AI技術の発展とロボット技術の向上によって、軍事でのロボット活用は進んでいる。戦場の無人化が進むとともに「キラーロボット」と称される人間の判断を介さないで攻撃を行う自律型殺傷兵器が開発されようとしている。

2020年3月にリビアでの戦闘で、トルコ製の攻撃ドローンKargu-2などの攻撃ドローンが兵士を追跡して攻撃を行った可能性があると、国連の安全保障理事会の専門家パネルが2021年3月に報告書を発表していた。兵士が死亡したかどうかは明らかにされていない。神風ドローンのオペレーションは人間の軍人が遠隔地で操作をして行うので、攻撃には人間の判断が入る。攻撃に際して人間の判断が入らないでAI(人工知能)を搭載した兵器自身が標的を判断して攻撃を行うものは自律型殺傷兵器(Lethal Autonomous Weapon Systems:LAWS)と呼ばれている。実際の紛争で自律型殺傷兵器で攻撃を行ったのは初めてのケースであると英国のメディアのインディペンデントは報じていた。

人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOや世界30か国が自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。そして2021年12月にはジュネーブで特定通常兵器使用禁止制限条約のハイレベル会議が開催されるが、アメリカ政府代表のジョシュ・ドロシン氏は自律型殺傷兵器の開発や使用を禁止することには反対すると英国メディアのガーディアンが報じていた。つまりアメリカ政府としては軍事分野でのAI技術の活用をこれからも積極的に進めて自律型殺傷兵器を開発していき、必要に応じて戦場でも利用することを明らかにしている。

アメリカ政府代表のジョシュ・ドロシン氏は「私たちアメリカ政府の見解としては(国際法などで兵器の開発や使用が制限される)行動規範に縛られるものではない(non-binding code of conduct)」とコメントしている。インドもアメリカの意見を強く支持しており、国際人道法などによって自律型殺傷兵器の開発や使用を禁止されることを強く反対している。

人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOや世界30か国が自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。だがロシアやアメリカ、イスラエル、インドや欧州諸国などは反対していないので、このように積極的に軍事分野での自律化を推進しようとしている。中国は使用には反対しているが開発には反対していない。

国際NGOで自律型殺傷兵器の開発や使用に反対を訴えている「ストップ・キラーロボット・キャンペーン」のクレア・コンボイ氏は「アメリカは人間の生死を人間が判断するという人類の歴史においても重要な決断についてしっかりと考えるべきです」と訴えていた。