ヒント:年間経常収益であるARRは、Asanaの方が大きいです。

タスク管理や仕事の進捗管理に、プロジェクト管理ツールを使っている方は多いのではないでしょうか?

プロジェクト管理ツールの市場は、AsanaやMonday.com、Trelloなどの海外サービスに加え、国内でもBacklogやJootoなど多くのサービスが乱立する競争激しいレッドオーシャンです。

しかし、Asanaによると、私たちの勤務時間の60%が必要のない会議等の「work about work(仕事のための仕事)」に費やされています。「仕事を効率よく管理し、生産性を高める」というニーズは、業界問わず多くの会社で存在しており、市場機会は大きいと言えるでしょう。

今回の記事では、プロジェクト管理ツールの中でも、グローバルで使用されているAsanaとMonday.comに注目します。類似したサービスを運営する両社の共通点と特徴はどのようなものなのか、両社のビジネスモデルであるSaaSのKPIを比較して整理していきます。

Monday.comは先月(2021年6月)NASDAQに上場したばかりということで、注目している方も多いかもしれません。この記事では、その特徴を競合との比較を通してお伝えできればと思います。

Asanaとは?

Asanaは、Facebookの共同創業者であるダスティン・モスコヴィッツ氏と、同じくFacebook出身のジャスティン・ローゼンスタイン氏によって、2008年にアメリカで設立されました。同社はプロジェクト管理SaaSの「Asana」を運営しており、2020年9月にニューヨーク証券取引所に直接上場しました。

https://asana.com/ja/product
https://asana.com/ja/product

Asanaは、登録したタスクの進捗状況を可視化するボード機能やカレンダー機能など、チームで円滑に仕事を進めるために必要な機能を多数備えています。世界190ヶ国で100 万を超えるチームに利用されており、日本ではソフトバンクやANAなどの大企業やスタートアップにも導入されています。

Monday.comとは?

Monday.comはイスラエル発のSaaS企業で、2019年7月のシリーズDの資金調達でユニコーン企業となり、2021年6月10日にNASDAQに上場、IPOを果たしました。

Monday.comの現CEOであるロイ・マン氏は、同社を設立する前の2010年から2012年にかけて、ホームページ作成サービスを提供するWix.comでCTOを務め、現在共同CEOを務めるエラン・ジンマン氏と共に、スピンアウトする形で2012年にMonday.comを設立しました。

https://monday.com/lang/ja/product/
https://monday.com/lang/ja/product/

Monday.comはプロジェクト管理ツール「Monday.com」を運営しており、視覚的かつ直感的に使える高機能なタスク管理ツールとして、UberやAdobe、ユニリーバなどの大手企業で導入されています。

両社にはアメリカでの株式上場という共通点もありますし、サービス内容にも類似点が多くあります。ここからは、AsanaおよびMonday.comの売上やSaaSビジネスのKPIを比較し、両社の共通点や特徴を整理します。

比較#1: 売上・売上成長率

Asana Investor Presentation (2021年6月3日)

FORM F-1 monday.com Ltd.(2021年5月17日)

Monday.com IPO | S-1 Breakdown(2021年5月21日)

https://s25.q4cdn.com/783494463/files/doc_financials/2022/q1/Asana-Investor-Overview-June-2021_FINAL.pdf
https://s25.q4cdn.com/783494463/files/doc_financials/2022/q1/Asana-Investor-Overview-June-2021_FINAL.pdf

まずは売上と売上成長率を見ていきます。

Asanaの2022年1Qの四半期売上は$77M(約77億円)、YoY+61%で、2020年1Qから右肩上がりに成長しています。年間経常収益を表すARRは、$77M×4=$308M(約308億円)です。

https://www.meritechcapital.com/blog/monday-com-ipo-s-1-breakdown
https://www.meritechcapital.com/blog/monday-com-ipo-s-1-breakdown

次に、Monday.comの2021年1Qの四半期売上は$59M(約59億円)、YoY+85%で、ARRは$59M×4=$236M(約236億円)です。

両社の売上は右肩上がりに増加しており、売上規模はAsanaが大きいものの、成長率はMonday.comが高いことが分かります。

ちなみに国内SaaS企業のARRは、2020年7-9月時点でラクスが133億円、Sansanが128億円であることから、両社のARRの規模の大きさが伺えます。国内SaaS企業のARRについて、以前の記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。

Q. 【国内SaaS ARR分析】コロナ禍で成長が加速・減速したのはどの企業?

記事の後半では、このように両社のKPIを1つずつ確認しながら、共通点や特徴を整理し、両社のビジネスについて考察していきます。

この記事は、SaaSビジネスに従事する方や関心のある方、企業のKPI分析に関心がある方に最適な内容になっています。

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・Q. プロジェクト管理SaaSの2大王者 Asana vs Monday.com、顧客単価が大きいのは?の答え

・比較#2: ACV

・比較#3: 顧客獲得コスト回収期間

・比較#4: Net Dollar Retention

・比較#5: 大企業からの売上比率

・比較#6: 時価総額・PSR

・まとめ