イオン勢だけじゃない! 国際舞台に送りたい「日本の舞姫たち」~新体操日本代表選考会

アジア新体操選手権日本代表の座を射止めた古井里奈(国士館大学)

4月21~22日に高崎アリーナで行われる「第36回世界選手権・第18回アジア競技大会新体操日本代表選考会」は、イオン所属の4選手(河崎羽珠愛・大岩千未来・立澤孝菜・柴山瑠莉子)を軸とした戦いが予想されるが、世界選手権「1」、アジア競技大会「3~4」という狭き門に、なんとか食い込もうと、それぞれの個性を生かした演技で挑む選手たちがいる。

イオン勢に一矢を報い、代表入りを果たす可能性が高いと思われるのが、3月の代表選考会で見事3位となり、アジア新体操選手権代表の座を勝ち取った古井里奈(国士館大学)だろう。

アジア新体操選手権代表となった古井里奈(国士館大学)
アジア新体操選手権代表となった古井里奈(国士館大学)

古井は、高校総体優勝経験もある実績のある選手だったが、大学1年後半に脚の故障で戦線離脱。手術、リハビリを経て、昨年見事に復活を遂げ、今回の代表選出となった。

とにかく攻めに攻めた演技で、手具操作の止まるところがない。それでいて、音楽を生かした踊り感あふれチャーミングな古井の演技には、ファンが多い。3月の代表選考会では、4種目とも隙のない演技で、1種目目ではやや伸びきれなかった得点も、後半になるにつれどんどん上がっていった。まさに、演技で得点をもぎとり、代表の座をもぎとったのだ。

復帰の年だった昨年は、やや危なっかしいところも見られたが、今年はすっかり安定感を増した。今大会でも力を発揮できれば、台風の目になりそうだ。

亀井理恵子(東京女子体育大学/世田谷ジュニア新体操クラブ)
亀井理恵子(東京女子体育大学/世田谷ジュニア新体操クラブ)

その古井に勝るとも劣らない、アグレッシブな演技構成と、音楽との一致性を見せてくれるのが亀井理恵子(東京女子体育大学/世田谷ジュニア新体操クラブ)だ。亀井は高校3年時には高校総体優勝。大学に進学してからも、滞るところのない連続する動きと操作は健在だったが、3月の選考会では、珍しくミスが目立った。とくにフープとリボンでは珍しくミスを連発し、総合7位に終わってしまっている。

しかし、本来の力を発揮できれば、より上をうかがうだけの力はもった選手だけに、期待したい。

猪又涼子(日本女子体育大学)
猪又涼子(日本女子体育大学)

3月の選考会では、亀井同様、珍しく乱調で6位に終わった猪又涼子(日本女子体育大学)も、もっと上の位置にいてもおかしくない選手だ。3月には、1種目目のフープで落下場外、ラストは手具なし、というスタートから、後半も調子を上げきれなったが、本来は正確性の高い演技が持ち味の選手。

小柄な体を精一杯大きく使ったダイナミックな演技には、人の心を動かす力がある。3月にはまだ仕上がりきれない状態だったのかもしれないが、今回は十分な準備ができているとしたら、侮れない存在となるだろう。

藤岡里沙乃(東京女子体育大学)
藤岡里沙乃(東京女子体育大学)

3月の代表選考会でもっとも悔しい思いをしただろう選手が藤岡里沙乃(東京女子体育大学)だ。前半種目はフープ3位、ボール5位と、代表入りが見える位置につけたが、2日目の1種目目リボンで落下こそはなかったものの、細かいミスが多かった。最終種目クラブでは巻き返し、種目別で5位につける得点をマークしたが、リボンでのビハインドを取り戻すことができず、総合5位。4位に入った飯田由香(イオン)との得点差はわずか0.300。目の前にあった代表の座を逃してしまった。

表現力には定評のある選手で、先日の選考会では、おそらくすべての作品を刷新していたが、どれも特徴的で印象に残る作品だった。とくにフープではビートルズの曲をまったく趣きの違うアレンジで使っており、できることなら、世界やアジアなど海外の大会で、海外の審判や観客に見てほしいと思わせる選手であり、演技だった。

イオンの選手たちが「本命」だとしたら、ここに挙げた選手たちは「対抗」となるかもしれないが、彼女たちそれぞれの持つきらめき、輝きは、イオンの選手達にも負けないものがある。

ともあれ、ミスがあればどんな選手でも高得点は望めないし、順位も下がる。代表の座からは遠のく。

出場する選手たちすべてが、自身の力を出し切り、悔いのない演技ができること。

まずはそれを祈りたい。その結果、ここに挙げた「日本の舞姫たち」が世界に、アジアに羽ばたいていくことができれば、最高だ。

<写真提供:清水綾子>