2016・活躍が期待される新体操選手たち~個人強化選手

右から順に、リオ五輪選手候補の早川さくら、皆川夏穂、現全日本女王・河崎羽珠愛

2015年11月13日に行われた日本体操協会の「第6回常務理事会」で承認された「2016年度強化選手(個人)」は以下のとおりだった。

■個人

皆川夏穂(イオン/大原学園高等学校)リオオリンピック代表候補

皆川夏穂(世界選手権個人総合15位)
皆川夏穂(世界選手権個人総合15位)

早川さくら(イオン/日本女子体育大学)リオオリンピック代表候補

早川さくら(世界選手権個人総合17位)
早川さくら(世界選手権個人総合17位)

河崎羽珠愛(イオン/植草学園高等学校)

河崎羽珠愛(2014・2015全日本選手権個人総合優勝)
河崎羽珠愛(2014・2015全日本選手権個人総合優勝)

喜田純鈴(エンジェルRGカガワ日中/坂出市立坂出中学校)

喜田純鈴(2015全日本選手権個人総合準優勝)
喜田純鈴(2015全日本選手権個人総合準優勝)

猪又涼子(ポーラ☆スターR.G/伊那西高校)

猪又涼子(2015全日本選手権個人総合3位)
猪又涼子(2015全日本選手権個人総合3位)

立澤孝菜(イオン/大原学園高等学校)

立澤孝菜(2015全日本選手権個人総合5位)
立澤孝菜(2015全日本選手権個人総合5位)

古井里奈(名古屋女子大学高等学校)

古井里奈(2015全日本選手権個人総合7位)
古井里奈(2015全日本選手権個人総合7位)

柴山瑠莉子(イオン/千葉市立高洲第一中学校)

柴山瑠莉子(2015全日本選手権個人総合8位)
柴山瑠莉子(2015全日本選手権個人総合8位)

3年前から特別強化選手としてロシアに派遣されていた皆川夏穂、早川さくらをはじめ、2015年の試合で実績を残した選手たちが選抜されている。ここにさらに、11、12月に行われた「トライアウト」で選抜された選手たち(2001~2004年生まれ)が追加されることになっている。

目前に迫ったリオ五輪への出場選手は、皆川夏穂、早川さくらの2名のどちらかを、春先のワールドカップでの実績をもとに選抜することになっているため、その他の選手たちは、東京五輪に向けての強化対象と考えられる。

ロンドン五輪後、リオ五輪での個人枠奪還へ「背水の陣」を敷いた日本は、リオ世代での強化選手を極端に絞り込み、実質的にはほぼ皆川と早川の2人だけを集中強化してきた。その結果が実っての個人枠獲得ではあったが、同世代の選手たちにとっては、「五輪選手」はもちろん、「強化選手」になることすらかなわないという時期があった。

強化選手に名を連ねるのは、まだ実績はなくても素質に恵まれた年下の選手たちばかり。そんな中で、河崎や猪又、古井らは自分に与えられたステージで精一杯演技をし、結果を残してきた。

今回の強化選手入りは、そんな実績が認められてのことだろうが、それは多くの選手たちにとっても希望になるに違いない。

皆川、河崎、猪又、古井は、そろって今年の春に高校を卒業する。立澤はその1学年下。つまり、東京五輪を21~23歳で迎えることになる。新体操の世界は、若年化も進んでおり、ティーンエイジャーが五輪を制することもあるが、近年は海外の選手でも24歳あたりまで一線で活躍する選手も少なくない。

外国人選手と並べば、どうしても子どもっぽく見えてしまう日本人選手だけに、21~23歳あたりでちょうど円熟味が増してくるとも言えるため、この世代の選手たちが東京五輪に出場することになる可能性もあるだろう。

一方で、喜田純鈴、柴山瑠莉子は現在、中学3年生で東京五輪を10代のうちに迎える。

年齢的には、まさに「東京五輪世代」といえる選手たちで、この2人に対する期待は大きなものがある。

とくに喜田は、2015年全日本選手権でも2位、さらに2013年に中学1年生のときにも全日本選手権2位になっている「日本新体操界の期待の星」として、期待され続け、その期待に十分応えてきた逸材だ。

今年は、ロシアへの短期留学も予定されており、さらなる飛躍が期待される。

また、柴山瑠莉子も、国内の試合の実績では喜田に及ばないが、昨年、喜田とともに出場した国際試合では、喜田にも劣らぬ高評価を得た選手だ。身体能力では喜田がまさっているが、柴山の表現力は、芸術性がより求められるようになってきた現在の新体操では大きな強みになる。喜田と柴山、世界で戦っていける選手に育っていきそうな可能性をおおいに感じさせる次世代選手が、現時点でも2人いるということは新体操界にとっては大きな希望と言えるだろう。

さらにトライアウトでは、その下の世代の選手たちが選抜される。

この多世代にわたる強化が実っていけば、東京五輪の国内代表争いが、幅広い年齢層によるハイレベルなものになるに違いない。

そして、そうなったときに、初めて日本の選手たちが「世界でも上位を目指す」と言えるようになるのではないか。

リオ五輪の年・2016年は、東京五輪に向けての本格強化の始まりの年、でもあるのだ。

<写真提供:末永裕樹/末松正義>