ナチスのソ連侵攻 実話をインスタ動画で「Disappearing Stories」ロシアNGOが製作
2019年にイスラエルで「ホロコーストの時代にインスタグラムがあったなら?」というタイトルでインスタグラムで「Eva.stories」が開設された。1944年にハンガリーの実在の少女のEvaが体験した平和な日々やナチスの侵攻によって生活が激変する様子、Evaの恐怖、不安、ゲットーのカオスなどをインスタグラムで伝えている。
このホロコーストを題材にしたインスタグラムでのショート動画「Eva.stories」に感化されてロシアの高齢者支援のNGOが2020年6月からインスタグラムで動画「Disappearing Stories」を公開している。動画のストーリーはナチスドイツがソ連に侵攻してきて、モスクワで焼夷弾や爆弾を投下したり、町を占領しようとしてきた。そのような攻撃から生存したGalina Makeeva氏の実際の体験を元にしている。9本の動画がアップされている。Galina Makeeva氏はナチスドイツによるモスクワでの10万本以上の焼夷弾の攻撃を生き延びてきたが、多くのロシア人が犠牲にもなった。2020年6月22日に公開されてから既に1250万回以上も再生されている(6月22日は1941年にナチスドイツがソ連に侵攻した日)。決して明るい内容ではないが、独ソ戦からの生存者の高齢化が進んでいっている中、彼らの体験を現在に伝えようと、ロシアの高齢者支援のNGOが製作。
インスタグラムのショート動画なので、重たい内容で痛ましい映像でも若者に訴求しやすい。「Eva.stories」はホロコーストの犠牲者となった実在人物をモデルにして"当時、スマホやインスタがあったら"という想定での動画で、インスタをよく利用している若者に訴求していたが、「Disappearing Stories」は実際の経験を生々しく映像で表現しており"当時、スマホやインスタがあったら"という設定は一切なく、戦場の映像も本格的だ。
▼インスタで公開している「Disappearing Stories」