2018シーズンイン!~新体操日本代表選考会、本日より開催!

代表入りが期待される2017全日本選手権2位の柴山瑠莉子(イオン)

新体操は、10月または11月に行われる「全日本選手権」がシーズン終わりの大会となり、新しいシーズン最初の公式戦が、例年は4月に行われる「代表選考会(あるいは代表決定戦)」となる。

今年は、アジアジュニア新体操選手権(4月29日~5月2日)の開催が予定より早まったため、急遽、「アジア選手権/アジアジュニア選手権」の代表選考会のみが3月12~13日に前倒しして行われることとなった。

4月21~22日にはまた「2018新体操日本代表選考会」が予定されており、そこでは8月27日~28日に行われる「アジア競技大会」の代表を決定する。

その年に開催される国際大会は年度によって変わるため、この「代表選考会」の要項は毎年変わる。「アジアジュニア選手権」があれば、ジュニア選手も対象になるし、「ユニバーシアード」のある年は、大学生による団体も行われる。

いずれにしても、この「代表選考会」に出場しない限りは、その年の国際大会に出場できる可能性はないということだ。

それだけに、「(公式の)国際大会に出場したい!」という希望をもっている選手たちにとっては、シーズン終わりの全日本選手権で上位に入り、代表選考会出場の切符を手にすることが大きな目標となっているのだ。

また、前年度の全日本選手権から続けて見ていると、全日本選手権で自信や手ごたえをつかんだ選手がどんな成長を見せてくれるか、または、悔しい思いで全日本選手権を終えた選手がどう巻き返してくるのか、なども見所となる。

今回の選考会で代表に選ばれるのは「3~4名」とされているが、その代表の座にもっとも近いと目されるのが、2017全日本選手権2位の柴山瑠莉子(イオン)だ。本来なら全日本1位の立澤孝菜(イオン)が最有力候補といえるのだろうが、今回の選考会にはエントリーしていないため、柴山が代表の座の至近距離にいる。

柴山瑠莉子(イオン)
柴山瑠莉子(イオン)

2017全日本選手権後に、1年を振り返って、

「どの試合でも課題も見つかり、収穫もありました。

出させていただいたどの試合もプラスになり、練習での気持ちの持ち方、持っていき方、メンタル、そういう面で成長できたかな、と思います。国内、国外もたくさん試合に出させてもらい、良い意味で自分と人とを比較することができた、と思います。

これからの課題として、もっともっと上を目指すには手具を落下させない、ミスを出さないことが一番ですし、ローテーションは回れるだけ回る、ジャンプの開脚など細かいところまでひとつひとつきちんとこなしていくこと。そしてもっとメンタルで強く、大きくなっていきたいです。

 来年は、作品も変わるので冬場は徹底して練習していきます。アジア選手権選考会、高校選抜もあるのでそこに向けてちゃんと作品を創り上げたいです。もちろんインハイ連覇、ユース連覇。そして全日本は絶対、優勝したいという気持ちで毎日練習してきたいです。」

と意欲満々に語った柴山。今が伸び盛りの17歳は、さらなる飛躍を見せてくれそうだ。

柴山の一番のライバルとなるのは、河崎羽珠愛(イオン)だろう。2014~2016と全日本3連覇を果たした女王は、昨年ついに立澤に女王の座を明け渡した。2017年の河崎は、全日本だけでなく、インカレ、クラブ選手権など、多くの試合で勝ちを逃した。苦難の年だった、と言ってよいだろう。

河崎羽珠愛(イオン)
河崎羽珠愛(イオン)

2017全日本選手権後に河崎は、

「この一年間悔しい思いをする大会だらけでした。

全日本ではようやく、この一年で一番いい演技がすべて出し切れたと思いますが、苦しい一年でした。

一番苦しかったのは夏のクラブ選手権からユニバーシアードで、惜しいミスや悔しいミスをして悩むことが多かったです。

全日本では気持ちを新たに、と意識して自分の考えている『魅せる演技』ができた、と思います。

4連覇のかかる大会でしたが、プレッシャーも少しは感じていて、、本当はしたかったです。でも完全に自分の力不足。

今年の作品は、自分にとって挑戦でもあるし、演技に『なりきる』ことに力を入れていました。全日本では、楽しんで演じられて、4種目違う世界を拡げることができたかな、と思います。

来年の目標は、アジア競技大会です。

国内ではもちろん、全日本優勝。取り戻したいです。

今年はずっとかつて経験したことのない悔しさがありました。全日本でももちろん悔しさもありますが、成長するきっかけも、つかめた気がしていて、充実感のほうが大きいです。」

と語っていた。

たくさんの悔しさを味わったことで成長のきっかけをつかんだ、と言った河崎は、どんな変貌を見せてくれるのか。楽しみだ。

大岩千未来(イオン)
大岩千未来(イオン)

さらに、柴山、河崎を脅かす存在となりそうなのが、全日本4位の大岩千未来(イオン)だ。まだ高校1年生だが、その潜在能力の高さはかねてより評価されてきた逸材が、ついにその素質を開花させたのが2017シーズンだった。

大岩は、全日本選手権後、

「今年はシニアデビューの年でしたが、海外の試合や国内でも全日本など大きな大会に出させて頂くことができました。

緊張もたくさんしたし、ミスもありましたが、課題を見つけることもできました。

もっと集中力と体力をつけないといけないなと感じています。

全日本選手権では、シニアの選手、大学生とやらせていただいてとても良い刺激になりました。

今後は観ている人が感動してくれるような演技ができるようになりたいです。

シニアの選手や海外のトップ選手のような大きさやのびやかさ、ダイナミックさを自分も出していきたいです。」

と語っている。

この3人に割って入るとしたら、2017全日本選手権5位の猪又涼子(日本女子体育大学)、6位の藤岡里沙乃(東京女子体育大学)、7位の古井里奈(国士舘大学)らか。

猪又涼子(日本女子体育大学)
猪又涼子(日本女子体育大学)

インターハイ、インカレも制した経験のある猪又は、大学入学以来、演技の精度の高さ、巧緻性などに磨きをかけてきた。本番でのミスの少ない安定感、対応力などもあり、勝負強い選手という印象もある。

藤岡里沙乃(東京女子体育大学)
藤岡里沙乃(東京女子体育大学)

大学4年生の藤岡にとっては、今回が大学生として出場する最後の試合となる。独特の表現力を持ち味とし、近年は演技に安定感と凄みも増してきた。成熟した、彼女ならではの新体操で魅せてくれる選手だ。

古井里奈(国士舘大学)
古井里奈(国士舘大学)

高校1年生のときにインターハイ覇者となった古井は、常にポジティブな印象の選手で、演技もアグレッシブかつチャーミング。弾けるような明るさが魅力だったが、2016年は全日本選手権を途中棄権するほど足の状態が悪化。

手術、リハビリを経て復帰した2017年、試合を重ねるごとに調子を上げていき、全日本では7位。さらなる飛躍が期待できそうだ。

早川さくら(イオン)
早川さくら(イオン)

そして。もう一人、注目されるのが早川さくら(イオン)だ。特別強化選手として皆川夏穂と共にロシア長期合宿を行い、リオ五輪代表の座をぎりぎりまで皆川と争った早川だが、2016のリオ代表決定後~2017はほぼ大会に出場しておらず、今回が久々の実戦復帰となる。十分なトレーニングを積んでこれたのであれば、「世界トップレベル」と言われたあの美しく、たおやかな演技をまた見ることができるはずだ。

まさに「百花繚乱」の様相だが、シーズンはじめの大会は、新しい作品に挑戦する選手も多く、ミスとの戦いにもなりがちだ。

今シーズンからのルールでは実施減点が非常に厳しくなっていることもあり、ひとつのミスで点数も順位も大きく変動しかねない。

いわばどの選手にもチャンスがあり、誰も安泰ではない。2日間にわたる熱い戦いに注目したい。

また、同時に「アジアジュニア新体操選手権」の選手選考会も行われるが、こちらで有力視されるのは、2017全日本ジュニア2位の山田愛乃(イオン)

山田愛乃(イオン)
山田愛乃(イオン)

と全日本ジュニア5位の末永柚月(イオン)だろう。

末永柚月(イオン)
末永柚月(イオン)

2人とも昨年のアジアジュニア選手権にも出場しており(末永は団体選手として出場)、山田は個人総合5位、末永は団体で優勝している。2020年東京五輪のその後にも期待できる選手たちだ。

※アジアジュニア/アジア新体操選手権日本代表選考会情報

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<写真提供:清水綾子/末永裕樹>