに昇りつめた。

決して一足飛びにではない。

挫折も後退も経験しながらの道だったと思うが、「ついに」である。

エンジェルRGカガワ日中と、その代表である劉宇氏が、日本の新体操に与えた影響と貢献は大きい。それに見合うだけの結果が、やっと得られたように思う。

東京五輪は来年だが、その後も、新体操は続く。

2020のその先も、エンジェルRGカガワ日中には、日本の新体操を牽引してほしいと思う。

<写真提供:清水綾子>