【新体操】フェアリージャパンPOLA、団体総合5位に終わる~第36回世界新体操選手権

2大会連続のメダル獲得を目指していたフェアリージャパンPOLA(写真:田村翔/アフロスポーツ)

1年前に大きく膨らんだ夢が、少しばかりしおれてしまったような、今年の世界選手権はそんな終わり方をしようとしている。

大会5日目に行われた個人総合決勝に、皆川夏穂と大岩千未来が出場。ここまではよかった。

が、1日4種目を行う決勝では、大岩は体力不足もあったのか4種目中2種目でミスが出て、23位まで順位を落とした。

皆川は、4種目とも落下などの大きなミスはなく、我慢の演技を見せたが、やはり上位選手とのD得点の差を埋めきれず、12位。

選手たちが努力していることは間違いないし、成果だって出ている。

が、世界の進化のスピードがそれを上回っている。そんな印象をもった。

リオ五輪翌年だった1年前は、リオメンバーが抜け、次の世代がまだ育ちきっていなかった国でも、若い選手がどんどん出てきている。

個人競技では、このところ苦境が続いていたブルガリアも、地元開催の世界選手権をきっかけにおおいなる飛躍を遂げた。

また、団体ではメダル争いに加わりながら、個人ではそこまでの選手が出ていなかったイタリアがついに地力を発揮。

団体同様、すばらしいテクニックと個性をもった選手たちが躍動した。

ウクライナにも15歳の新星が現れた。

昨年は個人総合で皆川が5位、喜田が12位だったが、今年の順位は、「落ちた」というよりは「抜かれた」というべきものだ。

ここから東京五輪までのあと2年間で、日本の個人はどう強化していくのか。

待ったなしのところに来ている、という厳しい現実を突きつけられた世界選手権だった。

そして、「団体こそは!」と希望を託して、団体総合が昨日(15日)、行われた。

日本代表のフェアリージャパンPOLAは、「フープ×5」で19.500の5位、「ボール&ロープ」で20.900の5位。

総合順位も5位となり、前回大会に続いてのメダル獲得はならなかった。

得点を見てもわかるように、どちらも悪い演技ではなかった。細かい狂いにもよく対処していたし、勢いもあった。

日本の強みである同調性もアピールはできていたと思う。ただ、どちらの種目でも落下が1回ずつ出てしまった。

が、優勝したロシアは、どちらの種目でも23点台、総合2位のイタリアは、どちらも22点台。3位のブルガリアは、フープ×5では大きなミスがあり、19.700と日本の後塵を拝したが、ボール&ロープでは22.350とロシアに次ぐ高得点を上げ、意地と執念のメダル獲得。

また、ここ数年は、団体に関しては日本に水をあけられつつあったウクライナが、今大会では両種目とも4位につける好成績で、世界選手権では久々に日本を上回った。

日本が後退したわけではない。フェアリージャパンPOLAも、D得点青天井のルールに必死に対応して、D得点をかなり上げ、それでもほぼノーミスの演技をしているのだから、成果は十分上がっていたのだ。

しかし、それでも。他国の追い上げに抗えなかった。

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フープ×5の日本のD得点は、13.000。ロシアは14.500、イタリアは14.400と1点以上の差がある。

ベラルーシ、ウクライナは、D得点は13.000と日本と同点だが、E得点で、競り負けている。交換でのわずかな移動があと1つでも少なければ順位は逆になっていたかもしれない、そのくらいの差ではあった。

ボール&ロープでは、日本のD得点13.100に対して、ロシア14.100、イタリア13.400、ウクライナ13.300と、フープ×5ほどの差はついていない。この種目だけなら2位にあたるブルガリアに至ってはD得点13.000と日本より低い。

ところが、ロシア8.900、ブルガリア8.750と、日本も7.800と決して低くはなかったが、上位チームはE得点が高かった。

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どちらの種目も4位ウクライナとは僅差で移動1つでひっくり返る程度の差ではある。

が、日本に落下がなければ、と思わずにはいられないこのわずかな差が大きく感じる。

また、その上の3チームとの差は、小さいとは言い難い。追いつくためには、もっともっとD得点を上げる必要があり、そのうえ、E得点ももっと上げなければ、背中すら見えてこない。

今回はベラルーシが、ボール&ロープで7位と失速し、団体総合では6位に甘んじているが、本来の力を出せば日本より上にきてもおかしくないチームであることを考えると、あと2年間で、再びメダル獲得という目標を現実的なものにすることは、かなり険しい道のりになりそうだ。

今日は世界選手権最終日。

団体の種目別決勝が行われ、日本は両種目に出場する。

今大会は個人、団体合わせてもメダルなし、と厳しい現実を突きつけられている日本だが、フェアリージャパンPOLAの調子は決して悪くない。

落下ひとつ、場外ひとつあれば、上位チームもがくんと点数が下がる現在のルールゆえに、まだ波乱も起きる可能性はある。

フェアリージャパンPOLAには、最後まであきらめず、自分たちの力を出し切ってほしい。

※団体種目別決勝は、本日の深夜0時55分~2時25分、テレビ朝日系列で録画放送される。

<写真提供:清水綾子> ※写真は国内大会のもの