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イスラエルとハマスの空爆戦にも活用される神風ドローンによる襲撃

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

イスラエルとハマスの軍事紛争が続いている。イスラエルの地元メディアの報道によると、ハマスは「Shehab」と呼ばれるイラン製と思われる神風ドローンで攻撃と空爆を行っている模様。またイスラエル空軍も、ガザ地区にあるハマスの攻撃ドローンの基地を空爆したことを報告している。

攻撃ドローンは「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンが「神風」を名乗るのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。

2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突でもトルコやイスラエルの「神風ドローン」が紛争に活用されていた。「神風ドローン」の大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。また、ドローンは製造コストも高くないので、大国でなくとも大量に購入が可能であり、攻撃側は人間の軍人が傷つくリスクは低減されるので有益である。

ロシアやトルコなど周辺諸国でもイスラエルとハマスの紛争で神風ドローンが活用されて空爆戦を繰り広げている様子は詳細に報じられており、その攻撃力と相手へのダメージ、および迎撃について関心の高さがうかがえる。

▼ハマスの攻撃ドローンを紹介するイスラエルのメディア

▼ハマスの神風ドローンによるイスラエルへの攻撃を報じるトルコのメディア

▼イスラエル空軍がガザ地区の攻撃ドローン基地を襲撃したことを報告

▼ハマスの攻撃ドローンによるイスラエルの空爆を伝えるイギリスのメディア

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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