台湾、増強される中国軍の兵器の無人化を警戒
台湾の国防安全研究院という安全保障関連の国立のシンクタンクは中国の兵器増強による台湾および周辺諸国への安全保障の脅威について語っていた。特にドローンや戦車など無人兵器の拡大が大きな脅威になると訴えている。国防安全研究院では中国がテロ対策で2019年にドローンでの訓練をしていたことやチベットのような高地への物資輸送などにドローンが利用されていること、また中国軍が無人ドローンや「Sharp Claw I」という銃を搭載した無人戦車で実戦訓練を行っていることを報告し警戒を示していた。また無人船による偵察にも警告していた。
従来のようにドローンが偵察用として活用されるだけでなく攻撃にも使われるようになり戦場で利用されるようになることが大きな脅威になってきている。中国は2020年には「神風ドローン」と呼ばれている標的を認識すると突っ込んでいき標的を破壊する攻撃型徘徊ドローンを開発して、実戦での利用に向けて試験を行っている。公開された映像ではタンクから発射される徘徊型ドローンやヘリコプターから散布される徘徊型ドローンを操縦者が地上でタブレットで操作して標的を認識すると小型のドローンが突っ込んで攻撃を行っている。
AI(人工知能)技術の発達によって、ますます兵器の無人化は進んでいく。中国のように人間の軍人が多い軍隊では兵器の無人化が進み、無人戦車など無人兵器が実戦に導入されることによって人間の軍人が戦場に行かなくなると、戦場での戦い方だけでなく軍の組織の在り方や雇用形態と就労も大きく変わってくる。
▼英国メディア「The Sun」が動画で公開している中国の神風ドローン試験の様子