「SNSで反ユダヤ主義が世界規模で拡散されることは非常に恐ろしい状況です」

スウェーデンのマルメで2021年10月に、スウェーデンでのホロコースト・ジェノシド会議の20周年を記念した会議が開催された。今回の会議のテーマは、ソーシャルメディア(SNS)における反ユダヤ主義の拡散についてだった。

スウェーデンのステファン・ロベーン首相も参加。世界中の著名人が参加した。イスラエルのディアスポラ大臣のナフマン・シャイ氏は「SNSで反ユダヤ主義が投稿されて、あっという間に世界中に拡散されてしまっています。誰もが好きなことを勝手に投稿できるSNSでの反ユダヤ主義の拡散は、とても危険な状況です」と訴えていた。

ドイツの欧州問題担当大臣のミヒャエル・ロート氏は「SNSで反ユダヤ主義が世界規模で拡散されることは非常に恐ろしい状況です」と、最近もまたドイツでおきた反ユダヤ主義の攻撃を例にして語っていた。

他にもイスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、フィンランド、ラトビア、北マケドニアの大統領、アルバニア、エストニアの首相もオンラインで参加。さらにフランスのマクロン大統領、ユダヤ系のアメリカのブリンケン国務長官もビデオメッセージで参加して、SNSでの反ユダヤ主義の拡散の防止を訴えていた。

SNSには大量の反ユダヤ主義の隠語による投稿

世界的にもまだ根強い反ユダヤ主義でホロコースト否定や反ユダヤ主義に関するSNSへの投稿は多い。Facebookやツイッターなどはホロコースト否定や民族憎悪に関する投稿は禁止されており、投稿が発覚すると削除される。露骨にホロコースト否定や反ユダヤ主義に関する内容であれば、すぐに削除もできる。だが、そのようなわかりやすい投稿はすぐに削除されるので、隠語や仲間内でしかわからないような言葉、新しい表現などで投稿されることも多く、全てのホロコースト否定の投稿を削除することは容易ではない。例えば「あんなことはなかった」といった文脈からでしか推測できないような表現が多く、そのような投稿をSNSから削除していくことは至難の業である。

第二次世界大戦時にナチスドイツが約600万人のユダヤ人を殺害した、いわゆるホロコースト。例えば「6MWE」とSNSに投稿されているが、これは「6 Million Was not Enough」の略称で、反ユダヤ主義者からは「600万人では足りなかった」ということで、つまりもっと多くのユダヤ人が殺害されていればよかったということをSNSで表現している。

また、「88」というのを反ユダヤ主義の投稿で見かけるが、これはナチスドイツの総統だったヒトラーを称える「ハイル・ヒトラー」のことである。「Heil Hitler」(ハイル・ヒトラー)の頭文字「H」がアルファベットで8番目であることから、「88」で「ハイル・ヒトラー(Heil Hitler)」を表している。説明されないと何のことか、理解しがたいかもしれないが、ネオナチの隠語で、反ユダヤ主義の強い欧米では、ユダヤ団体のSNSなどに「88!」が書き込まれており、すぐに削除されている。日本ではSNSなどで「888888・・」と書いて拍手(拍手のパチパチの擬音語)を表現することがあるが、欧米では「ハイル・ヒトラー」の連呼の隠語である。このようなホロコースト否定や反ユダヤ主義の隠語が次から次に考え出されてはSNSで投稿され、拡散されている。

▼スウェーデンでの会合の様子

写真:ロイター/アフロ

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