Q. カウカモは中古住宅売買を1件仲介するといくらの売上になる?

A. 1取引あたり334万円の売上。テイクレートは7.33%です。

今日の記事では、2019年7月31日に東証マザーズに上場した「株式会社ツクルバ」を取り上げたいと思います。

ツクルバは、中古住宅の仲介サービス事業やITを活用したリノベーション、シェアードワークプレイス事業を展開している2011年に設立された企業です。

いくつかある事業の中から、急成長中の中古住宅の流通プラットフォームである「カウカモ」にフォーカスを当てて詳しく見ていきたいと思います。

株式会社ツクルバ 2019年7月期 決算説明会資料(2019年9月13日)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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初めにカウカモのサービス概要とビジネスモデルですが、この事業は中古住宅の売り手と買い手をマッチングするマーケットプレイス型のビジネスモデルになっています。

売主が物件情報をカウカモに掲載し、買主がその情報を閲覧して中古物件を買うことで手数料収入が生まれるというモデルです。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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こちらが年度別の売上です。2019年度の売上は約15億円で前年同期比約3倍になっており、売上の成長率が右肩上がりで指数関数的に大きくなっていることがよく分かるかと思います。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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来期の業績予想も40%成長となっており、まだまだ伸びしろが大きいと言えるのではないでしょうか。

ちなみにこの業績予想のスライドですが、スライドの下半分に、上振れ・下振れの要因となる可能性がある事柄がしっかり書かれていて、とても読みやすく好感が持てる決算資料だと思います。

中古住宅市場、リノベーション市場

中古住宅市場や、リノベーション市場のマーケットサイズを見ていきたいと思います。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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左側のグラフにある通り、中古住宅流通市場は2018年時点で1.6兆円もあり、マンションが大部分を占めています。

右側のグラフを見てみると、首都圏のマンションの流通件数は新築と中古の割合がほぼ同じ数までになってきています。中古住宅の中でも特に中古マンションの流通が増えてきているのではないかと思います。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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そして、この中古住宅流通市場の伸びというのは、今後も加速すると予想されています。

政府が既存住宅流通市場の倍増を目標にしているだけではなく、右側のグラフにある通り、日本はこれまで新築神話が大きかった市場ですが、今後は徐々に中古住宅にシフトしていくと考えられるというデータが示されています。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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中古住宅が増えていくにしたがって、築25年以上の古いマンションの比率が大きくなっていくので、リノベーションが当たり前の選択肢になるという説明は納得感があるのではないかと思います。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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現在カウカモの会員数は約10万人ですが、右側の図にある通り、首都圏全体で見ると中古住宅の購入を検討する人が100万人程度はいると考えられており、まだまだ伸びしろが大きい市場だといえます。

カウカモ売上総利益・急増の因数分解

ツクルバの決算資料は非常に読みやすく、内容も素晴らしいのでもう少しだけ詳しく見ていきましょう。

中でもこのスライドは大変分かりやすくて素晴らしいと思いました。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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財務KPIとしては「営業利益」が一番重要で、営業利益は売上総利益と営業利益率の二つで決まります。

さらにそれを事業KPIに分解すると、GMV(総流通金額)、 テイクレート(GMVに対する売上の割合)、 CPA(広告効率)、 営業生産性に分解できます。

さらに、GMVは会員MAU(月間アクティブ会員数)、MAU成約率、単価の3つに因数分解できると書かれています。

私の過去の記事でも、ラクスルやクラウドワークスの事例を挙げて、「因数分解スライド」を取り上げたことがありますが、ツクルバのこのスライドは2社に匹敵するレベルでとてもわかりやすい内容になっています。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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実際に売上総利益を因数分解したのがこちらのスライドになります。売上総利益が前年同期比+165%で伸びている背景は二つに分解できます。

一つ目は、会員MAUが+77%で伸びていると点で、もう一つは会員MAUあたりの売上総利益が+49%で伸びているという点です。この二つの掛け算が売上総利益全体の成長につながっているという説明がなされています。

 https://ssl4.eir-parts.net/doc/2978/tdnet/1751549/00.pdf
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ビジネスモデルとしてはこの図にあるようなマーケットプレイス型のモデルです。図の右側に記載されている通り、売主が増えると、欲しい住まいが増え、それによってユーザーが集まり、最終的に早く適切な価格で売れるという具合に、サイクルが変わっていくことになります。

インターネットやEコマースが登場した当初、「ネットで物など売れるはずがない」と言っていた人たちもいたと聞きますが、読者の方の中でも中古不動産がネットで売れるわけがないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんので、ここからはカウカモのビジネスのユニットエコノミクスを詳細に見てみたいと思います。

これらの数字を見れば、本当に不動産がネットで売れるということを理解できる方が増えるのではないかと考えています。

この記事は、マーケットプレイスビジネスに関心がある方、不動産ビジネスを担当されている方、高額商品をネットで売ることに関心がある方に役立つ内容になっています。

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・カウカモのユニットエコノミクス

・●●あたりのユニットエコノミクス

・■■あたりのユニットエコノミクス

・まとめ

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