【新体操】日本代表の座に挑む13人の舞姫たち~日本代表選考会展望vol.2 最強イオン軍団

3年連続全日本選手権2位の柴山瑠莉子(イオン/日本女子体育大学)

「日本代表選考会」に出場するシニア13選手中、イオンの所属選手はじつに5選手。

それも数が多いだけでなく、一次予選にあたる昨年の全日本選手権の成績で見ると、2位に柴山瑠莉子、5位に飯田由香、6位河崎羽珠愛、8位山田愛乃、11位立澤孝菜といずれも代表入りの可能性が十分にある選手たちだ。

この代表選考会で決定する日本代表選手は、「世界新体操選手権」「アジア新体操選手権」「ユニバーシアード」の出場権を得る。選出条件は以下のとおり。

●「世界新体操選手権」・・・選考会1位の選手を国内補欠とする。

●「アジア新体操選手権」・・・選考会にて3~4名

●「ユニバーシアード」・・・選考会1位の1名(有資格者)※高校生である飯田、山田を除く

2年前、ある男性誌の企画で、有名コラムニストがこの「新体操代表選考会」を取り上げていた。

新体操を初めて見たというそのコラムニストにとっては、驚きの連続だったと書かれていたが、もっとも驚いたのが、この選考会を1位で勝ち抜いた結果、得られるのが「世界選手権の補欠の座」ということだった。

「おめでとうございます! あなたが補欠です。」

それは、他のスポーツではあまりないことだろうとは思う。が、日本は、ロンドン五輪以降、ほぼこの方式だ。

世界選手権の代表は、特別強化選手の3選手とすでに決まっている。

そして、この選考会では「国内補欠」の座を争うことになるのだ。ただ、それは決して無意味ではないと思う。

苛酷を究める現在の新体操では、実際に怪我や不調で予定していた選手が出場できなくなるリスクも常にある。

それは日本の特別強化選手たちも例外ではない。

万が一のその事態に、自信をもって送り込める「国内補欠」は不可欠だ。

そして、「国内補欠」を勝ち取ることができれば、少なくともアジア新体操選手権、有資格者であればユニバーシアードの出場権も得ることができる。それは、選手たちにとって大きな目標に違いない。

ちなみに昨年の代表選考会1位は、現在、特別強化選手となった大岩千未来(イオン)だった。

その前年、2017年の代表選考会1位は、柴山瑠莉子。今大会でも最有力候補の一人だ。

●柴山瑠莉子(イオン/日本女子体育大学)2018全日本選手権2位/高校総体1位/ユースチャンピオンシップ1位

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 今年、日本女子体育大学に進学。インカレへの出場にも意欲を見せていた柴山だけに、ユニバーシアード出場への意欲も十分ではないか。昨年は、新しくした演技がまとまりきれずミスが出てしまうこともあったが、全日本選手権後の談話では、「作品を変える予定はないので、完成度を上げていく」とのことだった。表現力豊かな演技が持ち味の柴山だが、今年は勝負に懸ける思いもひとしおのようだ。個性を失うことなく、今まで以上に勝ちにこだわった演技を見せることができれば、きっと。道は拓けるに違いない。

 ※2018全日本選手権での柴山瑠莉子の記事

●飯田由香(イオン)2018全日本選手権5位

 ※飯田由香の記事はこちら

●河崎羽珠愛(イオン/早稲田大学)2018全日本選手権6位

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 2013年以降、特別強化選手以外の選手で世界選手権に出場した数少ない1人がこの河崎選手だ。(もう一人は、2014年、当時東京女子体育大学所属の三上真穂選手)2015年の代表決定戦には、当時、特別強化選手だった皆川夏穂、早川さくらも出場。高校3年生だった河崎は、このとき2位に入り、世界選手権に出場している。

 河崎にとっては、今年は大学生最後の年となる。ここ数年は、思わぬところでミスが出てしまい、不本意な結果に終わる試合も少なくないが表現力や美しさは確実に向上してきている。大学生活の集大成となる演技を見せてくれるのではないだろうか。

●山田愛乃(イオン)2018全日本選手権8位/全日本ジュニア1位

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 高校1年生ながら早生まれで出場した昨年の全日本ジュニアでは貫禄の優勝。今年の3月には高校選抜に出場し、ここでも同朋の飯田に次いで2位と着実に実績を積んできている。国際大会もアジアジュニア選手権には3年連続出場を果たし、昨年はユース五輪にも出場。大舞台の経験も多く、度胸のよい、華やかな演技はアピール度満点だ。D得点アップという課題はあるが、まだ怖いものなしに挑戦できる年齢と立場にいる。勢いにのれば台風の目にもなりそうだ。

●立澤孝菜(イオン/国士舘大学)2018全日本選手権11位/2017年全日本選手権1位

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 2018年は我慢の年だった。2017年に初の全日本チャンピオンになり、これから! というときに故障。春先の代表選考会も欠場。インカレも回避。全日本選手権での11位は前年チャンピオンとしては不本意な順位かもしれないが、1年間実戦から離れていたことを思えば、よくここまで戻した、という結果でもあった。そこで踏ん張れたからこそ、今回の選考会につながっていることを思うと、今回の立澤の演技には注目せずにいられない。柔軟性と線の美しさでは、間違いなく日本トップレベル。完全復活を期待したい。

※なお、4月20~21日には、スカイAが2018年全日本選手権TOP10選手の演技4種目を完全放送。イオンへ取材したミニ番組も放送される。代表選考会を生観戦できない人はぜひこちらで日本トップレベルの演技を堪能してほしい。

 ※スカイAの放送予定はこちら

<写真提供:清水綾子>※2018全日本選手権のもの