Q. 世界最強のSaaSになり得るビデオ会議zoom、顧客あたりの売上は?

Q. 世界最強のSaaSになり得るビデオ会議zoom、顧客あたりの売上は?

A. 顧客あたりの年間平均売上は$5,074(約50万円)。

SaaS上場企業としては低~中程度。

先日取り上げたライドシェアビジネスを展開する「Lyft」をはじめ、今年のアメリカは大型のIPOが相次いでいます。

その中でも今回は、ビデオ会議ソフトウェアの「zoom」をSaaSで販売している、Zoom Video Communications Inc.を取り上げます。

https://zoom.us/
https://zoom.us/

zoomというソフトウェアを利用したことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には「Skype」などと同じように、ビデオ会議を行うためのソフトウェアです。

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1585521/000119312519083351/d642624ds1.htm
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1585521/000119312519083351/d642624ds1.htm

ビデオ会議といえば昔からあるSkypeをはじめ、最近ではiPhoneに標準搭載されている「フェイスタイム」など、競合がひしめくレッドオーシャンのように見えます。

その中でzoomが支持されている最大の理由は、接続が切れにくく安定しているフトウェアだという点に尽きるのではないでしょうか。

さらに、Skypeのように会議の参加者全員がIDを取得する=事前登録の必要がありません。参加者は事前にソフトをインストールしておけば、ホストが設定した会議のURLをクリックするだけで、会議を始めることができる手軽さも普及に一役買っていると思います。

私自身も、最近ではほとんどのビデオ会議をzoomで行うようになっており、他のビデオ会議ソフトウェアは使わなくなりました。

https://zoom.us/pricing
https://zoom.us/pricing

ビジネスモデルとしてはフリーミアム型で、無料で利用することができます。

三人以上が参加するグループ会議を40分以上開催したい場合は、有料プランに契約する必要があります。

有料プランもここにあるように決して高いわけではなく、一人当たり月間15ドル(約1,500円)程度から契約できる形になっています。

それでは決算を詳しく見ていきましょう。

ZOOM VIDEO COMMUNICATIONS, INC. FORM S-1(2019/3/22)

今回も、SaaSといえばこの人!Redpointのベンチャーキャピタリストのトーマスさんの分析も交えながら解説していきたいと思います。

BENCHMARKING ZOOM'S S-1:HOW 7 KEY METRICS STACK UP

驚異の売上成長率!YoY+119%、売上は$331M(約331億円)

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1585521/000119312519083351/d642624ds1.htm
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1585521/000119312519083351/d642624ds1.htm

はじめに売上と営業利益を見ていきたいと思います。この会社はアメリカでは非常に珍しく、1月末が決算期となっています。

(日本の会社は3月末の決算が多いですが、アメリカは多くの会社が12月末の決算期です。)

2019年度(2018年2月~2019年1月)の売上は$331M(約331億円)で前年同期比+118%、つまり2倍以上で成長しています。この規模のビジネスでこのペースで成長できるのは本当にビジネスが強い証拠だと言えるでしょう。

https://tomtunguz.com/benchmarking-zoom-s-s-1-how-7-key-metrics-stack-up/
https://tomtunguz.com/benchmarking-zoom-s-s-1-how-7-key-metrics-stack-up/

SaaSの上場企業の成長率を並べてみると、zoomの成長率がSaaS企業を圧倒していることが読み取れます。

そして、この会社が他の大規模IPOと決定的に違うのは、「既に黒字になっている」という点です。

2019年度は$7.6M(約7億6,000万円)の利益を出しています。

https://tomtunguz.com/benchmarking-zoom-s-s-1-how-7-key-metrics-stack-up/
https://tomtunguz.com/benchmarking-zoom-s-s-1-how-7-key-metrics-stack-up/

こちらは上場しているSaaS企業の純利益率を比較したグラフです。

余談ですが、こちらのグラフはアメリカの市場で「ティッカー」と呼ばれる日本の「証券コード/証券番号」に当たるアルファベットで記載されています。

それぞれの社名や、提供している特徴的なサービスなどから2文字~4文字のアルファベットを使って表しています。

このグラフでは、ZMはzoom、TEAMはAttlasian、FLTXはFleetmatics、TWLOはTwilio、ZENはZendesk、HUBSはHubspot、NEWRはNw Relicを表しています。

ご覧いただける通り、利益が出ているのはzoomとAtlassianの2社だけです。

以下では、「zoomのここが凄い!」というポイントを三つに分けて紹介したいと思います。

以下の三つのポイントは、いずれも有力なSaaS企業であればどの会社でも当てはまるポイントではあります。しかし、その中でも特に最初の2つのKPIはあまりにも素晴らしく、Atlassianと並んで世界最強の産業になりうるポテンシャルが非常に大きいと言えるのではないかと思います。

この記事は、SaaSビジネスを展開されている方、継続課金ビジネスのKPIを勉強したい方、投資家がSaaSビジネスをどのように評価するのか知りたい方に最適な記事になっています。

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