ロシア・プーチン大統領、AI技術力の強化を主張:2030年までに人間の知的活動と同等に

(写真:ロイター/アフロ)

 ロシアのプーチン大統領は2019年10月、ロシアにおける2030年までのAI(人工知能)技術開発の国家戦略プランを承認した。ロシアのAI開発の戦略プランでは、同国におけるAI技術の開発の加速化、AIサービスの可能性の拡大とAI人材の育成を強調。さらに2030年までにAIを人間の知的活動と同等の機能・レベルにして行動をできるようにすること、そのための技術的なソリューションを提供することを明確な目標としている。

 さらにAI国家戦略プランでは、ロシアがAI技術において世界のリーダー的存在になり、AI技術において他国に依拠しない独立性とロシアのAI技術の競争力を強化していくことが重要であると強調。ロシアは今後10年でAI技術の活用によって年間1.2%のGDP成長を目指している。プーチン大統領はAIを中心とした科学技術分野の促進において、国家と企業で連携していくことを主張。

 プーチン大統領は以前からAIの開発と人材育成への注力を訴えていた。2017年9月には、ロシア国内の16,000の学校に向けて新学期を前に「AIの分野でリーダーになれる者が世界のリーダーになれる」と学生たちに向かって述べた。当時は、軍事分野でもAI活用が普及し始めてきており、アメリカ、中国、イスラエル、インドなどAI技術に強い国に対する意識が強かった。また2019年5月に、ロシアでのAI技術の技術発展戦略策定を行った際に「AIはビッグデータ分析に基づく最適結果を導出し、国民生活と経済活動のあらゆる分野において影響を与える」とコメント。ロシアにおいてAI技術に強い人材育成に向けて数学の強化、法制度の整備を充実させることを明らかにした。

 ロシアはAI技術を強化することによって、国際競争力を高めようとしている。またAI技術は経済・産業分野だけでなく、軍事分野でも応用が可能であり、今後の軍事戦略においてもAIを活用した兵器とシステムは重要になることから、AI技術の発展は国家の経済力の強化だけでなく安全保障と国際システムのバランスの維持にも直結している。現在でもAI技術力を有するのはアメリカ、中国が中心であり、ロシアは米中に比べるとAI技術力においては遅れをとっており、ロシアとしてもAI技術力の強化は課題になっている。