インド軍 量子コンピュータとAIの研究所設立:AI技術で優位な中国の脅威に対抗
インド軍は2021年12月に量子コンピュータとAI(人工知能)の研究所をマディヤ・プラデーシュ州のムホウに設立した。この研究所では軍事分野での量子コンピュータとAI技術の活用の研究とトレーニングを行っていく。特に暗号化技術に注力していく。またサイバー戦争に備えてサイバーセキュリティに関するトレーニングも行う。
AI技術は軍事分野でも多く活用されており、インドだけでなくアメリカ、ロシア、中国などでもAI技術を軍事に積極的に活用している。兵器の自律化も進んできている。2021年1月15日にデリーでインド国民軍の軍事パレードが開催され、その軍事パレードの中でAIを搭載した75機の徘徊型の自律型攻撃ドローンが初めて上空を飛行するところが披露された。人間の判断を介さないでAI技術を搭載した兵器自身が判断して標的に攻撃を行うことが非倫理的であると国際NGOや世界の30か国が自律型殺傷兵器の開発と使用に反対を訴えている。当然インドは自律型殺傷兵器の開発と使用には反対していない。
特に中国と対立しているインドとしてはAIとロボットの開発力に優れている中国は脅威であり、自国でのAI技術の開発力の強化は必須である。2021年12月には中国がインドとの国境にロボット警備を設置したとインドのメディアが報じていた。インドとしても研究だけでなく「すぐに実戦で使えるAI技術」の開発をして中国やパキスタンなどと対峙していく必要がある。
▼インド陸軍の最高司令官の陸軍幕僚長が研究所を訪問