【新体操】第36回世界新体操選手権が本日開幕! 日本選り抜きの美しき個人選手たちの健闘に期待。

アジア大会で個人総合6位となった大岩千未来選手。今大会が世界選手権デビュー。(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

体操の暴力、パワハラ問題で、なんともスッキリしない日々が続いているが、時は否応なく過ぎ、今日からブルガリアで新体操の世界選手権が開幕する。

体操と新体操という違いはあるが、同じ日本体操協会に属する種目であり、穏やかならぬ心境ではあるだろうが、大会、それも「世界選手権」という大舞台は、待ってくれない。波乱の中での開幕となったが、毎日を、この競技に懸けてきている選手たちが、雑事に惑わされることなく最高のパフォーマンスができるように祈りたい。

世界選手権では、まず個人競技が行われる。

9月10日、日本の選手たちは、ボールからのスタート。

今大会の代表となっている皆川夏穂、大岩千未来、喜田純鈴の3選手が出場する。

2日目の9月11日は、日本の3選手は、フープに登場。

ここまでが前半種目で、11日には、ボール、フープの上位8選手による種目別決勝も行われる。

今大会、日本の選手では、故障明けの喜田が2種目のみ、皆川と大岩が4種目にエントリーしている。

皆川と大岩は、9月12日には、クラブ9月13日はリボンに出場。上位24選手による14日の個人総合決勝への進出を目指す。

決勝進出が期待される皆川夏穂選手
決勝進出が期待される皆川夏穂選手

昨年の世界選手権では、種目別フープで銅メダルを獲得した日本期待の皆川夏穂は、今シーズンやや苦しんでいる。

今年から、Dスコアの上限がなくなったため、世界のトップレベルで戦うためには、かなり技を詰めていく必要があり、美しくなめらかな動きが持ち味の皆川にとっては、やや逆風となっている。

皆川は決して不器用な選手ではない(ジュニア時代はその手具操作の思い切りのよさが目立っていた)が、生真面目な性格ゆえか、自信をもって演技を実施するまでには時間がかかるタイプだ。今シーズンは、まだ「確信をもった実施」ができていないように見える。

そのうえ、今シーズンから実施での減点が大きくなった。ポロリとその場で手具を落としただけでも、0.5の減点。ミスは命取りになる。

昨年のメダル獲得という実績もあり、ミスのない実施ができれば、決勝進出レベルの得点は出せるだけの力は皆川にはある。

8月に出場したワールドカップミンスク大会では、ボール18.350。カザン大会では、フープ、ボールで18点台を出している。ミスがなければ評価はついてくる選手なのだ。

1日1種目という長丁場で、調整が難しい世界選手権ではあるが、うまくピークをもってこれれば、よいパフォーマンスができる可能性は高い。「アスリートの魂」(NHK)では、ロシアの合宿生活での苦闘も描かれていた皆川選手。この1年間の成長が見せられる世界選手権になることを期待したい。

世界選手権デビューとなる大岩千未来選手
世界選手権デビューとなる大岩千未来選手

8月に行われたアジア大会では、個人総合6位と日本選手の中では最高順位を獲得した大岩千未来は、今回が初の世界選手権出場となる。

しかし、今年4月の世界選手権代表決定競技会で見事、代表の座を勝ち取り、特別強化選手にも抜擢されてからというもの、現在、上り調子の大岩選手には勢いがある。

アジア大会でも、フープ、ボールでは16点台までは上がってきている。初の世界選手権という緊張はあるだろうが、「この舞台に上がれた喜び」をかみしめて、のびのびと演技してもらいたいと思う。

なにしろ、そのプロポーションや、脚のラインの美しさは、世界でもトップレベルにある選手だ。柔軟性にも恵まれ、200度はあろうという開脚を見せながらのローテーション(ターン)の回転力もついてきている。4種目ノーミス、と欲張ることなくひとつひとつの種目で、自分の良さを存分に発揮できれば、その存在感を世界に示すことはできるだろう。

2種目のみの出場となる喜田純鈴選手
2種目のみの出場となる喜田純鈴選手

昨年は、初出場の世界選手権で決勝進出と、鮮烈な世界デビューを果たした喜田純鈴だが、今シーズンは、少々厳しいものになっている。

故障のためワールドカップの欠場も多く、8月になってやって出場し始めたが、後半種目をことごとく棄権。

日本で全日本クラブ選手権にも出場したが、ここでも「まさか」のミス連発で、得点も順位も不本意なものになってしまった。

今シーズンは、高くても15点台と、まだ本調子とは言えない状態で世界選手権を迎えてしまった喜田。

2種目だけの出場となったが、そこに集中して力を発揮してほしいと思う。

特別強化選手として、昨年ロシアに渡ってからは、おそらくストレスとプレッシャーの連続だったと思われる喜田にとって、今回の世界選手権が、2020年の東京五輪に向けて仕切り直しの機会になることを期待したい。

※スタートリスト、リザルトなどはこちら

※世界新体操選手権テレビ放送予定

<写真提供:清水綾子/森田直樹※アフロスポーツ>