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ジョージア初の偵察・攻撃ドローン開発:イスラエルなど他国に依拠しないで自国で兵器開発へ

佐藤仁学術研究員・著述家
TAM社が公開したジョージア初の偵察と戦闘用ドローン「T-31」(TAM社提供)

 ジョージアにある航空機メーカーのTbilAviaMsheni(TAM)がジョージア初となる国産の偵察と戦闘用ドローン「T-31」を開発していること発表した。TAMでは2年前からジョージア軍のためにドローンの開発を行っていた。350キログラムまでの兵器を搭載が可能で24時間飛行できる。兵器を搭載しない偵察時には3日間ノンストップでの飛行が可能。

 2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突で「神風ドローン(Kamikaze Drone)」が紛争に活用されていた。アゼルバイジャンがイスラエル製の「神風ドローン」を使用していた。「神風ドローン」とは標的を認識すると、標的に突っ込んでいき爆破して攻撃を行う攻撃ドローンだ。周辺諸国での紛争で攻撃型ドローンが実戦で活用されてきたため、ジョージアとしても攻撃が行える戦闘用ドローンの開発と実用化を急いでいる。

 また2008年8月に南オセチア州を巡りジョージアとロシアの間において紛争(南オセチア紛争や8月戦争と呼ばれている)が勃発したあが、その際にはジョージアはイスラエルから提供された軍事ドローンを使用していた。だが2012年にはジョージアの元大統領のミヘイル・サアカシュヴィリ氏がイスラエルからロシア政府にドローンの情報やコードが流出していた疑いがあったと取材で語っていた。

 そのためジョージアとしてもイスラエルのような他国が開発したドローンや兵器に依拠するよりも、自国で兵器を生産することが自国の安全保障に直結するため重要である。

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学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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