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年末・年始に読んだオススメ書籍5選

年末に書評記事を書いたところ、大きな反響を頂き、ぜひ継続的に書評を書いて欲しいと言われましたので、今回も書籍の紹介をしてみたいと思います。

私は普段はあまり本を読まないのですが、年末年始は時間があったこともあり、とても多くの日本語の本を読みました。

その中でも特にお薦めしたい本を、5冊に絞って紹介したいと思います。

既に仕事始めが済んでしまっている方もいらっしゃるかと思いますが、是非お忙しい中でも本を読んで、定期的に知識を蓄えていくことをお勧めします。

尚、著者の方のお名前は全て敬称略とさせて頂きます。

第5位: 私の財産告白(本多静六)

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「私の財産告白」と称したこの本は、学者であった本多静六氏の、財産形成におけるプロセスを言語化したものです。

読んでみれば分かりますが、非常に基本に忠実な、資産形成の王道のような戦略を採っていることがよく分かり、改めて基本の大切さを痛感した次第です。

第4位: あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか? 奇跡を起こすブランドポジションのつくり方(上阪徹)

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日本を離れてしばらく経つので、明治大学がこんなにも成長しているとは知りませんでした。明治大学がどのようにしてブランディングを強化し、学生にとって魅力的な大学になっていったのか、というプロセスを紹介した本です。

少子化という、非常に厳しいダウントレンドなマーケットの中で、更に、大学という非常に保守的な組織の中で、これだけの短時間でこれだけの大きな改革が出来るのだと、勇気をもらいました。

マーケティングに関心がある方、大きな組織の動かし方を知りたい方に、是非オススメしたい一冊です。

第3位: 仕事と家庭は両立できない? 「女性が輝く社会」のウソとホント(アン=マリー・スローター)

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この本は以前から読みたかったのですが、なかなか電子版が出なかったため、発売から随分時間が経ってしまいました。

日本では働き方革命が叫ばれていますが、この本に書いてあるのは、働く女性のリアルな姿とリアルな葛藤です。

キャリアと家庭の二つをどのように両立させていくのか、というのは、女性だけではなく、男性にとっても永遠のテーマであると思います。現実に起こりうるあらゆる矛盾、そしてその矛盾を経験したからこそ書ける、リアルな提言が書いてある本です。

キャリアを大切にしたい女性だけではなく、そういった女性と前向きに関わっていきたい男性にも、強くお勧めしたい一冊です。

第2位: ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へ(三枝匡)

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三枝氏の本は以前から何冊か読んだことがありますが、この本は小説ではなく、ミスミという会社で実際に起こった、三枝氏が実際に起こした経営改革の内容そのものになります。

成功事例だけではなく失敗事例も詳細に記述してあり、またその時々で経営者が一体何を考えていたのか、という、心理的な記述も詳細にあり、あっという間に読み終わってしまいました。

ミスミというオーナー企業を引き継いでグローバル企業に育て上げる過程はユニークなものかもしれませんが、彼の経営手法そのものは非常に汎用的で、他の企業でも応用が利くものではないでしょうか。

経営というものにいつか携わってみたいと思う方に、強くお勧めします。

第1位: 江副浩正(馬場 マコト)

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リクルートの創業者である、江副氏の生涯を記述した本です。

江副さんと言うとリクルート事件の悪いイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、個人的には、オーナーが去った後もアントレプレナーシップを失わずに成長を続けるリクルートという会社に、とても大きな敬意を抱いています。

リクルートの仕組みを解説する本はこれまで何冊かありましたが、この本で決定的に違うのは、江副さん個人にフォーカスを当て、彼にとって不都合な事実も多く記載されている点に尽きます。

例えばリクルート事件後に、江副さんの持株をダイエーに引き取ってもらうシーンがありますが、その裏では、江副さんの影響力を低下させたいという以上の理由があった、ということは、この本を読むまで知りませんでした。

個人的には、江副さんは戦後最大のアントレプレナーの一人だと思いますので、起業や起業家に興味がある人にはぜひ読んで頂きたい一冊です。

番外編: 人生の作戦会議 なんでも解決しちゃう女、王生際ハナコ(下田 美咲)

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cakesでの人気連載が書籍化されました。

人生いろいろ上手く行かないなと思うこともあるかもしれませんが、この本にある例のように、悪い状況に見えても、見方を変えるとポジティブに見ることもできる、というケースがたくさん出てくるとても勇気がもらえる一冊です。

心理学的には「認知バイアス」をいかに捨てるか、いかにアンラーニングするか、という点でとても勉強になりました。全ての物語がとても具体的なストーリーで、すごく読みやすい一冊に仕上がっています。

企業や社会の次の動きはすべて「数字」が物語っている――。アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、企業の決算情報から「次の一手」を読み解くコラム。経営者だけでなく、決算を基礎から学びたいビジネスパーソンや学生にも役立つ情報を届けます。

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