新型コロナウィルス感染拡大による学校閉鎖 世界で3人に1人がリモート学習できない状況に

リモート学習で授業をする米国の小学校の先生(写真:ロイター/アフロ)

 新型コロナウィルスの感染拡大に伴って世界規模でロックダウンや緊急事態宣言が発出され、世界中の学校が閉鎖されていた。日本では対面授業が復活したが、それでも大学などでは現在でもオンライン学習による講義が主流なところも多い。ユニセフ(国連児童基金)は2020年8月に、新型コロナウィルス感染拡大で学校が閉鎖されている時に、世界中の学齢期の子供の3人に1人がリモート学習を利用できなかったことを発表した。その数はおよそ4億6300万人だった。

 ユニセフの報告書によると、100ヶ国で就学前、小学校、中学校、高校の子供たちのリモート学習について調査。特にサハラ以南のアフリカの子供が最もリモート学習ができなかった。また農村部の子供ほど、学校が閉鎖されている期間に学習を中断することが多く、リモート学習できない子供の4分の3が農村部に暮らしている。ユニセフ事務局長は「何カ月にもわたって学校の授業を中断されたことは世界的な教育危機の現れで、その影響は今後何十年にもわたる経済や社会に影響を及ぼす可能性があります」とコメントしている。

▼ユニセフが発表したリモート学習できない子供の地域別の割合と人数

地域:リモート学習できない学齢期の子どもの割合(%):リモート学習できない学齢期の子どもの人数

東部・南部アフリカ:49%:6700万人

西部・中部アフリカ:48%:5400万人

東アジア・太平洋地域:20%:8000万人

中東・北アフリカ:40%:3700万人

南アジア:38%:1億4700万人

東欧・中央アジア:34%:2500万人

ラテンアメリカ・カリブ海諸国:9%:1300万人

世界全体:31%:4億6300万人

 日本ではリモート学習と言うと、オンライン授業を想定してネットに接続してパソコンやタブレット、スマホなどで学校の授業をオンデマンドまたはリアルタイムに受講する形式をイメージするかもしれないが、世界中ではテレビやラジオでアクセスして勉強する子供も多い。また学校の宿題を家で行うだけといったアナログな形式も多く、リモート学習(「Distance Learning」と呼ばれている)は「オンラインでパソコンやスマホで授業を受ける」という形式は日本を含む一部の先進国だけだ。

 またリモート学習ができない理由としてスマホやパソコン、家庭での通信回線などの環境が整備されていないといったことだけでなく、特に発展途上国や最貧困家庭では、学校に行っている間は家庭の手伝いや仕事を強要されることは少なかったが、学校が閉鎖されると家でのリモート学習を行えずに、家の手伝いや家計を助けるための仕事を強要されることも多い。