白井世代が最終学年を迎える注目の体操全日本インカレ~順天堂大&日体大2強に鹿屋体大が迫る!

鹿屋体大のWエース・前野風哉、杉野正尭とルーキー・藤巻竣平

2014年、東京で開催された高校総体で大活躍を見せた当時の高校3年生たち。

いわゆる1996年生まれの白井健三(日体大)、谷川航、萱和磨(ともに順天堂大)らは、大学生になってからもほぼ失速することなく、着実に2020年に向けて進化を続けてきた。

その結果、今年の世界選手権代表には、白井、谷川航、萱の3人が揃って入り、さらに、8月20日から始まるアジア大会の日本代表にも、千葉健太(順天堂大)、前野風哉(鹿屋体育大)が入るという「96年組」の強さを見せつけた。

そんな彼らが、最終学年となり、各大学のプライドを懸けて挑む全日本インカレが、兵庫県のベイコム総合体育館で8月9日に開幕。本日、8月10日には個人総合、団体総合が行われ、大学生の日本一が決定する。

個人総合では、昨年初めてインカレを制した白井健三の連覇なるか。

2位(1年)→3位(2年)→2位(3年)とインカレで抜群の強さを見せる萱和磨が悲願の優勝を勝ち取るのか。

昨年、今年と連続して世界選手権の代表入りを果たした谷川航が、インカレでも昨年の3位に続き、今年は頂点を極めるのか?

さらに、今年は、4月の全日本体操選手権で内村航平(リンガーハット)を破り、19歳で全日本チャンピオンとなった谷川翔(順天堂大)も侮れない存在となり、エキサイティングな戦いになりそうだ。

さらに、団体総合では、昨年覇者の順天堂大が、その連覇を「4」にのばせるのか注目したい。

順大がすでに3年連続で優勝しているということは、日体大は3年連続2位にあまんじているということだ。

白井が入学してからインカレでの団体優勝はなく、今年はチームの主将も務める白井は、その強力なリーダーシップで「今年こそはチームを日本一に!」と意気込んでいるだろう。

団体総合では、このTOP2が抜けているため、他大学は実質3位争いとなっていた昨今だが、今年は、昨年団体3位の鹿屋体育大学に、2強の一角を崩さんとする勢いがある。

鹿屋体大の絶対エース・前野風哉(4年)
鹿屋体大の絶対エース・前野風哉(4年)

鹿屋体大のエースは、今年、アジア大会代表に決まった前野風哉。大学入学後、コンスタントに成長を続けてきた前野は、九州インカレでは個人総合4連覇。 

前野が在籍してからの3年間で、鹿屋体大のインカレ団体総合順位は、4位→5位→3位と上がってきた。昨年の3位は、全日本インカレでは初の3位だった。鹿屋体大とすれば、絶対エース・前野を擁する最後のインカレだけに、「あと1つ」順位を上げたい! という思いは強いだろう。

しかも、今の鹿屋体大は、前野頼みのチームではない。昨年のインカレで個人総合8位。全日本種目別あん馬で優勝し、世界選手権代表候補にもなった杉野正尭もいる。杉野は、昨年~今年、国際大会にも多く出場し、メダルも獲得。前野とWエースと呼べるだけの躍進を見せてきた。

跳馬以外の種目も底上げをはかってきた杉野正尭(2年)
跳馬以外の種目も底上げをはかってきた杉野正尭(2年)

さらに、昨年のインカレ個人総合21位の堀内柊澄、

堀内柊澄(3年)
堀内柊澄(3年)

25位の大村幸輝という安定した力をもつメンバーもいれば、

大村幸輝(4年)
大村幸輝(4年)

昨年の高校総体団体優勝を成し遂げた埼玉栄高校から藤巻竣平というスーパールーキーも加わった。

期待のルーキー・藤巻峻平(1年)
期待のルーキー・藤巻峻平(1年)

また、最後までインカレメンバーの座を争い、もぎとった中谷至希も、村田憲亮監督をして「この1年でもっとも頑張った選手」と言わしめる成長株だ。

大柄で伸びやかな体操が持ち味の中谷至希(3年)
大柄で伸びやかな体操が持ち味の中谷至希(3年)

彼らがそれぞれの持てる力を存分に発揮したときには、鉄壁と思われた2強の壁が崩れるかもしれない。

和気あいあいとした中にも勢いが感じられる鹿屋体大の練習
和気あいあいとした中にも勢いが感じられる鹿屋体大の練習

もちろん、谷川航、萱和磨、千葉健太、谷川翔ら、日本代表と見まごうほどの豪華メンバーが揃う順天堂大、

白井だけでなく、昨年のインカレで個人総合4位と健闘、先日の全日本種目別でも複数種目で決勝に残った府殿大佑、昨年のインカレ個人総合7位の春木三憲、さらに名門・市立船橋高校から進学してきたルーキー・杉本海誉斗も加わった日体大も、簡単に追いつける相手ではない。

しかし、昨年の団体競技では、8.950差あった2位日体大と3位鹿屋体大の差が、今年は縮まるかことによっては逆転するようなことになれば、日本の体操はますます熱く盛り上がるに違いない。

おそらく来年以降も、社会人選手として日本の体操界に中枢に位置するだろう選手たちの、大学生としての最後の戦いにおおいに注目したい。

<写真撮影:筆者>