【体操男子】「団体日本一」の称号はどのチームに?~第72回全日本体操団体選手権展望

白井健三ら黄金世代にとって学生最後の団体戦となるだけにお互いの意地がぶつかり合う

群馬県の高崎アリーナにおいて、「第72回全日本体操団体選手権」が行われている。

24日に行われた女子では、村上茉愛を擁する日本女子体育大学が、圧勝で5連覇を成し遂げたが、本日行われる男子の優勝の行方は混とんとしている。

団体選手権は1種目につき3人の選手が演技を行い、その3演技の得点×6種目=18演技の合計得点で順位が決まる。しかし、エントリーは6人できるため、種目によって出場選手を工夫することができる。(「6-3-3制」という)つまり、1種目だけでも爆発的な点数がとれる選手がいれば、その種目だけに出場し、チーム得点を稼ぐこともできるのが団体の妙だ。

萱 和磨
萱 和磨

昨年優勝の順天堂大学は、今年の世界選手権個人総合6位の萱和磨、同じく世界選手権日本代表の谷川航、さらにアジア大会日本代表の千葉健太と、日本代表が3人入った豪華なメンバーだ。

谷川 航
谷川 航

順天堂大のトップ3は、全員がオールラウンダーだけに、3人で18演技行ってもかなりの高得点が見込めるが、そこに全日本インカレ個人総合22位の大久保圭太郎、同じく22位の中川将径、26位の鈴木茂斗が加わる。

千葉健太
千葉健太

全日本インカレでは、大久保は跳馬、中川はゆかとあん馬、鈴木はあん馬で14点台をマークしており、得意種目での貢献が期待できそうだ。

昨年は、惜しくも順大に届かず2位となったコナミスポーツは、今年の全日本シニアでも団体優勝。順大、日体大という強い学生チームに対抗する社会人の雄だ。

神本雄也
神本雄也

全日本シニア3位の加藤凌平、16位の佐藤匠、18位の横山聖、19位の神本雄也、36位の白井勝太郎、40位の小山仁寛というメンバーで団体王座奪還を目指す。

昨年の団体選手権3位の日本体育大学の中核となるのは、先日、初のスーパーファイナル覇者となった白井健三。

白井健三
白井健三

さらに全日本インカレ3位の日体大期待のルーキー・杉本海誉斗、5位の柚木健太朗、8位の府殿大佑、15位の横井君宇、19位の春木三憲という総合力の高いメンバーが揃った。全日本インカレは順大がやや不調で、日体大の好調さが目立った大会だったということもあり、全日本インカレの順位だけを見れば、日体大の戦力は順大にもひけをとらない。

昨年のトップ3以外のチームでは、全日本シニアでコナミスポーツに0.200という僅差で団体2位となったセントラルスポーツも侮れない。

野々村笙吾
野々村笙吾

今年のアジア大会で個人総合銀メダルを獲得し、存在感を示した野々村笙吾を中心に、全日本シニア8位の垣谷拓斗、13位の早坂尚人、21位の鈴木大介、25位の吉岡知紘、同じく25位の今林開人と、コナミにも劣らぬ平均値の高い選手たちが揃っている。団体選手権に挑戦するのはまだ3回目という新興チームだが、初優勝に向けての思いは強そうだ。

全日本インカレで2連連続団体3位の鹿屋体育大学も勢いがある。今年はアジア大会の日本代表となり、先日のスーパーファイナルでも4位と大躍進を見せた前野風哉がチームの中心。

前野風哉
前野風哉

さらに、全日本インカレでは5位と前野を上回ってみせたダブルエースの杉野正尭、全日本インカレ9位の堀内柊澄、21位の藤巻竣平と日体大、順大と並べても遜色のないオールラウンダーが4人揃っている。そこに、跳馬でのポイントゲッター・長谷川瑞樹とつり輪で力をつけてきた福本岳琉を加え、「6-3-3」ならではの戦い方で初優勝に挑む。

スペシャリスト集団という印象の徳洲会体操クラブも、この団体選手権こそは力を発揮できる! と虎視眈々と上位を狙っているだろう。つり輪のスペシャリストで、全日本シニア11位の武田一志、あん馬、鉄棒が強い全日本シニア17位の長谷川智将、ゆか、跳馬が強い佐藤巧。さらに、全日本シニア7位の瀬島龍三、先日のスーパーファイナルにも出場した全日本シニア9位の田浦誠也らの存在も心強い。

田浦誠也
田浦誠也

今シーズンは不振だったが、総合力のある岡準平も今大会には照準を合わせてくるに違いない。

また、ここにきて俄然注目を集めているのが、2班で登場する清風高校だ。

スーパーファイナル2位で一気に、次世代の旗手となった今年度高校総体チャンピオンの三輪哲平。

三輪哲平
三輪哲平

ユース五輪で五冠を達成した末恐ろしい高校1年生・北園丈琉。

北園丈琉
北園丈琉

この2人だけでも、かなりの得点が期待できるうえに、森原康貴はゆかで、石澤大翔はあん馬、鉄棒で14点台を出す力をもっている。

昨年実績7位以下のチームが出場する1班ながら、彼らが高校生らしくのびのびと力を出し切れば、一気に上位に食い込む可能性もありそうだ。

「6-3-3」は、どんなドラマを生むのか。

いずれにしても、かなりエキサイティングな展開になるだろうことは間違いない。

本日11時10分には、清風高校が登場する1班の演技が始まり、2班は14時10分競技開始となる。

体操ニッポンの「団体日本一」の冠は、どのチームの頭上に輝くのか、ワクワクドキドキが止まらない。

以下に、各チームのエントリー選手の今年度実績によるチーム得点試算を示しておく。社会人は全日本シニア、大学生は全日本インカレ、高校生は高校総体と全日本ジュニアの得点を採用しているので、大会による点数の出方の差もあり、また選手の好不調もあるため、あくまでも参考であるが、チーム力が接近していることは、この試算によっても明らかだ。

どこが勝ってもおかしくない。

それだけに、絶対に負けたくない!

選手たちの熱い思いがぶつかり合う大会になりそうだ。

【今大会エントリー選手によるチーム得点試算】

●順天堂大学:ゆか41.050+あん馬39.350+つり輪42.150+跳馬41.500+平行棒46.800+鉄棒41.850=252.700

●日本体育大学:ゆか43.700+あん馬41.450+つり輪42.250+跳馬43.800+平行棒43.250+鉄棒42.250=256.700

●コナミスポーツ:ゆか41.500+あん馬39.550+つり輪41.100+跳馬42.500+平行棒42.550+鉄棒39.850=247.050

●セントラルスポーツ:ゆか42.200+あん馬39.000+つり輪42.800+跳馬42.450+平行棒42.900+鉄棒40.950=250.300

●鹿屋体育大学:ゆか39.000+あん馬42.050+つり輪41.800+跳馬43.450+平行棒41.550+鉄棒42.000=249.850

●徳洲会体操クラブ:ゆか41.050+あん馬40.300+つり輪42.800+跳馬42.150+平行棒42.000+鉄棒41.250=249.550

●清風高校:ゆか42.550+あん馬42.100+つり輪40.550+跳馬41.250+平行棒42.950+鉄棒42.700=252.100(注:跳馬に出場予定の矢野選手の実績が見つからなかったため仮に13.000で試算)

なお、今大会は、BS日テレでテレビ中継もされる(本日15時~16時54分)。こちらもぜひチェックしたい。

<写真提供:末永裕樹>