Yahoo!ニュース

ロシア 軍事ドローン「Orion」大量生産し2022年から輸出へ:台頭するトルコの軍事ドローンに対抗

佐藤仁学術研究員・著述家
軍事ドローン「Orion-E」(Kronshtadt提供)

ロシアの軍事企業のKronshtadtが開発している軍事ドローン「Orion-E」を2022年から大量生産して輸出していくと地元メディアのRIAノーボスチやスプートニクが報じていた。同機はシリアでも監視用とテロリストへの攻撃用として活用されていた。海外のバイヤーからの注目も高く、監視用ドローンとしての需要も高い。

攻撃用の軍事ドローンは「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンが「神風」を名乗るのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。「神風ドローン」の大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。ドローンはコストも高くないので、大国でなくとも購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人が傷つくリスクは低減されるので有益である。

対ロシア防衛で注目度の高いトルコの軍事ドローンに対抗

軍事ドローンではトルコのバイカル社が製造している軍事ドローン「バイラクタル TB2」も海外からの注目度が高い。

特にNATO諸国のポーランドとラトビアがトルコの軍事ドローン「バイラクタル TB2」を購入して、対ロシアの防衛を強化している。ロシアと対峙しているウクライナにも軍事ドローンを提供しており、ロシアにとっても大きな脅威になっている。

トルコは世界的にも軍事ドローンの開発技術が進んでいる。アゼルバイジャンやウクライナ、カタールにも提供している。2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突でもトルコの攻撃ドローンが紛争に活用されてアゼルバイジャンが優位に立つことに貢献した。

軍事ドローンが紛争において新たな兵器として活用されようとしている。そのような中でトルコの軍事ドローンのプレゼンスが非常に高く、ロシアとしてもトルコの軍事ドローンに対抗して存在感をアピールしたいところだ。

▼Orion-E紹介動画

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事