フェアリージャパンPOLA、今季初戦好発進!~新体操W杯ブルガリア大会

アジア選手権日本代表選考会でのフェアリージャパンPOLAエキシビション演技

2005年のフェアリージャパンPOLA発足以来、最高に輝かしい結果(世界選手権でのメダル3個獲得)を残した2017年を経ての今シーズン、さらなる飛躍が期待されるフェアリージャパンPOLA。

しかし、このオフシーズンは順風満帆というわけではなかったようだ。

故障者も多く、当初出場を予定していた大会もキャンセルし、世界の強豪が出そろうティエ国際にも出場しなかった。

演技も新作に変わり、もしやその仕上がりがよくないのでは? と案じられたが、そんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、3月13日に立川市で行われた「アジアジュニア/アジア新体操選手権日本代表選考会」でのエキシビション演技だった。

この日のメンバーには、杉本早裕吏、松原梨恵、熨斗谷さくら、鈴木歩佳、横田葵子、そして昨年フェアリーに加入した織田莉子が入っていた。

昨年まではメンバーに定着していた竹中七海の姿が見えなかったことなどから、メンバー繰りでは苦労しているのか、とも思われた。

が。

それでも、このとき、フェアリージャパンPOLAが披露した今年の作品は、素晴らしかった。

細かいミスはあったかもしれないが、大きく破たんすることはなく、お互いにカバーし合う、チームワークもよく、今まで見てきたフェアリージャパンPOLAの演技の中で最高峰では? と感じるくらいワクワクドキドキするテクニカルな演技だった。

それでいて、踊っている感、表現している感も損なわれず、流れよくひとつの物語を踊り切る中で、かつてない頻度と難易度で手具が飛び交っていた。一人の選手が、手以外を使って、複数の手具を投げる。そして、それを移動だにせずキャッチする。

世界のトップレベルで戦う以上は当然とも言えるかもしれないが、正真正銘「これは世界に通じる演技」と感じる演技を、この日のフェアリージャパンPOLAは見せてくれた。

新しいメンバーが入っていることも、まったく気にならない。むしろスケール感は増したようにも見えた。

どのメンバーになっても、こうして「チームとして」まとまることができる。そんな成熟したチームに、フェアリージャパンPOLAはなったのだと、心から嬉しく、頼もしく思ったのだ。

3月13日のエキシビション演技
3月13日のエキシビション演技

そして、3月30日(日本では深夜)。

フェアリージャパンPOLAは、W杯ブルガリア大会で今季初戦を迎えた。

メンバーは立川市でのエキシビションと同じ。

エキシビションのときより、やや移動は多かったようにも見えたが、それもしっかり対応できている証ともいえる落ち着いた演技だった。

大きなミスは回避し、ワクワクさせる多くの手具操作は成功させた。

そして、なんと言っても、堂々とした華やかさがあった。昨年のメダルが彼女たちに与えた自信、そしてオーラははかりしれない。

得点は、19.550。ブルガリア、ロシアに次いで3位スタートとなった。

特筆すべきは、D得点が12.300でロシアと同点。1位のブルガリアとも0.1差だったことだ。

じつは、このD得点、昨年までは10点が上限だった。そのため、ロシアら強豪国はゆうに10点は超える内容を詰め込んで、少々とりこぼしがあっても10点が出るような演技をしていた。

一方、昨年までのフェアリージャパンPOLAは、「10点をゆうに超えるD得点」の演技構成ではなかったと思う。ただ、10点をしっかりとりこぼさないように正確な実施を行い、結果的にD得点ではほとんど差がつかない戦いに割って入ることができた。

つまり、「10点以上は切り捨て」という昨年のルールが、フェアリージャパンPOLAのメダル獲得には有利に働いた面も否定はできなかったのだ。

ところが、今年から、D得点の上限は撤廃された。

その結果、シーズン当初から、他の上位国の演技は、「手具を持っている時間がないんじゃないか?」と思うほどの、技に次ぐ技で、どこまでD得点が伸びるのか予想もつかない、そんな様相を呈していた。

昨年まで、どちらというと、上位国の中ではそこまで難易度は高くない演技を、きちんとまとめること、美しく演技すること、そして同調性の高さなどで勝負してきた日本は、他国のD得点が上がれば、D得点勝負で大きく水をあけられるのではないか? という不安もあった。

が、なんとかノーミス(落下はなし)でまとめた演技に、「D12.300」が出た。

これは朗報だ。

もちろん、ミスすれば得点は下がる。ただ、ミスがなかったときに出し得る得点が低い場合は、おおいに演技を見直す必要があるが、今回のこの得点は、いわばフェアリージャパンPOLAにとっての「GOサイン」とも言える。

本日は、もう1種目「ボール+ロープ」が行われ、団体総合の順位が決まるが、こちらの種目は、はじけるような、明るさ、若さのあるチャーミングな演技だった。そして、やはりワクワクするような演技構成になっていた。

こちらの種目もまとめれば、シーズン初戦でのメダル獲得という幸先のよいスタートも見えてくる。

思い切りよく、自信をもって、のびのびと。 Go! フェアリージャパンPOLA!

<写真提供:清水綾子>※3月13日、アリーナ立川立飛にて撮影。