「オレゴン州の警察が犯人逮捕やデモ制圧などに使用するかもしれません」

米国オレゴン州に住む58歳の男性ティクホン・アンドリュー・ギルソン氏は、オレゴン州の州務長官にキラーロボットの使用禁止を訴える嘆願書を提出した。ギルソン氏は「キラーロボット反対法(Anti-Combat Robot Act)」と呼んでいる。ギルソン氏はAI(人工知能)技術の発展によって「キラーロボット」と呼ばれる自律型殺傷兵器が開発され、使用されるようになることを懸念して、オレゴン州でのキラーロボットの使用を禁止する必要があると考えて嘆願書を提出

「現在、開発や試験が行われているキラーロボットがこれから先の将来に使用される懸念があります。アメリカ軍が戦争において使用するかもしれないし、オレゴン州の警察が犯人逮捕やデモ制圧などに使用するかもしれません。キラーロボットは無制限に人を傷つけたり、殺したりします」とコメント。

このような嘆願書は誰でも提出することができるが、受領されて法案化されるとは限らない。ギルソン氏はこれから署名を集めていきたいと地元メディアのKOIN 6 Newsに語っていた。同メディアではオレゴン州上院議員のピーター・コートニー氏、オレゴン州下院議員で広報官のティナ・コテック氏に、オレゴン州のキラーロボット禁止に向けた法案化の実現性を取材したが、期日までに回答がなかったとのこと。

2021年12月にスイスのジュネーブで国連の特定通常兵器使用禁止制限条約(Convention on Certain Conventional Weapons: CCW)の会議が開催されており、自律型殺傷兵器について議論されていた。AI(人工知能)技術の発展とロボット技術の向上によって、軍事でのロボット活用は進んでいる。戦場の無人化が進むとともに「キラーロボット」と称される人間の判断を介さないで攻撃を行う自律型殺傷兵器が開発されようとしている。

人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOや世界30か国が自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。ロシアやアメリカ、イスラエルなどは反対していないので、このように積極的に軍事分野での自律化を推進しようとしている。実際にすでにリビアで使用された可能性があると国連も報告している。アメリカ政府や国防総省はAI技術の軍事への活用には積極的である。

CCWでも一致した結論は出ずに「これからも自律型殺傷兵器の開発や使用については継続して協議をしていく」こととなった。このような草の根の市民社会からの一個人の活動もキラーロボット開発と使用禁止に向けてはとても重要だ。