Q. 携帯キャリア4社の5Gビジネスの戦略とは?

A.

ドコモ: C(消費者)向けエンタメ領域中心とした、幅広いパートナー提携

KDDI: IoT技術中心とした、B(企業)向けソリューションや地方創生事業展開

ソフトバンク: 設備投資効率重視、MaaS領域プラットフォーム展開

楽天: ネットワーク仮想化による基地単価削減、楽天エコシステム拡大

この記事はHiroki Shigemuraさんとの共同制作です。Hiroki Shigemuraさんは、エンジニア、プロダクトマネージャーを経て、現在は複数のスタートアップ企業でデータサイエンティスト等を兼任されているデータ分析にもテクノロジーにも知見の深い方です。Hiroki Shigemuraさんのnoteはこちら。

いよいよ今年から5Gの実用化が予定されています。そこで本日は、4大キャリアのドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天の4社が、どのように5Gビジネスを展開していくのかを予想・分析したいと思います。

株式会社NTTドコモ「2019年度 第3四半期決算データ集」

ソフトバンク株式会社「2020年3月期第3四半期データシート」

KDDI株式会社「2020年度3月期第3四半期決算詳細資料」

楽天株式会社「2019年度通期及び第4四半期 決算短信」

業績比較

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初めに、各社の最新の業績を比較します。楽天を除く3社の業績は売上規模も営業利益率においても、ほぼ横ばい、横並びです。

通信事業の売上比率においては、ドコモ > KDDI >> ソフトバンク >> 楽天の序列です。改めて、楽天はチャレンジャーのポジションということが分かります。その分シェア拡大に成功したときのインパクトはとても大きいでしょう。

モバイル回線ユニットエコノミクス比較

次に、モバイル回線のユニットエコノミクスを比較します。(楽天はデータ非公開のため除く)モバイル回線は、スマホ、タブレット、フィーチャーフォン、MVNO等の回線を含みます。

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MRR(月次経常収益)、会員数を見るとドコモのシェアがNo.1です。

ソフトバンクはARPUが他社より低いですが、会員数成長率はNo.1です。Y!モバイルやLINEモバイルの低価格なプラン加入者を増やすことで、会員数のシェアを伸ばしています。

KDDIは最もARPUが高いです。高付加価値路線、クロスセルに成功しているとも言えますが、ARPUが高いのには、次の理由もあります。

・端末ではなく、同一名義人ベースで計算している。

・auプレミアムパス等のサービス料金も集計している。

資産比較

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5Gは多大な設備投資が必要なので、資産も比較します。

資産額は4社とも10兆円弱の資産があります。しかし、楽天、ソフトバンクの負債比率はかなり高いです。負債比率が低いほど、中期的に安定した経営が可能だと考えられます。つまり、資金力ではドコモ > KDDI >> ソフトバンク > 楽天の序列です。

詳しくは後述しますが、5Gの設備投資には各社数千億円単位が必要となるため、今後の設備投資額と5Gビジネスで重視する点は、各社の負債比率と密接な関連があると言えます。

5Gとはなにか?

各社の5G事業を語る前に、まずは5Gによるインパクトをおさらいしたいと思います。

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5Gより前の帯域幅は770MHzでした。5Gになることで新たに2,200MHzの帯域幅が割り当てられます。周波数が高いほど割当てられる帯域幅が多くなり、帯域幅の数字が大きくなるほど、伝達できるデータ量も増加し、高速化・大容量化が可能になります。

総務省「平成30年度携帯電話・全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果」

総務省「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果」

5Gは4Gよりも周波数が高いです。周波数が高いと、障害物の干渉に弱く、多くの基地局を設置する必要があります。一方で、一度により多くのデータを送れるメリットもあります。

4Gから5Gに帯域幅が広がることで、何がどのくらいスゴイかというと、、次の3つの変化が起こります。

・超高速=動画もサクサクダウンロード。約100倍の速さを実現。

・超低遅延=リアルライムで遠隔操作が可能に。タイムラグを感じない約10倍の低遅延に。

・多数同時接続=スマホ、PCなど今までの約数10倍のデバイスを同時に接続できます。

5G審査 周波数割当

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総務省「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果」

次に、各社のインフラ設備計画を比較します。

周波数の割り当て審査結果を見ると、ドコモ、KDDIが100MHz分多くの帯域幅を獲得しています。サブ6Ghz帯は、広範囲のデータ通信に用いられます。つまり、この2社はより多くの5G通信を提供することが可能です。

5G審査 基地局の展開計画

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総務省「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果」

各社が総務省に提出した、基地局の展開計画を見てみます。ドコモは設備投資額、全国基盤展開率が最多です。注目すべきは、圧倒的な屋内基地局設置数です。この点については後ほど解説します。

KDDIはドコモに次ぐ高い投資額となっています。また、屋外基地局設置数はドコモの3倍以上で最多、不感地域人口解消人数も最多であることが特徴です。不感地域人口解消人数とは、現在携帯電話の電波が入らない、もしくは非常に入りにくい地域の人口を5Gの導入によってどれだけ多く改善できるかを示しています。つまりドコモが展開しない人口の小さな地方にも基地局を設けるという計画です。

ソフトバンク、楽天は他の2社に対して投資額が大きく下回っています。両社の投資額は約2,000億円ですが、楽天はソフトバンクの2倍以上の基地局設置数を計画していることが特徴です。

では、具体的な各社の戦略について考察していきます。

この記事は、5Gビジネスの未来に興味がある方、5Gを用いた次世代技術(XR・IoT・MaaS等)に興味がある方、5Gビジネスへの投資を検討されている方に最適な内容になっています。

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・ドコモの5G戦略

・KDDIの5G戦略

・ソフトバンクの5G戦略

・楽天の5G戦略

・まとめ

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