【新体操】新メンバー加入で総勢14人になったフェアリージャパンPOLAが迎える2020への正念場

第14期フェアリージャパンメンバー。ここに5名の新メンバーが加わった。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

12月4日には、NHK総合の「グッと!スポーツ」にも出演したフェアリージャパンPOLA。

世界選手権で2年連続メダル獲得の威力は絶大で、ここのところメディア露出も急激に増えてきている。

そして、2020年の東京五輪まであと2年をきった今、フェアリージャパンPOLAは、新しい局面を迎えようとしている。

今年の世界選手権の後、10月14日に行われたトライアウトによって「第15期メンバー」が選出されたのだ。

第14期メンバーは、最年少の織田莉子、島田悠里が高校3年生、上は、社会人が2名(杉本早裕吏・松原梨恵)、あとの5人は大学生だった。この14期メンバー9人も継続するうえに、今回新たに、5選手の加入が決まったのだが、これがシニアに入れる下限の年齢である中学3年と高校1年という若いメンバーたちなのだ。

総勢14名となったフェアリージャパンPOLA。この人数は過去を振り返ってみても、最も多いくらいの数だ。

現在のフェアリージャパンPOLAは、非常にチームワークがいい。「グッと!スポーツ」を見ていても、その仲の良さや、アスリートとは思えぬほどに穏やかな雰囲気の選手が多いことなどは十分に伝わってきた。

しかし、ここに若い5選手が投入され、果たしてここからの2年弱。フェアリージャパンPOLAはどう変貌していくのだろうか。

もちろん、新規加入のメンバーは、今以上に強くなること、上を目指せること、を考えたうえでの人選であり、その可能性を十分にもった選手たちだ。

【フェアリージャパンPOLA新規加入選手】

今岡里奈(西武台高校1年/ふじしま新体操クラブ)
今岡里奈(西武台高校1年/ふじしま新体操クラブ)
中村胡桃(昭和学院高校1年/Dream☆Inter・Coules)
中村胡桃(昭和学院高校1年/Dream☆Inter・Coules)
末永柚月(千葉市立打瀬中学3年/イオン)
末永柚月(千葉市立打瀬中学3年/イオン)
稲木李菜子(熊本市立力合中学3年/みどり新体操クラブ)
稲木李菜子(熊本市立力合中学3年/みどり新体操クラブ)
二木乃愛(松本市立菅野中学3年/WingまつもとRG)
二木乃愛(松本市立菅野中学3年/WingまつもとRG)

見ればわかるとおり、まさに「国際規格」ともいうべき、美しいプロポーション、高い身体能力をもった選手たちであることは言うまでもないが、さらに彼女たちが今までのフェアリーメンバーと違っているのは、現時点ですでに「国際大会でジュニア団体としての実績を積んできている」ということだ。

2017、2018年は、フェアリージャパンPOLAが世界選手権のメダルを獲得した2年間でもあるが、春先に行われるアジアジュニア新体操選手権で日本のジュニア選抜団体が、金メダルを獲得した2年間でもある。

今回、フェアリージャパンに加入した新規メンバーは5人とも、このジュニア選抜団体を経験しているのだ。

代表決定競技会におけるジュニア選抜団体によるエキシビション
代表決定競技会におけるジュニア選抜団体によるエキシビション

過去のフェアリーたちは、フェアリー入りするまでは、みなそれぞれのクラブチームや学校に所属しており、環境によっては団体経験のない選手もいた。練習方法や新体操における価値観も所属によってかなり違いがあり、いわば「寄せ集め」のメンバーだった。だからこそ、共同生活で一体感を培うことは必須だったのだ。

ところが、今回のメンバーたちは違う。

居住地は離れていても、年間かなりの日数をジュニア団体のための合宿、練習に費やしてきた。所属では団体をやっていない選手でも、アジアジュニアという国際大会に出るための団体作品をとことんやりこんできた。

そして、その国際大会を選手によっては2回も経験し、金メダルをも獲得した。

今回の新規メンバーは「新規」といっても、かなり経験値が高いといってよいだろう。

そして、さらに心強いことに彼女たちは、小学生のころから「手具あっての新体操」になってからの世代だ(全日本クラブチャイルドが手具ありの大会になった年、今の中学3年生は小学3年生。)

難度点(D得点)が青天井になり、海外のチームがどんどん技をつめてくることが予想されるこれからの新体操では、この新世代がおおいに戦力になることが期待されているのだ。

もちろん、世界でもメダルの獲れるチームにまでフェアリージャパンを引き上げてきた現在のメンバーたちも、東京開催の五輪を前にやすやすと若い選手たちに席を譲る気はないだろう。

また、日本の団体の最大の武器は、徹底した共同生活によって培われた「同調性」だ。この部分で、後から入ってきたメンバーが追いつくことはかなり難しい、ことも予想はされる。しかし、それも新しいメンバーによる実戦をつんでいく中で、短期間で解消される可能性もある。

東京五輪まではもう2年もない。

せっかくこれだけの人数、新しいメンバーを集めたのならば、一刻も早く、なるべく多くの観客の前で、数多く演技する機会をどの選手にも与えてほしい、試してほしいと思う。チャレンジの場での失敗などいくらでもしていい。

「フェアリージャパンの名前で出る以上、下手な演技はできない」なんて考える必要はない。

新しいメンバーもどんどん加えて、難しい演技構成に挑戦して、失敗を重ねても、あきらめず東京五輪に向かってまい進し続け、ときには厳しい競争にさらされ涙することもある。そんな姿も見せていいと思う。

そんなチームになれば、今まで以上に応援する人も増えるのではないだろうか。

今回のメンバー加入で14名になったフェアリージャパンPOLAは、いわば東京五輪へ向かう最終コーナーを回ったあたりにいるような気がする。ここから2020年の五輪本番まで、フェアリージャパンには要注目だ。

※フェアリージャパンPOLAが出演した「グッと!スポーツ」(NHK総合)は、12月18日(火)13:45~14:30に再放送が予定されている。見逃した方はぜひ! 現在のフェアリージャパンメンバーや強化本部長・山崎浩子さんの素顔が垣間見える番組になっている。

<写真提供/清水綾子>