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オランダ軍 イスラエル製の迎撃ドローン銃でドローン撃墜訓練をオーストリアの山岳地で実施

佐藤仁学術研究員・著述家
オランダ軍の迎撃訓練(DGLC Koninklijke Landmacht)

 オランダ軍はオーストリアの山岳地でドローン撃墜の訓練を実施。ドローン迎撃の銃はイスラエルのSmart Shooterが開発した「SMASH」を使用した。オーストリアの山岳地で悪天候な条件や複雑な地形で2日間のドローン撃墜の訓練を行い、200メートル上空を飛行する67機のドローンをオランダ軍の軍人が迎撃した。1つのドローンを3発で撃墜できる。

 軍事で活用されるドローンは従来であれば、もっぱら偵察用が多かった。だが最近では攻撃を行うドローンも多く、実際に紛争でも活用されている。特に標的を認識すると攻撃を行ってくる「神風ドローン(Kamikaze Drone)」が大きな脅威だ。2020年のアゼルバイジャンとアルメニアの紛争ではアゼルバイジャンがイスラエル製の「神風ドローン」で攻撃を行っていた。小型の攻撃型ドローンで大量に上空から攻撃してくる「神風ドローン」は地上にいる人間にとっては非常に恐ろしい存在であり、攻撃をしかけてくる前に地上から撃破しておきたい。

 現在は人間の軍人が地上で迎撃ドローン銃を持って、上空のドローンを撃破しているが、そのような軍人は「神風ドローン」の標的になりやすい。迎撃ドローン銃を搭載し、上空のドローンを検知すると自律的に迎撃を行う兵器を使用すれば人間の軍人が標的として神風ドローンに突っ込まれて犠牲になることも少なくなる。

ドローンの迎撃を訓練するオランダ軍(DGLC Koninklijke Landmacht)
ドローンの迎撃を訓練するオランダ軍(DGLC Koninklijke Landmacht)

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学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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