Q. コロナ時代のマッチングアプリ利用方法、3つの変化とは?

A.

1. 20代の方がメッセージを送る数が増えた

2. 20代女性がスワイプ回数が最も増えた

3. 3月は「自粛」、4月以降は「開放的」

今日の記事では、マッチング系アプリを主に提供する、Match Groupの決算を見ていきたいと思います。マッチング系アプリの中でも、グローバルで最も大きな市場シェアを持つ会社であり、Tinderなどの皆さんが聞いたことがあるアプリも提供しているのが、このMatch Groupです。

今回は特に、コロナウイルス前後の利用動向の変化が決済の中からも一部読み取れますので、詳しく見ていきたいと思います。

Matc Group Q1 2020 Quarterly Earnings Results

Matc Group Q1 2020 Quarterly Earnings Shareholder Letter

https://is.gd/bNtvP3
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初めに売上ですが、四半期で見ると$545M(約545億円)、YoY+17%、営業利益は$135M(約135億円)でYoY+13%と、好調に二桁成長を続けています。

https://is.gd/3eCc6t
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有料会員の伸びを見ると、北米ではYoY+5%の457万人、北米以外のグローバルが前年同期比+26%で534万人まで伸びています。

合計で見ると一番右のグラフになり、赤い部分の Tinderの伸びが圧倒的に大きいのがご理解頂けるかと思います。つまり、マッチグループの成長を牽引しているのはTinderだということになります。

以下では、コロナ前後で、マッチングアプリの利用動向に変化が見られた点を、三つ取り上げてみたいと思います。

送信メッセージ数が増えたセグメントは?

初めに、送信されたメッセージの数を見てみると、このようになっています。

https://is.gd/3eCc6t
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このグラフはら2月29日を基準にした場合の増減率を表しているグラフです。青の、20代のメッセージ送信数が、早い段階から大きく伸びていることが読み取れます。

緑の、30歳以上の人のメッセージ送信数も増えていますが、青に比べると限定的だと言えるでしょう。

Social Distanceなどで、実際には新しい異性と出会って、物理的に会うというのは難しいにも関わらず、これだけメッセージ量が増えているというのは、やはり孤独で寂しいと感じた人が多かったからなのかもしれませんね。

マッチングアプリで最も「スワイプ」が増えたセグメントは?

次に、マッチングアプリの中で、スワイプをした回数がどの程度増えてるかを見てみます。

スワイプとはマッチングアプリの多くに採用されているアクションで、顔写真を見て興味があれば右にスワイプ、興味が無ければ左にスワイプというように、第一印象でどんどん画像をめくっていく操作を指します。スワイプ回数が多いほど、アプリ上でより多くのユーザーがアクティブであることになります。

https://is.gd/3eCc6t
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赤の実線に相当する、20代女性が最もスワイプ回数が増加する傾向にあり、その次に青の実線である20代の男性となっています。

不思議なことに30代に至っては、赤の点線である女性も、青の点線である男性も、コロナウイルスの初期にはスワイプ数が減少し、4月以降になって増加する傾向になっています。

なぜこのように年齢によって行動が異なったのか、少し考えてみたいと思います。

一つ目の仮説は、20代の方が自粛要請を真剣に受け取らずに、自粛要請期間であっても積極的にパートナー探しをしていたという可能性です。

もう一つの仮説は、30代の人はマッチング系アプリやオンラインに留まらずに、交友関係があったため、コロナウイルスの初期のタイミングではマッチングアプリでの交流に依存しなかったものの、4月に入るにつれ徐々に飽きてきて、更に孤独を感じるようになり、スワイプ数が増えてきた可能性があるのではないかと思います。

いつ頃からマッチングアプリを積極的に活用し始めた?

最後に、初めて有料プランに加入するユーザーがどのような推移をしているか、というのがこのグラフです。

https://is.gd/3eCc6t
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北米でも海外でも、Tinderでも全く同じトレンドなのですが、2月から3月にかけては有料会員に入るユーザーが減少し、3月から4月にかけて増加トレンドに入っているというのが興味深い点です。

考えられる理由としては、3月の自粛初期のタイミングでは、物理的に対面で会うことが難しいためマッチングアプリを利用するのを躊躇していたものの、4月になり孤独感が増したり、そろそろ自粛が解除されるモードになると、積極的にマッチングを求めて、有料で利用する人が増えていると言えるのではないでしょうか。

以上、コロナ前後でマッチングアプリの利用動向がどのように変わってきたのか、というのも、読み取れる範囲で読み解いてみました。

トレンドとしては、マッチングという行為自体も、いつまでも自粛しているわけにはいかないと感じているユーザーが多いのではないかというのが、一番印象的なデータでした。

これから自粛がいつまで続くのか分かりませんが、人間の本質的な欲望の一つではあると思いますので、まだまだ伸びしろがあるのではないかと思った次第です。

(余談)Match GroupのR&D開発比率は?

最後に、Match Groupの経営の安定性というのも、少し考察してみたいと思います。

https://s22.q4cdn.com/279430125/files/doc_financials/2020/q1/MTCH-1Q-2020-Earnings-Release_Final.pdf
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この表にあるように、R&Dに費やしているのは売上のたった8%に過ぎない、というのが、この会社の非常に特徴的な点です。

マーケティングに23%、一般管理費15%という数字から比べると、ソフトウェアの開発に費やしているが非常に少ないです。

 https://s22.q4cdn.com/279430125/files/doc_financials/2020/q1/Earnings-Letter-Q1-2020-vFFF.pdf
https://s22.q4cdn.com/279430125/files/doc_financials/2020/q1/Earnings-Letter-Q1-2020-vFFF.pdf

このグラフの右側にあるように、固定費が37%しかなく、費用のうち63%が変動費であるというのも、この会社の非常に大きな特徴です。

つまり、コロナウイルスやコロナショックのようなことが起こっても、固定費の割合が非常に小さいので、最悪、変動費を減らして利益を増やすことができる構造になっているというのが、マッチグループの強みだと言えるでしょう。

企業や社会の次の動きはすべて「数字」が物語っている――。アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、企業の決算情報から「次の一手」を読み解くコラム。経営者だけでなく、決算を基礎から学びたいビジネスパーソンや学生にも役立つ情報を届けます。

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