ポーランドはトルコからトルコの軍事企業が製造した攻撃ドローンの「バイラクタル TB2」を24機購入することをトルコのエルドアン大統領が明らかにした。トルコから攻撃ドローンを購入するのはNATO加盟国でEU諸国では初となる。ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領がトルコを訪問していた際に購入の署名をした。2022年までにポーランドに納品される。

トルコのエルドアン大統領は記者会見で「トルコは軍事ドローンの製造に関してはベストの国の1つです。我々の軍事ドローン技術や使用の経験をNATO加盟国のポーランドに提供することができて嬉しいです。トルコがNATOとEUに加盟している国に軍事ドローンを提供するのは初めてになります」と語っていた。

エルドアン大統領が述べているようにトルコは世界的にも軍事ドローンの開発技術が進んでいる。アゼルバジャンやウクライナ、カタールにも提供している。2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突でもトルコの攻撃ドローンが紛争に活用されてアゼルバイジャンが優位に立つことに貢献した。またロシアと対峙しているウクライナにも軍事ドローンを提供しており、ロシアにとっても大きな脅威になっている。

非対称な戦いが可能へ

攻撃ドローンは「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンが「神風」を名乗るのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。

トルコと軍事的に友好な関係のある欧州の国としてアルバニア、ベラルーシ、英国、チェコ、ハンガリー、ブルガリアなどがあるが、これらの国々も今後、トルコからの軍事ドローンを購入する可能性もある。

特にロシアにとっては周辺の中小国が攻撃ドローンを大量に導入することは脅威である。NATOおよびEU加盟国で初めてトルコから軍事ドローンを購入したポーランドの標的は明らかにロシアである。「神風ドローン」の大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。ドローンはコストも高くないので、大国でなくとも購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人が傷つくリスクは低減されるので有益である。そして軍事ドローンを活用すればポーランドのような中小国であってもロシアのような大国に対して非対称な戦いが可能となるため、抑止力にもなり、バランスオブパワー(勢力均衡)を変える可能性がある。