オランダの若者、ワクチン接種を強要する政府をナチスに例えてヒトラーとナチスの衣装で抗議・炎上・謝罪
ワクチン接種を強要する政府をナチスに例えて抗議
オランダで新型コロナウィルス感染対策のワクチン接種の義務化に反対する若者たちが反対の意思を表明するためにナチスドイツのヒトラーとナチスの制服を彷彿させる衣装を着て抗議していた。このようなデモは欧米ではよく見かける。そして、ワクチン接種に反対する人たちはナチスドイツの支配下にあったユダヤ人がつけさせられていた黄色い星を着用してデモに参加することが多い。
欧米ではワクチン接種を希望している人も多いが、政府からワクチン接種を強制されること、レストランなどに入る際にワクチンパスポートの提示の義務化に反対している人も多い。黄色い星を着用してデモに参加する人たちは、ナチスドイツ時代にユダヤ人に強制的に着用させた黄色い星で、ユダヤ人を差別・迫害していたように、ワクチン接種を受けていない人に対して「ワクチンを接種していない」ことが外見からもわかるようにバッチをつけさせられることを懸念して、このようなデモや抗議運動が多く行われている。
そして、今回オランダでは、黄色い星の着用を義務付けたナチスドイツに例えていた。ナチス総統だったヒトラーとナチスの制服を彷彿させる衣装を着て抗議をしていた。ワクチン接種を強要する政府や自治体はナチスドイツと同じであるということを表していた。
欧米では「ロックダウンで外出が制限されたり、マスクの着用を義務付けられたり、ワクチン接種を強要させるといった、不自由な生活=ホロコースト時代のユダヤ人がゲットーに閉じ込められて迫害された不自由な生活」、「政府による強制的なロックダウンやマスク着用、ワクチン接種=ナチスドイツの全体主義」というイメージを持つ人が多い。そして欧米では新型コロナウィルスのパンデミックの不自由な状況やマスク着用の義務化、ワクチン接種の強制をホロコーストに例えるたび、当時のユダヤ人の悲惨な境遇や生活とは異なると、「ホロコーストに例えることは犠牲になったユダヤ人に失礼だ」「迫害されていたユダヤ人とは状況が違う」などと言われていつもネットで炎上している。
そして今回はナチスドイツとヒトラーを彷彿させる衣装ということで、さらに炎上していた。オランダはナチスドイツに侵攻されて、オランダにいたユダヤ人は差別迫害され、強制収容所に移送されて、多くのユダヤ人が殺害された。アンネ・フランクもオランダのアムステルダムの隠れ家に潜んで生活をしていた。その時に書いていた日記は後世のベストセラー「アンネの日記」である。このような歴史的な背景からもオランダではナチスに対して嫌悪感が非常に強い。そしてホロコーストの犠牲者に対して失礼ということであまりにも炎上していたため、謝罪していた。
オランダのユダヤ人でホロコースト生存者のルース・セテンフイス・ホーペルマン氏はホロコースト時代に、オランダのウェストボルグやドイツにあったベルゲンベルゼンなどいくつもの強制収容所を転々とさせられていた。少年たちはそのホーペルマン氏にも謝罪していた。
今でもとてもセンシティブなナチスとヒトラー
ナチスドイツやホロコーストに関してはとてもセンシティブな問題である。特にナチスドイツやヒトラー礼賛やナチス式の敬礼などはドイツなどいくつかの欧州諸国では法律で禁止されていて、犯罪である。
さらにユダヤ人団体も敏感である。東京五輪の関係者が過去にホロコーストを揶揄したパフォーマンスをしていたということで、抗議文を発表していたサイモン・ウィーゼンタール・センターは2016年10月に日本のアイドル欅坂46がナチス風の衣装を着てコンサートを行った際にもプロデューサー秋元康氏とソニー・ミュージックに対して強い怒りを露わにし、謝罪を要求していた。また2018年11月には、韓国の男性タレントグループ「BTS(防弾少年団)」がナチスドイツ時代のナチス親衛隊(SS)のシンボルマークがついた帽子をかぶっていたり、コンサートでナチス親衛隊を想起させる旗を掲げていたとして抗議文を発表していた。
▼ナチスとヒトラーの衣装でワクチン接種に抗議
▼1940年の独仏休戦協定でのヒトラーとナチス幹部