日頃、テキパキとプレゼンのスライドを

作っている人が、本の執筆を頼まれました。

編集者に渡す前に「ちょっと文章を見てよ」と

言われて、ざっと読んでみたのですが。

どこかスカスカで、論理がつながらない。

それでいて「ここぞ」という強調点は

妙に肩に力が入っています。

要するに、思いばかりが勝っているのです。

プレゼンスライドを使って説明をすることは

動画を作ることに似ています。

いいかえれば、プレゼンスライドのための

文章は脚本に近いのでしょう。

画面が切り替わることで

前のスライドと少し距離があっても

何となく、見ている人は納得します。

映画でシーンやカットが変わったときと同じ。

論理的につながらなくても話は分かります。

ところが、一冊の本を書くとなると

前の節と次の節は、きちっと

文脈を整える必要があります。

良い文章は、ブロックでお城を作るように。

昔、ある人に教わったことです。

難しい言葉や凝った言い回しは

必要ありません。平明な言葉を

ブロックのようにカチッカチッと

積み上げていきましょう。

最後に作りあげるお城のイメージを

しっかりと考えながら積み上げます。

つまり、自分の主張の全体像を考えながら

言葉のブロックを組み立てるのです。

情緒やイメージで逃げてはダメ。

面と向かってのプレゼンでは

映像と言葉の言い回しで伝わることも

本の中では浮いてしまうのです。

それがスカスカ感を与えます。

その執筆者は指摘したポイントを

一瞬で理解しました。

第二稿は、素晴らしい出来でした。