ヒント:楽天の主力事業(ネット系・Fintech系・モバイル系)を企業分割して、それぞれをアメリカ(Nasdaq)で上場させた場合、競合他社との比較を通じて推計される時価総額は、かなり大きくなると推計できます。最大で現時点の時価総額の●●倍!

念の為免責事項として: シバタは以前、楽天に在籍しており、退職した時に(当時の)1株残してすべて売却しました。当時の1株(現在の100株)だけは現在も保有しています。

この記事は沼幹太さんとの共同制作です。

「楽天の株価は安すぎるのでは?」という声をよく耳にします。

実際、Zホールディングスや、医療従事者向けポータルサイトを運営するエムスリーと比較してみると、その時価総額が売上規模や成長率に対して小さいことがよくわかります。

Zホールディングス(上図ではZHD)と楽天は売上が同程度に対し、時価総額はZホールディングスが約4倍も大きく、エムスリーに至っては、売上が楽天の約10分の1程度にもかかわらず、時価総額は約3.2倍の差がついています。

また、モバイル事業への投資で営業利益がマイナスではあるものの、楽天はYoY+15%で売上が成長しているにも関わらず、PSR(Price Sales Ratio =株価売上倍率)が約1倍程度しかありません。

このように楽天の時価総額が伸びていない最も大きな要因として、「コングロマリットディスカウント」が発生していることが考えられます。

コングロマリットディスカウントとは、異なる複数のビジネスモデルを抱えるコングロマリット(=複合企業)の価値が、各事業の価値の合計よりも小さい状態を指します。

楽天はECなどのネット事業、カード事業などのFintech事業、楽天モバイルの携帯キャリア事業という3つの全く異なるビジネスが同じ会社に混在しており、リスク分散の観点や企業価値の緻密な計算が難しいことから投資家はこのような状態を嫌うわけです。

時価総額を上げるには、この状態を解消し、親子上場するのが一番良いい方法かと思います。

今ある「楽天グループ株式会社」を持株会社にして、その下に、

A: 楽天株式会社(ネット系)

B: 楽天Fintech株式会社(Fintech系)

C: 楽天モバイル株式会社(携帯キャリア)

というビジネスモデル別に3つの子会社を設立し事業を分割、3社とも上場させ、時価総額を上げるという方法です。

では、楽天がもしこのような上場形態をとった場合、時価総額はどの程度まで上がるのでしょうか。

本記事では思考実験として、仮に楽天が上記のようなスキームで、アメリカ(Nasdaq)で親子上場をしたと仮定して、類似企業の時価総額と比較しながら、それぞれの事業会社の時価総額を簡単に計算し、予想していきます。

この記事は楽天の事業や株式の将来性にご興味がある方、企業の横比較をもとにした企業価値の概算方法に関心がある方におすすめな内容となっています。

注)本文中の株価及び時価総額は全て、2021年10月1日現在の株価を参考にしています

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・Q. 楽天にコングロマリットディスカウントが適用されなかった場合、時価総額はいくら程度か?の答え

・A: 楽天株式会社(ネット系)の想定時価総額

・B: 楽天Fintech株式会社(Fintech系)の想定時価総額

・C: 楽天モバイル株式会社(携帯キャリア)の想定時価総額

・まとめ

・親子上場に際してネックになりそうな点