英国チェルシーFCら、ヘイトスピーチを放置・拡散するSNSへ抗議:5月4日までSNS利用をボイコット
イギリスのフットボールチームのチェルシーFCは、ザ・フットボール・アソシエーション(The FA)、プレミアリーグらと協力して2021年4月30日15時(イギリス時間)から5月3日23時59分までソーシャルメディア(SNS)利用のボイコットを開始した。
チェルシーFCらはSNSで拡散されているヘイト・スピーチ、民族憎悪、反ユダヤ主義、白人至上主義などの人種や民族、性別による差別的な投稿が削除されずに放置されており、そのような差別的な発言の投稿がSNSで世界中に拡散されていることに対して抗議の意思表明を行った。そして4月30日から5月3日までのSNS利用のボイコットを行っている。
チェルシーFCのヘッドコーチのトーマス・トゥーチェル氏は「私たちができることをすることは、とても重要なことであり、行動を起こすべきです。SNSでは誰もが発言できますが、誰もあなたのことを知りません。SNSが悪用されていることが大きな問題です。そのためにも私たちは自分達ができることをします」とコメントしている。またマネージャーのエマ・ハイス氏は「SNSで匿名で差別的な発言や投稿を繰り返す見えない人との戦いを終わりにする時がやってきました。全てのフットボールチームで一致団結して、あらゆる差別をなくしてくために戦っていきます」と語っていた。
イギリスのチェルシーFCだけでなく、欧州の多くのフットボールチームの競技場でのヤジでもヘイトスピーチに関するものが多い。そしてSNSでも民族、人種、性別などでの差別的な投稿が目立っている。特に欧州では反ユダヤ主義が今でも根深く残っており、反ユダヤ主義やホロコースト否定に関するヘイトスピーチや、他にも黒人、ムスリムへの差別的な発言が多い。
FacebookやツイッターなどSNSを運営している企業ではヘイトスピーチや民族憎悪に関する投稿は禁止しており、発見したら削除している。だが露骨な民族憎悪やヘイトスピーチはすぐに削除されてしまうので、隠語などで表現して仲間内にしかわからないような表現で投稿していることも多い。そのため、AIなどを導入しても機械的には検知されにいくい表現の投稿は削除されずに長年にわたって放置されていることも多い。
▼チェルシーFCのツイッターでもSNSボイコットを宣言。