ヒント:

2020年4-6月期の取扱高成長率がYoY+196.5%だった●●

2020年3-5月期の取扱高成長率がYoY+91.4%だった●●

両社共、コロナ禍初期に急成長した企業です。

この記事はゲストライターとの共同制作です。

緊急事態宣言の対象区域が拡大されるなど、コロナによる影響がまだ続いていますが、そのような行動の制限が求められる状況が追い風となったのがEC市場です。

https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
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経済産業省の令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)によると、国内物販系分野(BtoC)の2020年の市場規模は12兆2,333億円、前年比(YoY)+21.7%と例年に比べ大きく成長しています。

今回の記事では、コロナ禍の追い風を受けたEC企業8社の2021年4-6月期の四半期決算を取り上げていきますが、長引くコロナ禍でのEC各社の決算を見ると、取扱高成長率が企業ごとに大きく異なっています。

プラスの企業とマイナスの企業、それぞれどのような要因で成長率が異なっているか、分析していきます。

国内EC各社のGMV(YoYプラスの企業)

まず、国内EC各社のGMV(取扱高)成長率を比較していきましょう。

2021年4-6月期のGMV成長率が最も高かったのはBEENOSでYoY+45.4%で、次にロコンドがYoY+25.8%と続いています。両社とも前年同期(YoY)はマイナス成長でしたが、今期は成長率がプラスに転じています。

Zホールディングス、メルカリ、楽天、ZOZOの大手EC企業は、2020年4-6月期(前年同期)のYoY成長率と比べ、2021年4-6月期のYoY成長率が減少しています。各社ともになんとか成長率をプラスにできているという印象です。

次に、GMV成長率が高かったBEENOSとロコンドの決算を詳しく見ていき、要因を探っていきましょう。

BEENOSの決算

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS70664/a381f94f/a743/4ae8/ae14/8222de593f69/20210813111549458s.pdf
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まず、BEENOSの決算を見ていきます。

2021年3Q(2021年4-6月期)のEC事業の流通総額は169億円、YoY+45.4%と大きく成長しています。

グローバルコマースが牽引したことが要因として大きく、営業利益も7.4億円、YoY169.3%と2倍以上の成長をしています。

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こちらのグラフは、セグメント別の流通総額の推移です。

エンターテインメント事業は、大型イベントが未だ開催できておらず、2021年3Qの売上は1.8億円でした。コロナ禍の影響が大きくなり始めた前年同期と比較しても、YoY-4.1%と減少しています。

そのようなマイナス成長のセグメントがある中、全体の成長を牽引したのがグローバルコマース事業で、YoY+71.1%と大きく成長しています。その要因は「Buyee」という越境ECサービスの成長が著しいことが大きく、特にアメリカからの受注がYoY+180%と大幅に伸びています。

ロコンドの決算

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次に、ロコンドの決算を見ていきます。

2020年1Q(2020年3-5月期)は、4、5月の外出自粛によって靴の需要が減少したため、大幅ダウンとなっていました。

2021年第1Qは合計取扱高が50.5億円、YoY+26%と回復していますが、そのうち+10%が2020年7月に買収したFashion walkerの増加分となっており、金額にすると四半期売上で5.1億円の取扱高増加に貢献しています。

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ロコンドはFashion walkerの買収に続いて、2021年7月にフェアプレイ社を買収し、スポーツグッズの通販に参入しました。「サッカー 通販」の検索でSEO1位となっているなど、サッカーのECとして国内最大級の企業であり、年間取扱高10億円の増加が見込めます。

ロコンドは、今後もM&Aにより取扱商品の領域を拡大しながら、GMVを増やす戦略を取っていきそうです。

大手EC企業は成長率をかろうじて維持

続いて、主要な大手EC企業の中でも、成長率の減少が大きかった2社の決算を見ていきます。

成長率が最も減少したのが楽天です。

前年同期(2020年2Q)のショッピングECの取扱高成長率はYoY+48.1%であったのに対し、今期(2021年2Q)はYoY+3.2%となっており、成長率が44.9%減少しています。国内最大級のECサービスでありながら、50%近く成長した前年同期の反動が大きいと考えられますが、プラスの成長率をなんとか維持しています。

https://pdf.irpocket.com/C4385/wUtl/cYO7/rlYo.pdf
https://pdf.irpocket.com/C4385/wUtl/cYO7/rlYo.pdf

楽天に次いで成長率が減少したのが、メルカリです。

前年同期(2020年4Q)の取扱高成長率YoY+39.6%に対して、今期(2021年4Q)はYoY+15.4%と成長率が24.2%減少となっています。

招待キャンペーンで獲得した新規ユーザーの増加が引き続き順調であったため、取扱高の成長も維持した状態です。

広告宣伝費

2020年6月期Q4 22億円

2021年6月期Q4 42億円

調整後営業損益

2020年6月期Q4 71億円

2021年6月期Q4 66億円

キャンペーンにより広告宣伝費をYoY+20億円増額していますが、調整後営業損益はYoY-5億円にとどまり、66億円の黒字を維持しています。

ここまで、取扱高成長率がプラス企業の決算を見てきました。

特に成長率の高かったBEENOSは、越境ECサービスが成長を牽引し、ロコンドはM&Aによって取扱高を増加させており、来期以降もM&Aによる取扱高の増加が見込まれていることが分かりました。

また、楽天やメルカリなどの大手ECは、コロナ禍の追い風が大きかった前年同期と比較すると大きく取扱高成長率を下げましたが、それでもプラスの成長率を維持していること分かりました。

記事の後半では、取扱高成長率がマイナスに転じた企業を見ていき、その要因を解説していきます。

また、アメリカのEC企業とも比較をしながら、業界としての傾向を探っていきます。

この記事は、ECビジネスに携わっている方や興味がある方、コロナ禍が市場に与える影響や傾向に関心がある方に最適な内容になっています。

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・取扱高成長率がマイナスになったのは、●●と●●の2社

・●●のGMV下落は、ショップあたりGMVの下落が要因

・●●とShopifyとの比較

・●●のGMVは、ある商品を除くと堅調な売上推移

・●●と米ファッションフリマPoshmarkとの比較から見えること

・まとめ