「ワクチン接種していない人はナチス時代のユダヤ人のように胸にバッチを着用させられることは正しい」が大炎上、謝罪

米国アラバマ州のベスタビア・ヒルズという町の政治家のキンバリー・クック氏が新型コロナウィルスによるワクチン接種の政策について、ホロコースト時代のナチスドイツの政策に例えて炎上していた。

Facebookに「近いうちに、私たちも胸ポケットに金色の『U』をつけさせられます。ナチスドイツのユダヤ人のバッチのように」と書かれて、ナチスドイツ時代に迫害されて、黄色い星を着用させられていたユダヤ人のモノクロの写真が掲載されていた。この投稿に対して、クック氏が「まさにその通りです!」と投稿していた。『U』のバッチとは「ワクチン未接種」の単語「Unvaccinated」の頭文字を指して、ワクチンをまだ接種していない人を外見から区別するためのバッチを表現している。

欧米ではワクチン接種を希望している人も多いが、政府からワクチン接種を強制されることに反対している人も多い。ナチスドイツ時代にユダヤ人に強制的に着用させた黄色い星で、ユダヤ人を差別・迫害していたように、ワクチン接種をしていない人に対して「ワクチンを接種していない」ことが外見からもわかるようにバッチをつけさせられることを懸念して、このような投稿が多くされている。

欧米では「ロックダウンで外出が制限されたり、マスクの着用を義務付けられたり、ワクチン接種を強要させるといった、不自由な生活=ホロコースト時代のユダヤ人がゲットーに閉じ込められて迫害された不自由な生活」、「政府による強制的なロックダウンやマスク着用、ワクチン接種=ナチスドイツの全体主義」というイメージを持つ人が多い。

そして欧米では新型コロナウィルスのパンデミックの不自由な状況やマスク着用の義務化、ワクチン接種の強制をホロコーストに例えるたび、当時のユダヤ人の悲惨な境遇や生活とは異なると、「ホロコーストに例えることは犠牲になったユダヤ人に失礼だ」「迫害されていたユダヤ人とは状況が違う」などと言われていつもネットで炎上している。

ネットでもあまりに炎上して抗議のコメントが多かったことから、クック氏は地元メディアで、この投稿に対して「完全に間違っていました。攻撃的なコメントでした。申し訳ございません。ホロコーストの歴史の重要性を改めて考えています。ホロコーストとコロナ政策の比較は全くの間違いです」と謝罪して、投稿を取り消していた。

ホロコースト時代に差別標的のために黄色い星を着用させられたユダヤ人

第二次世界大戦の時に、ナチスドイツが約600万人のユダヤ人を殺害した、いわゆるホロコースト。黄色のダビデの星はナチスが政権を握った国や地域では、ユダヤ人を差別迫害し隔離するために、ユダヤ人には人々の目に見えるように衣服に黄色い星を縫い付けさせた。黄色は欧州では呪われた色だった。

特に西欧諸国では外見からはユダヤ人を見分けるのは困難だったため、黄色い星が縫い付けられた服を着用しているのがユダヤ人の証で、黄色い星をつけたユダヤ人は公共の場所や映画館、公園、店舗などに入ることも禁じられた。そして黄色い星は「この人はユダヤ人なので殴ったり、嫌がらせをしたりしても構わない」とわかりやすくするためのものだった。またアウシュビッツなどの収容所に貨車で移送されたユダヤ人の荷物の選別をしていた囚人は、ユダヤ人が持ってきたトランクから衣類を取り出して、それらに縫い付けられている黄色い星を剥ぎ取る仕事をしていた。黄色い星を剥ぎ取られた衣服はユダヤ人を移送してきた貨車に載せられて、戦中で物不足のドイツに送られ一般市民の古着として活用された。

▼クック氏のFacebookでの投稿

(クック氏のFacebookより)
(クック氏のFacebookより)