2017AGG世界選手権、本日決勝!~Team JAPANは5位で予選通過

予選を5位で通過した AGG Team JAPAN

「AGG」と言ってもぴんとこない人が多いだろう。

新体操によく似ているが、手具をもたずに団体で演技を行う、いわば「団体徒手競技」なのだが、ここ数年、日本ではにわかに普及・強化が進み、国際大会での実績もついてきている芸術スポーツだ。

今年すでに2回AGGの記事を公開しているのでできればこちらも併せて読んでいただきたいが、そのAGGの世界選手権が現在、フィンランドのヘルシンキで行われている。

※AGGについての過去記事1

※AGGについての過去記事2

今大会に、日本からは3チームが出場。3月に行われたJAPAN CUPでシニア優勝したTeam Shoinと、2位のJWCPE AGG Team。それに、オーディションを経て選抜された「Team JAPAN」の3チームだ。

昨日行われた予選で、シニア試技順1番だったTeam Shoinは、非常に美しく、情感豊かな演技を見せたが、いくつか減点につながるミスが出てしまい予選16位。

予選16位:Team Shoin
予選16位:Team Shoin

日本の2番手で登場したJWCPE AGG Teamも、やや細かいミスは見受けられたが、しっかりと勢いのある演技を見せ、Shoinを上回り予選15位につけた。

そして、日本勢では最後。試技順22番で登場したTeam JAPANは、幻想的で透明感のある、はかない美しさのある演技をていねいに実施し、演技を終えた瞬間にこの日一番の喝さいを巻き起こした。結果、この時点ではトップに立つ18.650という高得点をたたきだした。

その後、AGG強国・ロシア、フィンランドなどの強豪チームが登場し、予選の最終順位は5位となったが、上位チームとも十分戦える手ごたえはつかめたのではないだろうか。なによりも、日本からの観客はほとんどいないと思われる会場のあの熱狂は、Team JAPANの演技が観客の心をつかんだ証だろう。

本日行われる決勝は、日本時間の20時から。

日本の3チームのうち予選上位の2チームが決勝に出場する。

JWCPE AGG Teamは、シニア3番目

予選15位:JWCPE AGG Team
予選15位:JWCPE AGG Team

Team JAPANは、シニア9番目

予選5位:Team JAPAN
予選5位:Team JAPAN

となる。日本からもライブストーミングが視聴できるのでぜひ、この美しく、エキサイティングなスポーツを鑑賞し、日本チームに声援を送ってほしい。

※ライストはこちら(アドレス違っていたので修正しました。20:05)

また、本日の閉会式のあとに行われるGALAにも日本チームは出場するが、そこには女子3チームだけでなく、国士舘大学の男子新体操チームも登場する。

GALAは、25演目と盛りだくさんだが、日本チームは12番目と22番目に登場予定。

12番目は、女子の3チームと国士舘大学男子チームのコラボ演技。

22番は国士舘大学の男子新体操(おそらく団体演技)になる。

開会式とGALAに出演:国士舘大学
開会式とGALAに出演:国士舘大学

AGGは、もともと女子のみの競技だが、今後、より発展を遂げ、五輪種目にもと進んでいくためにには、「男女ともに参加できる」ことが重要となってくる(シンクロや新体操もその流れにある)。すでに、今回の世界選手権でもミックス種目が行われており、男子選手を含むチームも複数出場していたが、いずれは男子というカテゴリを設けることも視野に入れているだろう。

そうなった場合に、現在は日本だけで行われている「男子新体操」の団体競技は、AGGと非常に相通じるものがあり、今回の国士舘大学の出演もAGG連盟からの要請に応じたものと聞いている。

すでに昨日の開会式でも団体演技を披露しており、会場の沸き方からも、彼らが非常に歓迎されていることが感じられた。

「男子新体操」も近年、国内外での人気は高まっており、「国際化」が取りざたされることも増えてきた。ロシアでは今年になって男子新体操の国内大会が行われたりもしており、新体操も「男女平等」を実現しないことには、五輪種目から外される危機もあると言われていることから、ロシアが男子新体操に対して関心を高めているようだ。

しかし、手具をもって行う個人競技は、比較的スムーズに「新体操」として受け入れられるが、日本の男子新体操で行われている団体競技は女子の団体と違って手具をもたない「徒手体操」だ。かつて男子新体操が国際化を求めて動いていたとき、この団体が徒手であるということが「男子新体操は、(女子の)新体操の男性版とは認められない」とされた一因でもあった。そのため、一時期、日本国内では手具をもった男子団体が試験的に行われたこともあったが、立ち消えている。

その後、タンブリングが共通することからアクロ競技との融合も課題となっているが、なかなか進んでいない。

ここにきて登場したAGGという新たな競技は、スピリットとしては非常に男子新体操団体競技とは通じるものがある。

男子新体操を知っている身にすれば、AGGの演技を見ていると、「男子新体操みたいだ」と感じることもままあるのだ。

AGGによって国際化の可能性も高まるか?
AGGによって国際化の可能性も高まるか?

もちろん、使用するマットの違いもあり、今回、国士舘大学がフィンランドで披露する演技も、本来の競技作品よりはタンブリングのレベルはずっと下げてある。そこに懸けて練習を積んできている選手たちにとっては、不本意ではあるだろう。しかし、それを抜きにしても、男子新体操本来の持ち味である体操の美しさ、同調性、呼吸などは、AGGの選手、関係者、そして観客に伝わるだろう。

そして、このAGG世界選手権というまたとない舞台で、日本の男子新体操を披露できたことが、男子新体操国際化の可能性をまたひとつ増やすことになるに違いない。

GALAまですべてライブストーミングで放送されるかがわからないが、放送されることを期待したい。

そして、日本のAGGチームの健闘と、国士舘大学が踏み出す男子新体操の新たな一歩を応援したいと思う。

<写真提供:清水綾子>